in MINE
1999.7.11

ニスモ、MINEを2クラス制覇
ペンズオイル・ニスモGT-RがGT500で、
ザナヴイARTAシルビアがGT300クラスで優勝


JGTC MINEラウンドは、ニスモから出場したペンズオイル・ニスモGT-RがGT500クラスで「サヨナラ」逆転優勝。GT300のザナヴイARTAシルビアは、スタートからトップを堅守し、堂々の2連覇をおさめた。一方、レース終了寸前までCastrol無限NSXと激しい3位争いを繰り広げたARTAゼクセルスカイラインは、マシントラブルでストップ。惜しくも表彰台を逃した。

次回、第5戦は8月7日(土)〜8日(日)富士スピードウェイ(静岡県)で開催。


Race Report

【決勝】 (周回数 76周)路面コンディション:ドライ

14:00にローリングスタートで始まった決勝レースは、予想通りマシンそしてドライバーにとって激しい緊張を強いるタフなレースとなった。スタート直後に4位でスタートした#64Mobil 1 NSXがスピンしてコースアウト。8位からスタートしたペンズオイル・ニスモGTRは6位で1ラップ目のコントロールラインを通過した。#2のARTAゼクセルスカイラインは11位のまま1周目を終え、#15のザナヴィARTAシルビアはスタート直後からGT300グループのトップをキープした。
#1は、その後#16のCastrol無限NSXに先行を許したが、本山選手は13ラップ目にブレーキングの競り合いに勝って5位を奪取。コース上のあちこちで起きるスピンやコースアウトした車両の混乱を巧みに避け、先行車との間隔を詰めていく。また、30周目には#35のマツモトキヨシ・トムススープラのラファネル選手を捕らえ、4位のポジションでスティント終盤を迎えた。
ところが、予定されたドライバー交代のためのピットインまで残り数周の時点でギアボックスにトラブルが発生。

不安を残したままピットに滑り込んだ。そして、「総合力」を誇るニスモピットクルーは、わずか24秒でドライバー交代、燃料補給、タイヤ交換の作業を終え、マシンをコースに戻した。この時点での順位は5位。マシンを降りた本山選手のトラブルレポートによると、ペンズオイル・ニスモGT-Rは4速ギアを失ったとのこと。しかし、その後他の車両が続々とピットインし、50ラップ目に本来のポジションに戻ると、コマス選手は1位の#37カストロール・トムス・スープラに続く2位に浮上。


その後、周回遅れをかわすたびにトップにつけられていた約3秒の差を徐々に詰め、60周目には0.5秒差まで縮めていった。4速ギアを失った#1は明かにストレートスピードが伸びず、オーバーテイクのためにはリスキーなブレーキングテクニックを使わざるを得ない状況であった。10ラップもの間テールトゥノーズの攻防を繰り返したのち、チャンスを見つけたコマス選手は第2コーナーで#37のインをつき、執念の逆転を果たす。そして、残す周回もコマス選手はコンセントレーションを失わず、ステディーなドライビングでチェッカーフラッグを受け、サヨナラ逆転優勝の栄冠を手に入れることとなった。

決勝レースに先だって行われた朝のウォームアップセツションで左リアホイールが外れ、レーススタートが危ぶまれた#2は、ローリングスタート後はその事実がなかったかのような快調なテンポでトップグループに加わる。レース序盤は鈴木亜久里選手の隙のないドライビングで周回を重ね、一時3位まで浮上。#1と同様、迅速なピットワークでドライバー交代を終えると、クルム選手は#16のNSXと激しい3位争いを繰り広げる展開となった。

このデッドヒートに42000名の観客は沸き、ARTAゼクセルスカイラインのホットな走りに惜しみない声援を送った。しかし、チェッカーフラッグ間際の73周目に突如スローダウン。バックストレートのグリーンにストップすると、再びコースに復帰することはなく、クルム選手はヘルメットを脱いだ。トラブルの原因は駆動系の破損であった。

オープニングラップでGT300のポールシッター、ダイシンシルビアを振り払った土屋武士選手駆るザナヴィARTAシルビアは、その後も危なげないドライビングでGT300グループをリード。60kgのウェイトハンディは、激しいブレーキングとタイトコーナーでのスロットルオン・オフが連続するこのコースでは、マシンの挙動制御に大きな影響を与えるはずだが、文字通りハンディを感じさせない安定したラップタイムを刻む。

ドライバーチェンジ以後の井出選手も、これを継承。トラブルフリーで67周を走りきり、SUGOに続くGT300クラス優勝を果たした。

劇的な逆転劇で優勝を手にしたペンズオイル・ニスモGT-Rと安定した強さを見せたザナヴィARTAシルビアの活躍は、この日MINEサーキットを訪れた多くのモータースポーツファンの胸に、「ニスモ、MINE完全制覇」を強く印象づけることとなった。

Result

Pos. No. Machine Driver Lap / behind
1 1 ペンズオイル・ニスモGT-R E・コマス 本山 哲 76 Laps
2 37 カストロール・トムススープラ 鈴木利男 片山右京 -02"080
3 16 Castrol無限NSX 中子 修 道上 龍 -16"262
4 3 ユニシアジェックススカイライン 長谷見昌弘 田中哲也 -34"746
5 6 ESSO Tiger Supra 野田英樹 W・ガードナー -44"442
6 12 カルソニックスカイライン 星野一義 影山正美 -1'10"276
           
11(1) 15 ザナヴィARTAシルビア 土屋武士 井出有治 -4 Laps
15 2 ARTAゼクセルスカイライン 鈴木亜久里 M・クルム -5 Laps

予選レポート