#1「MOTUL AUTECH GT-R」、荒れたレースで予選挽回の6位入賞

セーフティカーの導入やペナルティの多発など、荒れたレースとなった第6戦決勝で、#1「MOTUL AUTECH GT-R」(松田次生/ロニー・クインタレッリ)は予選12位から大きく順位を上げて6位に入賞した。

快晴のSUGOは9月下旬とは思えない暑さとなった。気温31℃、路面温度40℃というコンディションで決勝レースがスタート。第4戦富士以来となるスタートドライバーを務めた松田は、一つ一つ着実にポジションを上げていった。

26周目、他車がクラッシュしたためセーフティカーがコースイン。ピットレーンがオープンになると、このセーフティカーランのうちにルーティンのピットワークをすませるべく、GT500はほぼ全車がピットになだれ込んでくることとなった。直前に周回遅れと絡む形でスピンを喫し、12位を走行していた松田もピットイン。チームは素早い作業でクインタレッリへとドライバー交代し#1 GT-Rをコースに送り出した。ピットレーンの混乱でタイムロスをしたものの、レースがリスタートを切った33周目には7番手と大きくポジションアップを果たした。後半スティントを担当したクインタレッリは序盤からハイペースで前方のマシンを追いかけ、37周目には6番手、63周目には5番手に浮上。更に上位のマシンがペナルティで後退し4番手に上がると、3番手を走るマシンにも迫っていったが、オーバーテイクの際に接触したためドライブスルーペナルティが掲示されてしまった。67周目にペナルティを消化し、再度追い上げを開始。7位でチェッカーを受けたが、その後他車のペナルティにより6位にポジションアップとなった。


#1 GT-Rドライバー 松田次生
「クルマのペースが良く、順位も上げていけてすごくいい展開だったのですが、周回遅れの車両に接触されてしまいました。表彰台も見えていただけに、非常にもったいない、残念な結果ですが、しっかりと頭を切り替えて残り2戦に臨まないといけません。今日のレースでは本当に、クルマもタイヤもすごく良かったですし、トップとのポイント差も縮まったので、残り2戦も全開でプッシュしていきます」

#1 GT-Rドライバー ロニー・クインタレッリ
「いろんなことが起きたレースでした。スタートから松田選手のスティントでポジションを上げてくれて、ピットストップの後は僕が7番手でレースに戻ることができました。ペナルティに関しては何とも言えない部分がありますが、今日の実力を考えると表彰台には行けたと思うので、非常に悔しいです。ランキングは5位になってしまいましたが、トップとのポイント差は僅差ですし、完璧なレースができれば手が届く位置にいます。残り2戦あきらめず、完璧な週末を送れるように頑張ります」

ニスモ鈴木豊監督
「SUGOらしいレースになりました。いろいろな要因がありますが、やはりミスをしてしまってはダメだということです。チームとして反省すべき点もありました。速さだけでは、SUPER GTは勝てないということを改めて感じたレースでした。もう一度基本に立ち戻り、自分たちのやることを整理して、残り2戦に臨みます。GT-Rとしては、4台全てがチャンピオン争いの権利を持っています。もちろん次戦のオートポリスで台数はさらに絞られてくるでしょうが、全員で、最終戦を有利な形で戦えるように持って行きたいと思いますので、引き続き応援をお願いします」


#3「B-MAX NDDP GT-R」、8位フィニッシュでポイント獲得

予選15位からスタートした#3「B-MAX NDDP GT-R」(星野一樹/高星明誠)は、荒れたレースの中、ミスのない走りで8位まで順位を上げてゴールした。

スタートドライバーの星野は序盤からハイペースで周回を重ね、10周目には12番手に浮上。さらに、前のマシンと接近戦を展開しながらレース中盤へと入っていった。セーフティカーランの間にピット作業を済ませるため、#3 GT-Rは26周目にピットイン。タイヤを片側2本交換すると、高星にドライバー交代しコースへと復帰した。しかし、ピットアウトのタイミングが、セーフティカーが先導するコース上のマシンの隊列の通過と重なってしまったために、16番手でコースに戻ることとなった。高星は追い上げを開始し、#3 GT-Rはレース序盤と同じようなペースの良さで周回を重ねていった。トラブルやペナルティで他車が次々と後退していく中、高星はミスのない走りで着実にポジションを上げていき、終盤までプッシュの手を緩めずに前のマシンに迫っていくと、最終的に8位までポジションを上げ、2戦ぶりのポイント獲得を果たした。

#3 GT-Rドライバー 星野一樹
「セーフティカーのタイミングまでは、すごく順調にレース運びができていました。ペースは良かったのですが、前のマシンに引っ掛かってしまっていたので、あのタイミングでセーフティカーが出たのは僕たちにとって良かったのですが、ピットレーンで混乱があったために、前に出ることができませんでした。5、6番手を走っていたマシンよりもペースは良かったので、あの混乱がなければもう少し上位まで行けたはずです。順位は上げて、ポイントは獲れましたが悔しいレースになりました。次戦も頑張ります」

#3 GT-Rドライバー 高星明誠
「ペースは良かったのですが、速い場所が違うので抜くのに苦労したマシンや、なかなか抜けないマシンもいました。(ピットストップでは)片側2輪交換だったので、僕のスティントの後半では少しタイヤがきつくなってしまいましたね。単独のペースは良かったのに、巡りあわせが悪かったなと思いました。今回も予選の順位が結果に大きく影響しました。次戦は予選から前に出てレースをしたいと思います」

NDDP RACING 長谷見昌弘監督
「運がなかったレースでした。クルマはトップと同じようなタイムが出せていて速かったですし、ふたりの走りも良かったです。期待していただけに残念な結果になりました。残り2戦は今回よりも気温が下がってくるでしょうから、そういった気候に合わせてまた速いペースを取り戻し、レースを戦っていけるように準備をしっかりしていきたいと思います」