台風一過のTIサーキットに、中国・四国、そして関西からのファンが48,800名も集まり、備前地方の山間部には異様なほどの熱気の中、レースはスタート進行を迎えた。ローリングラップの直前、岡総監督が一言。「今日は攻めますよ。」
13:30、レーススタート。オープニングラップに発生した他車のアクシデントで12位となったARTAゼクセルスカイラインは、クルムのファイトあふれるドライビングで、9周目に#6エッソタイガースープラを、10周目には#12カルソニックスカイラインを捕らえて10位に踊り出る。また、16周目に#32cdma Oneスープラをパスし、さらに24周目に僚友の#1ペンズオイル・ニスモGT−Rに追いつく。31周目に#36をクリア。強豪がひしめく中、レース中盤までに自力で6位のポジションを獲得していた。
そして、41周目にはドライバー交代のためにピットイン。前回の富士ではピットワークのタイムロスで苦渋を味わっていたため、ピットクルーにピリリと緊張感が走る。しかし、作業はあくまでも冷静に、しかも一分の隙もなく終了。これによって、クルマをレーシングコンディションに戻した亜久里選手に3位のポジションをプレゼントすることとなった。亜久里選手は、終盤にペースを落とした#100RAYBRIG NSXを確実に捕らえて2位に。さらに激しく追い上げる#36カストロール・トムススープラを巧みに抑え、最終ラップまで数々のスリリングな見せ場を作ってポディウムへの切符を手に入れた。
フルウェイトハンディと満タンガスを積んだコマス選手のペンズオイル・ニスモGT−Rは、8番手からスタート。起伏が激しいコースの上、スローコーナーからの立ちあがりが決まって急勾配という、ハンディ車両には最も不利な条件が整っている。とにかく我慢し、上位陣の乱れがあった場合には、武器であるスタビリティの高さでそれらをかわすという作戦をとった。結果、#2ARTAゼクセルスカイラインを先行させた以外の他車にポジションアップを許さず、7位完走。シリーズポイントを確実に加算した。これによって、コマスのドライバーズポイントはトップを堅持。チームポイントではトップに1ポイント差と迫った。
#15 ザナヴィARTAシルビアは、土屋選手によってスタート直後からGT300グループをリード。危なげないドライビングで10周目には早くも2位以下に5秒以上も差をつけ、余裕を作った。ドライバー交代以後も井出選手はリードを守りつづけ、予告通りの逃げ切りに成功した。土屋、井出両選手はGT300クラスのドライバーズポイントでトップとなり、チームポイントも1位にランクされることとなった。