国内モータースポーツ活動 DOMESTIC MOTORSPORTS

メインビジュアル

SUPER GT(2008-2021) 14年にわたり活躍した第三世代のR35 GT-R

●●●

 2007年10月の第40回東京モーターショーで姿を現したR35型NISSAN GT-R。GT-Rブランドとしては第三世代にあたるR35 GT-Rは、それまでのスカイラインシリーズの最上級グレードから、単独の車種として「NISSAN GT-R」を名乗ることになった。その圧倒的なパフォーマンスは世界中のカーマニアから注目を浴びた。

 「GT-R」を名乗るからには、当然、レースフィールドでの活躍が期待された。実際、日産・NISMOは、国内最高峰のレースであるSUPER GT GT500クラスに参戦するマシンをフェアレディZからR35 GT-Rに変更することを2007年10月には公表。さらに10月29、30日にはシェイクダウンテストを終了していた。

 2007年12月2日、恒例のNISMO FESTIVALが富士スピードウェイで行われた。R35 GT-RのGT500仕様はこの場でファンに向けて公開され、2008年のSUPER GTにはニューマシンのR35 GT-Rでチャンピオン奪還を目指すことが宣言されたのだ。

 GT500仕様のR35 GT-Rは2008年以降2021年まで使用された。非常に長期間にわたりSUPER GTで活躍したマシンであり、2008年のチャンピオン獲得を皮切りに、2011年、2012年とMOLAが2年連続ダブルタイトルを獲得、そして2014年、2015年にもNISMOがダブルタイトルを2連覇した。

 長きにわたり戦ってきたR35 GT-Rは、レギュレーションの変更やライバルがベースモデルチェンジで競争力を向上させてくる中、エンジン・空力性能を更に向上させ対抗してきたが、Nissan Zの登場を機に最終的に2021年シーズンを最後に現役を引退。14年にわたるGT500マシンの使命を終えた。

 この間の主なトピックスは以下の通り。

  • 2008年 GT500仕様R35 GT-Rのデビューイヤー。基本的には前年のZ33 フェアレディZ GT500仕様の延長線上にあるマシン。搭載エンジンは、引き続き4.5ℓV8ノンターボのVK45型。R35 GT-Rは全9戦中7勝という圧倒的強さを発揮した。この内3勝を挙げた#23 XANAVI NISMO GT-R(本山哲/ブノワ・トレルイエ)がチャンピオンとなった。
  • 2010年 エンジンをVK45型から3.4ℓのレース専用エンジンVRH34A型に変更。
  • 2011年 VRH34A型の改良版であるVRH34B型に変更。この年から日産陣営に加わったMOLAが安定した走りでポイントを稼ぎダブルタイトルを獲得したシーズンだった。
  • 翌2012年、R35 GT-Rは、空力性能を大幅に見直した。このシーズンもミシュランタイヤを履くMOLAが好調で、2年連続ダブルタイトルを獲得した。
  • 2014年 SUPER GTのGT500クラスは、ドイツツーリングカー選手権(DTM)とエンジン以外の車両規則が共通化されることになった。これを受けて、R35 GT-Rも大幅にスペックを変更。とくにエンジンに関しては新規則で、2.0ℓ直列4気筒直噴エンジンにターボチャージャーとされた。また出力制限は空気ではなく燃料流量によって規制(100㎏/h)されるため、限られた燃料でどれだけパワーを出せるかが新車両規則下におけるエンジン開発のキーポイントとなった。このため、新たに2.0ℓ直列4気筒のレース専用エンジンであるNR20A型に変更。このシーズンはNISMOが安定した強さを見せダブルタイトルを獲得した。
  • 2015年 このシーズンもNISMOが安定した強さを発揮し2年連続ダブルタイトルを獲得。
  • 2020年 車両規定が変更され、ドイツツーリングカー選手権(DTM) との共通技術規則「クラス1」に沿った車両となった。エンジンも進化版となるNR20Bに変更された。
  • 2021年 R35 GT-RのGT500仕様最後のシーズン。翌2022年からはRZ34型フェアレディZをベースにしたマシンに変更されることになった。

GT-R Wins Back the Championship - 2014 Super GT Summary

Super GT 2015 Summary / GT-R、2連覇達成!



●●●