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パトロール NISMO(Y62)
日産自動車は2015年10月、中東地域にもNISMOブランドを投入することを発表し、「パトロール NISMO」のお披露目を行った。「パトロール NISMO」はNISMOロードカーとして初の海外専用モデルである。中東地域ではその後、「GT-R NISMO」、「Z NISMO」も発売された。
「パトロール NISMO」には、428 hpを発生し、70%以上の回転域でトルク向上を実現したガソリンV8 5.6Lのエンジンを搭載。また、セグメント初のゼロリフトを達成したエクステリアや、22インチのRAYS製鍛造合金ホイール、ビルシュタイン製のショックアブゾーバーを使用し、NISMOのチューニングを施したサスペンションなどを採用した。
その後「パトロール NISMO」は、2021年4月にマイナーチェンジ。フロントバンパーにサイドダクトを追加することで、マイナーチェンジ後のエクステリアでも、前モデルに引き続きゼロリフトを実現し、SUVセグメントにおける画期的な成果を達成した。また、新しい形状のルーフスポイラーはリアのスムーズな空気の流れを確保し、空力性能を強化。ホイールは合計4.5kgの軽量化を実現した。また、ブレーキの熱容量の拡大によりブレーキ性能が向上し、ボディ構造の強化により高速走行時のハンドリングも向上した。
セントラ NISMO(NB17)
2016年11月、LAモーターショーにて初公開した「セントラ NISMO」2017年モデルは、NISMOチューニングを施した米国向け初の主力モデルで、「NISSAN GT-R NISMO」、「370Z NISMO」、「JUKE NISMO」、「JUKE NISMO RS」と並ぶ、NISMOブランドの米国向けラインアップのひとつだった。
「セントラ NISMO」の空力デザインでは、「安定した高速走行と究極のドライビングプレジャーを提供するため、全体的にバランスのとれたチューニングを行う」というNISMOの哲学通りに、空気抵抗値(Cd値)を犠牲にすることなくダウンフォースを増大させることでゼロリフトを目指し、この結果、ベース車と同様のCd値0.29を維持しながら、揚力を30%低減することに成功した。
また、ノーマルモデルに比べボディ外板を厚くし、フロアやリヤパーセルシェルフを補強することで、ボディ構造の剛性を高めた。これにより、ステアリング操作に対するレスポンスが向上し、搭載エンジンやNISMO専用チューニングを施したサスペンションに最適なプラットフォームを実現した。
「セントラ NISMO」のエンジンは、「セントラSR」2017年モデルに初搭載された新型1.6リッター直噴ターボガソリンエンジンで、最高出力188馬力(5,600回転)、最大トルク177 lb-ft(1,600~5,200回転)を発揮した。
パルサー NISMO コンセプト
2014年のパリモーターショーでお披露目されたモデルの中に、「パルサー NISMO コンセプト」がある。当時、同時に公開された新型「パルサー」のスポーティモデルとしての可能性を追求するために作られ、NISMOロードカーラインアップ拡大の可能性を示唆したが、残念ながら発売には至らなかったモデルである。
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