
2010.6.16
ニュルブルクリンク24時間レースサポート
皆さん、こんにちは。エンジンメカニックの藤田です。
「第38回ニュルブルクリンク24時間耐久レース」のレースサポートに行ってきました。
大森ファクトリーでは、ニュル24時間レースにフェアレディZ Version NISMO Type 380RS-Cにて参戦している
ファルケンモータースポーツチームのレースサポートを行なっているのですが、'06年のニュルテストでは
エンジン製作・供給なども行い、'07年の参戦以降も毎戦たずさわっています。ちなみに'06年のテスト段階から
私がサポートを担当しています。
今年は特に欧州のワークス勢がこぞって競い合う非常にハイレベルなレースになったのですが、そうした状況下で
ファルケンモータースポーツチームは、昨年を上回る周回数で完走を果たし、見事、総合12位(SP7 クラス 3位)で
チェッカーを受けました。これは、Z33の性能をキッチリと発揮し、ほとんどトラブルフリーで周回を重ねることが
できたチーム力の結晶と言えます。

Copyrigh © FALKEN MOTORSPORTS

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現地でのサポート内容としては、エンジンのデータ解析や油水温管理、オイルレベルチェック&補充などが主な仕事と なります。もちろん、エンジントラブルが発生した場合は、その解析・対応が必要となるのですが、'07年からの4回のサポートにおいて、リタイヤにつながるような致命的なエンジントラブルが無かったというのが私の自慢です(笑)。

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実は、ニュル出発の3週間前に腰痛をわずらい、周囲に心配をかけ、「今年は無理かも知れない」と弱気になっていたのですが、
「レースが終わったら現地で入院してもOK」という大森ファクトリースタッフ全員からの後押しもあって、今年も参加が叶いました。
余談ですが、レース終了後、観客の方の熱狂ぶりには毎年感動させられます。特に完走を果たした車両に対する称賛は素晴らしく、
ヨーロッパに根付いているモータースポーツ文化を肌で感じることができます。私もモータースポーツを啓蒙する側に立つ人間として、
今後もモータースポーツの楽しさ、素晴らしさをみなさんに伝えられるよう頑張らないといけませんね。
また、私は1991年のスパ24Hレース優勝時のエンジンも担当していたのですが、こうした経験と技術が全て大森ファクトリーのエンジン
(メンテ、チューニングメニュー)に活かされています。ボア、ピストン、カムなどのクリアランス設定など技術的な側面もありますが、
最も大切にしていることは、「確実な作業を丹念に積み重ねること」です。こうした当たり前に思える事が実は難しかったりします。
レース車両もお客さまの車両も仕様にこそ違いがありますが、作業をする時の技術や気持ちに違いはありません。今後もお客さまへの技術のフィードバックを胸にモータースポーツのサポートに尽力していきたいと思います。
6月26日(土)、27日(日)に富士スピードウェイにて開催されるスーパー耐久シリーズ2010 第4戦スーパーTECにニスモとして
テスト参戦しますが、もちろん、大森ファクトリーのメカニックも参加します。実際にお客さまの車両をメンテ・チューニングしている
スタッフですので、皆さまの熱いご声援を宜しくお願いします。
以上、藤田レポートでした。

Reported by 藤田
(OMORI FACTORY)