#10 GT-Rが2位表彰台を獲得

2022年シーズンのSUPER GT第5戦が鈴鹿サーキットで開催され、GT300クラスには5台のNISSAN GT-R NISMO GT3が参戦しました。ポールポジションからスタートした#10 TANAX GAINER GT-R(富田竜一郎/大草りき/塩津佑介)が、今シーズン2度目の表彰台となる2位を獲得しました。

予選

GT300クラスは、前戦までに獲得したポイントの3倍のサクセスウェイト(端数切り上げ、上限100kg)を搭載します(第2戦〜第6戦)。今大会は、#56 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R(藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)が出場車両中で最も重い100kg、#11 GAINER TANAX GT-R(安田裕信/石川京侍)が60kg、#10 GT-Rが45kg、#360 RUNUP RIVAUX GT-R(青木孝行/田中篤/柴田優作)が5kgのサクセスウェイトを搭載しました。

8月27日の予選Q1では、A組に#48 植毛ケーズフロンティア GT-R(井田太陽/田中優暉/甲野将哉)、#56 GT-R、B組に#10 GT-R、#11 GT-R、#360 GT-Rがそれぞれ出走しました。A組では#56 GT-Rのオリベイラが4番手タイムをマーク、B組では#10 GT-Rの富田が6番手でそれぞれQ1を突破。Q2では#10 GT-Rの大草がトップタイムを記録し、今シーズン初のポールポジションを獲得しました。#56 GT-Rの藤波は4位、#11 GT-Rは18位、#360 GT-Rは24位、#48 GT-Rは25位から、450kmという長い決勝レースに挑みます。

決勝

決勝レースは8月28日の午後2時30分、パレードラップ1周、フォーメーションラップ1周を経てスタートしました。

GT-R勢は各車とも順調なスタートを決め、#10 GT-Rの大草は首位、#56 GT-Rの藤波は4番手をそれぞれ守り、#11 GT-Rの石川は前車の間隙を縫って序盤に13番手までポジションを上げることに成功しました。その後、首位を守っていた#10 GT-Rは9周目に2番手に後退、一方の#56 GT-Rは17周目に3番手に浮上。接近する2台は23周目を終えた段階で同時にピットに入り、#10 GT-Rは大草から富田に、#56 GT-Rは藤波からオリベイラへとドライバー交替しました。

レースは中盤、44周を終えた段階で#10 GT-Rの富田が首位、#56 GT-Rのオリベイラが2番手、早めに1回目のピットを終えていた#11 GT-Rの石川が3番手という状況になりますが、その周に130Rでクラッシュした車両があり、セーフティカー（SC）が導入されることに。#10 GT-Rと#56 GT-Rは機を逃さず同時にピットインし、両車ともドライバー交替を行わず、#56 GT-Rが先行する形でコースに復帰しました。先行する車両を追い上げながら、2台のGT-Rによる競り合いはその後も続きますが、#56 GT-Rを、#10 GT-Rの富田が逆転。富田はさらにポジションを上げることに成功し、長丁場のレースを2位でフィニッシュし、今シーズン2度目の表彰台を獲得しました。

100kgのサクセスウェイトを積む#56 GT-Rはレース終盤にペナルティを科されて大きく順位を落としてしまったものの、その後も粘り強く走り切って13位で完走。シリーズランキングでは#56 GT-Rがランキングトップをキープ、2位に#10 GT-Rが続いています。#11 GT-Rは、石川が2スティントを担当して安田につなぎ、16位に。#360 GT-Rは柴田から青木、田中篤という順に交替して20位。#48 GT-Rは井田から田中優暉、甲野とバトンをわたし22位で完走を果たしています。

富田竜一郎
「ポールポジションからのスタートでしたが、思った以上にタイヤとペースが厳しく、周りに対して少しピット戦略で手堅くいきすぎてしまったのが反省点かなと思います。残り3戦良い戦いをして、最終戦までシリーズチャンピオンの可能性を残したまま戦えるように頑張りたいと思います。チームや応援してくださった皆さんに感謝したいですね」

大草りき
「序盤から逃げるしかないと思って頑張りましたが、余力を残していたライバルが良いペースで迫ってきたので、タイヤを傷めないよう無理にブロックはしませんでした。結果は2位でしたが、ここ2戦不調だった流れから抜け出せた気がしますし、ランキングも上位に上がったと思うので、この結果を無駄にしないよう、これからも戦っていけたらなと思っています」