決勝 13:45〜114Laps Cloudy / Dry 全日本GT選手権(JGTC)第2戦は、場所を静岡の富士スピードウェイに移しての開催。今回の開幕戦に参戦した車両はGT500に19台、GT300に26台の計45台で、ニッサン車はGT500にGT-Rが3台(星野一義/田中哲也の#12カルソニックスカイライン、本山哲/ミハエル・クルムの#22ザナヴィ ニスモ GT-R、影山正美/エリック・コマスの#23カストロールピットワークGT-R)、GT300にシルビア2台(山野哲也/柳田真孝の#3ユニシアジェックスシルビア、大八木信行/青木孝行の#81ダイシンADVANシルビア)の計5台が参戦した。 予選日となる5月3日は爽やかな朝を迎え、富士山もくっきりと美しい姿を現した。10時50分に始まった予選1回目。ニッサン勢は序盤こそ上位に顔をのぞかせたが、他車両がタイムアップを果たし、今回性能引き上げ措置を受けた#12GT-Rが11番手、ハードタイヤを選んだ#22GT-Rが13番手、そしてソフトタイヤを選んだものの気温が上がり予想以上にグリップしすぎた#23GT-Rが16番手となった。 またGT300では今回13台もの車両が性能引き上げの措置を受けたが、これら対象車が好調で、#3シルビアは11番手、#81シルビアは13番手となった。 午後3時から始まった予選2回目は、やや気温も上がり路面も荒れた状態になったこともあり、タイムアップする車両は少なかった。GT500では、マクラーレン勢、ホンダ勢がポジションを上げたがトップタイムには影響なし。#6スープラがコースレコードとなる1分24秒303でポールポジションを獲得した。ニッサン勢は午後にセッティングを変えてタイムアップを図ったが、#12GT-Rはスタビライザーが折れたこともあり13番手、#22GT-Rは14番手、#23GT-Rは16番手にとどまった。 GT300では、デビューレースとなった#62ヴィーマックがポールポジションを獲得。#81シルビアは11番手、#3シルビアは思うようなタイムが出ず12番手に。予選後、#81シルビアはタービンを交換する作業に入った。 注目されたHKSのメルセデス・ベンツはサーキットには到着したもののスターターのトラブルで予選に出走せず。またGT300のコルベットもタイムが上がらず出走をあきらめたため、計43台が決勝に出走することになった。 明けて4日は朝から雲が立ち込め、風も強い天候に。8時45分から30分の予定で行われたフリー走行で、NISMOの2台は決勝を想定したフルタンク状態でコースインし、#23GT-Rが3番手、#22GT-Rが7番手に。また#12GT-Rは13番手だが、状態は上向きになっている。GT300では#81シルビアが6番手、#3シルビアが8番手と、まずまずの位置につけた。 今回の決勝レースは114周、500kmの長丁場。13時40分にスタートがきれいに切られ、1周目は星野の#12GT-Rが11番手、影山の#23GT-Rが13番手、クルムの#22GT-Rが15番手で通過。しかし2周目の1コーナー手前で3台の車両が接触し1台がサンドトラップから抜け出せなくなったためセーフティカー(SC)が導入された。これで#12GT-Rは8番手、#23GT-Rは9番手、#22GT-Rは13番手に。再スタートが切られた直後に影山が星野を、さらには#39スープラをかわして7番手に。さらに11周目には#23GT-Rが6番手、#12GT-Rが9番手、#22GT-Rが12番手に。ところが19周目のBコーナーで#12GT-Rが周回遅れの車両に追突しそのままサスペンションを壊してリタイアとなってしまった。 27周目、GT500のトップを切って#23GT-Rがピットインしてコマスに交代。通常の2ピットではなく、軽めの燃料でフレッシュタイヤに交換するという3ピット作戦を敢行した。32周目にははく離したタイヤをコース上から排除するために2度目のSC導入。ここで各車が一気にピットインし、#22GT-Rもピットヘ。こちらは通常の2ピット作戦で、ドライバーもクルムのままでコース復帰した。ほぼ1/3を消化した40周目の順位は#1スープラ、#76マクラーレン、#6スープラで、#23GT-Rは7番手、#22GT-Rは9番手に。49周目には1コーナーで止まってしまった車両を排除するために3度目のSC。そして58周目に#23GT-Rが2度目のピットイン(ドライバーはコマスのまま)。 トップ争いは一時#76マクラーレンが先頭を走るが、タイヤが磨耗したため#1スープラが再逆転。また#6スープラはピットアウト時の危険走行のためにペナルティを取られてしまったために、#36スープラが2番手に浮上することになった。75周目には1コーナーでコースアウトした車両の排除のために4度目のSC導入となり、4番手走行中だった#22GT-Rがピットインして本山に交代。また9番手だった#23GT-Rも3回目のピットインで、影山に交代。 再スタート時には#8NSX、#16NSX、#1スープラという順で、#22GT-Rは5番手、#23GT-Rは7番手に。87周目には最終コーナー立ち上がりでクラッシュした車両があり5回目のSC導入。その直前、#23GT-Rには給油中にエンジンを切らなかったためにペナルティの対象となるが、ちょうどそのSCと重なり順位を落とすことなくレースに復帰した。 終盤の100周目、Bコーナーでアクシデントが起き、6回目のSC導入。#22GT-Rは5番手、#23GT-Rは7番手で再スタート。110周目に#22GT-Rの本山は#100NSXにかわされ6番手にドロップしたが、最終周の1コーナーで5位奪回の勝負を賭けた。しかしスピンを喫してしまい#23GT-Rが先行してチェッカー。荒れたレースできっちりと走り、6位、7位という結果を残し今季初ポイントを獲得した。 いっぽうGT300クラスは、8番手を走行していた#81シルビアの青木が11周でピットイン。これはターボのアクチュエーターのロッドが折れたためだった。また#3シルビアの山野はBコーナーでスピンを喫しポジションダウンしたが、中盤には7番手までリカバリーして上位進出を狙っていた。ところがオイルを吹いているということでオレンジボール旗が掲出され、やむなくピットイン。原因はデフのトラブルのためだった。いったんコース復帰するが再びピットインして65周でレースをあきらめた。その直前の62周の時点でマシンの挙動がおかしいとピットインした#81シルビアだが、左リヤサスペンション部のフレームが割れていることが判明し、こちらもレースをあきらめることになった。レースは終了直前までトップを走っていた#19MR-Sのタービンが壊れスローダウン。#62ヴィーマックが逆転してデビュー戦でポールtoフィニッシュを遂げた。
参加:45台、出走:43台、完走:34台 完走規定周回数:GT500 - 79周/GT300 - 75周