#1「MOTUL AUTECH GT-R」、圧倒的なタイムでポールポジションを獲得
2015 SUPER GT第2戦が富士スピードウェイで開催され、#1「MOTUL AUTECH GT-R」(松田次生/ロニー・クインタレッリ)が予選でポールポジションを獲得。コースレコードも更新した。

ゴールデンウィーク恒例となった富士スピードウェイでのSUPER GT。この週末は絶好の行楽日和という天気予報だったが、その通り、予選日から雲一つない晴天に恵まれた。強い日差しに伴い、朝から気温も22℃、路面温度も28℃を指していた。シーズンオフのテストから手ごたえをつかんでいたチームは、予選日午前中に行われた公式練習からトップタイムをマーク。しかも、前年に同じGT-Rが記録したコースレコードを塗り替えるタイムだっただけに、予選に向けてもレコード更新が期待された。

先に行われたGT300のQ1で赤旗中断があったため、定刻より6分遅れ、午後2時41分にGT500の予選Q1が開始された。Q1担当の松田は残り時間が9分を回ったところで、15台あるGT500のマシンの中では早いタイミングでアタックを開始。入念なウォームアップをして、アタックラップに入った。順調にタイムを上げると、計測3周目に1分28秒087と、前年のコースレコードどころか午前中にクインタレッリがたたき出したベストタイムも大幅に更新しトップに躍り出た。他の車両も自己ベストを更新し松田のタイムを追いかけるが、まったく届かない。松田はさらに連続のアタックで自己ベストタイムを更新すると、トップタイムでクインタレッリにバトンをつないだ。

Q2でも、#1 GT-Rの速さは他を圧倒した。残り時間6分を切ったところで、各車がアタックラップに入っていく。他の車両が、Q1の松田のタイムに迫る勢いでポールポジション争いを展開していく中、クインタレッリは計測3周目に1分27秒675という驚異のタイムをたたき出した。この時点で、2番手に0.6秒以上の大差をつけてトップタイム。更に次の周には自己ベストタイムを0.1秒縮め、ポールポジションを獲得した。


#1 GT-Rドライバー 松田次生
「これまであった問題をしつこく追求し、チームが力を合わせてそれを解決してくれたので、良い結果を生んだと思います。みんなの努力の証明ができてよかったです。僕のアタックラップはセクター3でギヤダウンできず、インにつけなかった箇所があってロスしたのにトップタイムが出せたので、ロニーなら間違いなく27秒台中盤で戻って来てくれるはずだと思っていました」
#1 GT-Rドライバー ロニー・クインタレッリ
「チームがファクトリーで完璧なクルマを作ってくれたおかげです。午前中のプラクティスの1 周目から、”これはいける”と感じていました。持ち込みの状態が良いと、余裕を持てます。12号車も36号車も速いと予想していましたが、でも僕のほうが速いと確信していました。明日は通常より1スティント長いレースですが、ミスなく走ってマックスポイントを取ってシリーズに備えたいです」
ニスモ 鈴木豊監督
「まさにチームが良いクルマを作ってくれて、ドライバーがそれにきちんと答えてくれた結果です。あまり良い結果ではなかった3月末の富士テスト、開幕戦岡山で残った課題をひとつひとつ解決してきた成果だと思います。"ポールトゥフィニッシュ"は、NISMOのパターンだと言えるでしょう。その形はできたので、気を引き締めて明日の500kmレースに臨みたいと思います」
#3「B-MAX NDDP GT-R」、フロントローポジションをゲット
#3 GT-Rにとって、第2戦富士は昨年ポールポジションを獲得している相性の好いラウンド。公式練習でも、セッション前半にマシンに乗り込んだ星野が、昨年のポールポジションタイムに迫る1分37秒946をマーク。後半、さらに専有走行の時間では高星がわずかにそれを上回り、1分37秒856でセッショントップを飾った。

午後2時15分に、GT300の予選がスタート。星野がQ1を担当した。各車が続々とタイムアタックに入る中、星野もタイミングを計ってコースイン。計測3周目に1分37秒720で2番手に着けると、さらにタイムアップを図り次のアタックに入っていった。しかし、このタイミングでコース脇に停車車両が出たため、残り時間3分のところで赤旗が出てしまう。いったん全車がピットに戻ると、残り時間を5分に延長しセッションが再スタートとなった。ここでコースに出ていくのは、Q2進出がギリギリのラインにとどまっている中団のマシンたち。赤旗掲示時点で3番手の#3 GT-Rは、ピットで行く末を見守ることに。その後、星野のタイムを上回るマシンは出てこず、#3 GT-Rは3番手でQ2進出を果たした。

Q2を担当した高星は、コースインラップから丁寧にタイヤを温めアタックに入った。計測2周目では1分38秒後半のタイム。37秒前半で争われているポールポジションタイムにはまだ届かなかったが、次の周には一気に2秒近くタイムを縮め、1分37秒188で堂々のトップタイムをマークした。しかし、このタイムがすぐに塗り替えられてしまう。高星は再度集中力を高めて連続アタック。コース前半にあたるセクター1、2と全体のベストタイムを記録していった。コントロールラインを通過し、自己ベストタイムは更新したが、セクター3でわずかにトップに届かず。明日はフロントローから500q先のトップチェッカーを目指す。


#3 GT-Rドライバー 星野一樹
「Q1では、最小の周回数で自分たちのベストを出して通過できたし、自分の仕事はきちんとできたと思います。Q1での(トップタイムをマークした)プリウスのタイムがだいぶ速く、僕らのできるベストを尽くそうと話をしていたんです。僕のセッションで、バランスの良くない個所が一つだけあったのですが、Q2に向けてはそれをアジャストできましたし、高星もすごくいいアタックを見せてくれました。僕らのできるベストだったことは間違いないし、今日一日、ずっと僕らのベストを尽くせていると思っています。今日ロングランはできていないのですが、テストでレースシミュレーションを何回かやってきているし、その点ではレースセットやレースペースには他の誰よりもアドバンテージを持っていると思います。不安な中ではなく、すごく自信を持った中で明日のレースがスタートできるので、楽しみです」
#3 GT-Rドライバー 高星明誠
「満足のいくアタックはできたのですが、2位という結果は悔しいです。最後の1周も渾身の一撃。僕の持っている力を出し切って、プッシュできたと思います。Q1の結果を見て、トップには届かないなという印象でしたが、チームでは今自分たちができるベストを尽くそうと話をしていました。それが、実際にQ2の結果を見るとすごく僅差で、だからこそ悔しいです。テストの時からロングランはずっとやってきて良い感触があるので、それと同じようにできれば、同じように(良い)結果が出ると思います」
NDDP RACING 長谷見昌弘監督
「テストから、クルマの調子はいいですね。岡山は残念な結果になってしまいましたが、あれは雨の影響もありました。今回は雨の予報もないですし、本当の力を見せて、絶えずトップ争いできると思います。(ポールポジションを獲った)プリウスも、決勝ではあのペースでずっと走り続けているわけではないでしょうし、テストで積み重ねてきたものを明日の結果につなげられるよう、頑張っていきたいと思います」