
2011.8.17
新商品開発現場レポート
〜Z33、34用空冷式デフオイルクーラー
こんにちは、またまた落合です。
今回は、フェアレディZ用の空冷式デフオイルクーラーの開発現場レポートをお届けします。


タイトルを見て「あれっ?」って思った方は、かなりのZ通でありニスモ通ではないでしょうか。実は、ニスモでは水冷式デフオイルクーラーを既に発売しております。
「じゃぁ、なぜ空冷式デフオイルクーラーを開発しているの?」
という疑問を持たれるのは自然なことですよね。
そこで、あらためて整理してみたいと思います。
まず水冷式のデフオイルクーラーですが、ずばりストリートからサーキット走行会までカバーするデフオイルクーラーなんです。

最大の特長は水冷式にしたことでポンプの作動音などが室内に入ってこないことなんです。もちろん冷却機能は豊富なテストで確認済み。一般的な走行会やサーキット主催のスポーツ走行枠は長くても30分程度。これくらいの全開走行ならバッチリと冷却してくれるんです。ポンプの作動音が気になる方にはおススメの、お気軽なデフオイルクーラーというわけです。また、サーキット走行中にグラベルへ飛び出した場合など、下回りを擦った時にコアを損傷するリスクがないのも水冷式のメリットと言えます。
対して、現在開発中の空冷式デフオイルクーラーは、ハイスペック版。24時間レースでも使える本格仕様です。つまり、長時間、安定して冷却してくれるデフオイルクーラーを目指して開発しているんです。ハイペースな長時間走行における冷却性能を優先している反面、オイルポンプの作動音が室内に入ってきます。真夏にもガンガン走るんだ! という体育会系サーキット走行派におススメという訳です。


最終段階を迎えたテストの目標値は、デフオイルの温度が160℃で長時間安定して走れることです。これがクリヤできれば合格です。
この日の気温は30℃。ドライバーは影山正美ドライバーにお願いしました。とにかくハイペースで1日走ってもらうという過酷なテストですが、既にベテランの域に達した影山ドライバーは嫌な顔ひとつ見せず、淡々とハイペース走行を続けてくれました。


デフオイルの温度が目標値よりも高くなってしまったら走行中止なんですが、そんな影山ドライバーの願い? もむなしく(影山ドライバーごめんなさい)、デフオイルは160℃近辺で安定。見事、試験に合格。
さて、今回は性能面ではOKが出ましたので、これから商品化に向けた作り込みを行っていきます。各ブラケットやホース類などをキチンとしたモノに仕上げますのでご期待ください!
それにしても影山ドライバー、暑い中、本当にありがとうございました。


ちなみにフェアレディZの場合、この日の気温くらいですとデフオイルクーラーがないと8LAPくらいで200℃を簡単に超えてしまいます。サーキット走行をされる方にとっては、デフオイルクーラーは必需品ですよ。
空冷式デフオイルクーラー、商品化されましたらインフォメーションいたします。
以上、落合でした。

Reported by 落合
(OMORI FACTORY)