ジンクスを払しょくしたSUGOでの連覇を狙う
          SUGO観戦ポイント (2009年掲載)
SUPER GT第5戦は、夏休みの東北ラウンド、仙台近郊のスポーツランドSUGOで開催される。一昨年まで不思議なことに日産のGT500車両は一度も優勝できず“鬼門のコース”と呼ばれていた。しかし昨年、本山哲/ブノワ・トレルイエの「MOTUL AUTECH GT-R」が戦略も決まり逆転優勝し、それまでのジンクスを実力で破って見せた。そして今年は連覇を狙ってSUGO入りする。
SUGOは70m近い標高差を持つアップダウンの激しいサーキット。2本のストレートをつなぐコーナーはタイトで、またコース幅もそれほど広くない。特にタイトなコーナーが連続する1コーナーからへアピンにかけてとバックストレートを下った馬の背〜SPコーナーなどは、車両の旋回性能が要求される。NISSAN GT-Rは特に旋回性能に優れており、さらにこのSUGOから新たな空力パーツを導入する。今年の車両ではホンダのHSV-010のコーナリング性能の高さが評判だが、それに負けない性能を発揮して活躍を見せてくれるだろう。
前回のセパンでは#12「カルソニック IMPUL GT-R」(松田次生/ロニー・クインタレッリ)と#23「MOTUL AUTECH GT-R」が新スペックのエンジンを搭載して1-2フィニッシュを遂げた。エンジン性能も向上したGT-Rの活躍は大いに期待できる。ただしSUGOで影響してくるのが車重。セパンで優勝した#12 GT-Rは66kg、開幕戦優勝の#24「HIS ADVAN KONDO GT-R」は50kgと全体の中では重めであるため、1発のタイムアタックは厳しいかもしれない。前回セパンで2位表彰台を獲得した#23 GT-Rは36kgといくらか軽量であり、十分勝負権を持っていると言えるだろう。さらに高い路面温度を得意とするミシュラン(#23 GT-R)、横浜ゴム(#24 GT-R)のタイヤがいかに性能を発揮するかにも注目したい。
SUGOでのレースはコースレイアウトとコース幅の関係もあり、GT300車両などバックマーカーをいかに上手に使うかがカギとなる。特に2、3コーナー〜ヘアピン〜S字あたりやSPコーナーで引っかかってしまっては苦しいし、ライバルとの間にバックマーカーを挟むなどドライバーの経験を利用した巧みな走法も重要になってくる。ドライバーのとっさの判断も要求される戦いとなる。
SUGOでの観戦ポイントはピット作業とインフィールドのバトルが観戦できるグランドスタンドがお手頃。また1コーナーからヘアピンにかけてのインフィールド区間を近くで見たければドライバーサロン前、またスリリングなバトルを見たければSPコーナースタンドが見やすく、またレース中に移動しながら観戦するのもいいだろう。真夏のラウンドとなるため、日よけとなるものと飲料水、そして突然の天候の変化に備えて雨具の準備もしておきたい。


ニスモ鈴木豊監督
「セパンでは速さをお見せして2位表彰台を獲得できましたが、今度のSUGOと次の鈴鹿では連続表彰台、内1回は優勝しないとシリーズ後半が厳しくなります。ですからSUGOではまず優勝を狙って戦います。ダウンフォースを重視し旋回性能を向上させた新しいエアロパーツも投入しますし、セパンでの結果をフィードバックさせたタイヤも準備しています。昨年は戦略で勝ちましたが今年はクルマの速さで勝ちたいと思いますので、応援をどうぞよろしくお願いします!」
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