本年のJGTC最終戦「SUZUKA GT 300km」レースは、10月22日(日)、鈴鹿サーキットにおいて開催された。午後2:00のローリング開始時の天候は曇り、気温は22℃であった。

チャンピオンシップポイントトップの#1ロックタイト・ゼクセルGT-Rは、11番手からのスタート。また、公式予選後の再車検で車両規則違反を指摘された#2カストロール・ニスモGT-Rは、GT500クラス最後尾、20番手からのレーススタートとなった。
#2は好スタートを切って1周目には15位にまでジャンプアップ。その後も各周ごとに前車とのギャップを埋め、7周目には12位、10周目には僚友の#1をパスして10位となった。さらにその後、#18、#36を抜き、レースを1/3消化した後の19周目には6位にまで浮上した。そして、26周目、スタートドライバーのミハエル・クルムは片山右京にバトンタッチするため、ピットインした。
ニスモのピットクルーは、いつもながらの迅速なピットワークでマシンをコースに戻した。片山は、2'06"〜07"台の安定したラップでレース後半を走行。51周目のチェッカーフラッグを6位でくぐり抜けた。

一方、オープニングラップで10番手となった#1は、先行車の#18 TAKATA童夢NSXとテールトゥノーズの攻防を続け、コーナー毎に背後から盛んにプレッシャーをかけてオーバーテイクのチャンスをうかがった。しかし、9周目以降、GT300の周回遅れ車両をパスしながら隙を狙うが、かたくなにガードを固めた#18は執拗に出口をふさぎ続けた。
ドライバーのエリック・コマスがチームメイトの#2を先行させて攻防の流れを変えようとし、クルムが#18をオーバーテイクした一瞬のチャンスを狙ってノーズを間に入れたが、#18にボディ左側をヒットされ、スピン。先行のチャンスを失った。このスピンによって#1はタイヤにダメージを受け、19周目にスケジュールより早いピットインを余儀なくされた。

ドライバー交代した影山正美は、レースの60%以上を受け持つことになり、特に後半はタイヤをいたわりながらもポジションを守り、7位でレースを終えた。
チャンピオンシップは、1ポイント差でロックタイト・ゼクセルGT-Rを追っていた#16Castrol無限NSXが4位でゴール。10ポイントを加え、逆転チャンピオンを確定した。これによってエリック・コマスは惜しくも3年連続チャンピオンを逃した。
レース後の再車検で2位、3位に入った2台のNSXが車両規則違反となり失格。ニスモの2台の結果は、4位、5位となった。
【エリック・コマスのコメント】
「#18にブロックされ続け、ヒットされてスピンしてしまった。コースの外に押し出されそうだった。私としてはフェアに戦いたかったが、叶わなかった。タイヤのチョイスをミスしたという人がいるかもしれないが、私はそう思わない。各周とも完全にコントロールしていた。しかし、1点差で最終戦に臨んだのが一番の心残りだ。菅生でポイントをミスし、勝てるレースだったTIを逃したのが最大の敗因だ。できることなら、来年にリベンジを果たしたい」

【ミハエル・クルムのコメント】
「セカンドローのポジションを失ったのが、不運だった。やはり最後尾からオーバーテイクを繰り返しポジションを上げるのは難しい。タイヤのライフを縮めながらハードにプッシュするのは、限界がある。でも14台も抜いたので、フラストレーションはありません」
【柿元監督のコメント】
「3年連続チャンピオンを是非取りたかったが、かなわず非常に悔しい。簡単に取らせてくれないものだと痛感した。また来年から新たに3年連続チャンピオンを目指してチャレンジを続けていきたい。」