#1「MOTUL AUTECH GT-R」、第3戦の予選は13番手
2015 SUPER GT第3戦がタイのチャーン・インターナショナル・サーキットで開催され、#1「MOTUL AUTECH GT-R」(松田次生/ロニー・クインタレッリ)は予選13位につけ、決勝では後方グリッドからの追い上げを期すことになった。

昨年秋に初めて開催されたチャーン・インターナショナル・サーキットでのSUPER GTレースは今年、日程を6月に改めてシリーズ第3戦となった。6月開催となったことで、猛暑のレースとなることは予想されていたが、実際、好天に恵まれた予選日は、朝から気温が上昇。公式練習が始まった午前10時の段階で、早くも気温は30℃を超え、路面温度は45℃にも達していた。このセッションではGT-R勢が好調でベストタイムの上位4位までを独占。40kgという最も重いウェイトを積んだ#1 GT-Rは4位という結果となった。

GT-R勢によるポールポジション争いに期待が高まる公式予選は定刻通り、15時20分に始まった。#1 GT-Rは松田次生がQ1を担当。いつものようにセッションスタートから7分ほど経過したところで松田はピットを後にする。そして2周ほどウォーミングアップに費やした後、いよいよタイムアタックを開始した。しかし、公式練習で見せた速さとは裏腹に、なかなかタイムを詰めていくことができない。一方、その間に多くのマシンがタイムを削っていき、結果的に松田は13番手でセッションを終了。Q2を担当するロニー・クインタレッリに繋げることなく公式予選を終えることになった。


#1 GT-Rドライバー 松田次生
「全域でタイヤグリップが不足しており、公式練習と全く異なる状況に戸惑っています。明日の決勝レースも同じような時間帯でのスタートとなりますが、今日と同様の状況だと厳しくなってしまいますね。何れにしても全力を尽くし、たとえ苦しくてもなんとか食らいついてポイント圏内で生き残りたいです」
#1 GT-Rドライバー ロニー・クインタレッリ
「全く予想外の結果ですね。僕は予選を走れなかったので実感は湧いていませんが、明日の決勝レースに向けて、作戦もタイヤやクルマのセットアップも見直します。周りのライバルたちも練習走行の時のようにGT-R独占だけは止めてやると考えていたはずだし、改めて(SUPER GTは)簡単なレースではないと実感しました」
ニスモ 鈴木豊監督
「午前中の状況を考えると、この結果は想像していませんでした。なんらかの原因でタイヤがグリップを失っていたのですが、今の所なぜかは解明できていません。(午前より)気温は少し高く、路面温度も3〜5℃上がっていたことはわかっているので、ひとつひとつデータを分析し、明日の決勝に向けて対策を考えます」
#3「B-MAX NDDP GT-R」、2戦連続でフロントローを確保
#3「B-MAX NDDP GT-R」(星野一樹/高星明誠)にとって、チャーン・インターナショナル・サーキットは昨年、見事な走りでシーズン初優勝を飾った好相性なサーキット。しかも前戦の富士ではレース終盤に見事な追い上げで#10 GT-Rに続いて2位入賞を果たしており、チームのモチベーションは高かった。当然、今回の目標は昨年に続いてのサーキット2連勝。そのためにも予選では上位グリッドにつけたいところだ。午前中に行われた公式練習では常に好タイムでクラス上位をキープ。結果的にトップでセッションを終えた。

午後3時にGT300の公式予選が始まった。#3 GT-Rは星野一樹がQ1を担当、いつものようにピットでアタックのタイミングを見計らいながら、開始から5分後にアタックを開始した。慎重にタイヤを温めながら2周走った星野は、3周目からアタックに掛った。最初のアタックラップで1分34秒台に入れた星野は、3周続けてアタックし、最後は1分34秒865まで詰めて5番手につけQ1を突破。Q2を走る高星明誠に繋いだ。

星野から替わった高星は、コースインのタイミングを遅らせ、しかも丁寧にタイヤを温め、最後の最後でタイムアタックに入った。早々とタイムアタックを行ったライバルが1分34秒台に留まっていたのに対して、まるで力をためていたかのようにアタックラップの1周目に34秒の壁を破って1分33秒988をマーク。この時点で2番手以下にコンマ5秒の大差をつけていた。このまま逃げ切りでポールポジション奪取かと思われた矢先、ファイナルアタックで高星のタイムを上回るマシンが現れてポールポジションを明け渡してしまう。しかし、それ以外に彼のタイムを更新するマシンは現れず、結局2位で予選を終了した。明日の決勝はフロントローからスタート。昨年に続いてのタイ2連覇を目指す。


#3 GT-Rドライバー 星野一樹
「Q1はコンサバに走りましたし、初めてのタイヤを履いていったこともあるので午前中(公式練習)のタイムは出ませんでした。トップ通過とはなりませんでしたが、決勝では序盤にトップに出られると思いますし、いつもどおりのレースを展開し、シリーズにつなげたいと思います」
#3 GT-Rドライバー 高星明誠
「ベストタイムをマークしてからもタイムアップするかもしれないと途中まで攻めてみたのですが、タイムが落ちてきて、(更新は)無理そうだという無線も入ったので、アタックを終了しました。その後25号車に逆転され、時間切れになってしまいました。予選で31号車と10号車の前にいくという目標はクリアできたので、シリーズを戦う上では良かったかなと思います。クルマのバランスもロングランも悪くないので、明日は25号車をマークしながら上位を目指します」
NDDP RACING 長谷見昌弘監督
「ポールポジションにはこだわっていないので、暫定トップになった時点で「もう(アタックは)不要」と無線を入れました。今年はチャンピオンを絶対に獲りたいと思っています。だから点取り虫に徹していかないといけないんです。25号車は軽量なのでタイヤや燃費の点でも有利。明日は、少しでも多くポイントを取るレースにしたいですね」