380RSにマウントされた専用3.8Lエンジンは、レーシングエンジン(380RS-Cに搭載)をストリート仕様にデチューンしている。 排気量はそのままにインテークマニホールドやエキゾーストをはじめ、空燃比や点火時期、VTC等をストリート仕様へと最適化。専用3.8Lエンジンの最大の特長は“素材”にある。レーシングエンジンと同様のパーツを組み込むことで、ハイパフォーマンスと耐久信頼性を実現。たとえば、ピストンは高強度の専用アルミ鍛造製。クランクシャフトやコンロッドにも専用の強化素材を使用した。加えて、カムシャフトのカムプロフィールやバルブリフト量、バルブスプリングなどもまさにレーシングエンジンならではの設計となっている。
■380RS専用3.8エンジン主要構成パーツ
380RSではクランクシャフト、バルブスプリング、バルブスプリングリテーナー、ピストン、カムシャフト、コンロッド、ECM(エンジン・コントロール・モジュール)、オイルジェット等を専用パーツとして使用している。
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3.8Lエンジンの実戦テストの舞台となった'06年十勝24時間レースでは、参戦した2台のフェアレディZがともに上位完走を果たし、3.8L化に対する性能・耐久信頼性を証明。その後、ストリート仕様へとチューニングするために数ヶ月間にもわたる実車走行テストや3軸ダイナモを使用したエンジンベンチテスト、環境試験室でのテストなどを実施。レーシングエンジンに求められるポテンシャルとクオリティ、ストリートユースに欠かせない耐久性とドライバビリティ。380RSは、その両方にニスモならではのノウハウが注ぎ込まれている。最高出力257kW(350PS)/7200rpm、最大トルク397N・m(40.5kgm)/4800rpmというスペックが、低速域からの充分なトルクと高速域での圧倒的加性能を実現する。
'06年十勝24時間レース
実車走行テスト
エンジンベンチテスト