NISMOコンプリートカーからNISMOロードカーへ NISMO COMPLETE CARS & NISMO ROAD CARS

NISMOコンプリートカーからNISMOロードカーへ NISMO COMPLETE CARS & NISMO ROAD CARS

メインビジュアル

NISSAN GT-R NISMO(2013) NISMOのレーシングテクノロジーとの融合で産む、究極のハイパフォーマンス

●●●

 2013年11月、ハイパフォーマンスを求めるエンスージアストの夢を実現するために、革新的な空力性能と精密なハンドリングを兼ね備えた、ワークス直系のスーパースポーツカー「NISSAN GT-R NISMO」(R35)を発表した。

 発売以来、圧倒的なパフォーマンスを誇るスーパースポーツカーとして認知されている「NISSAN GT-R」に、日産のモータースポーツ活動を担っているNISMOの数十年にもおよぶレーシングテクノロジーの蓄積をフィードバック。レーシングカー譲りの究極のハイパフォーマンスを実現するためにファクトリーチューンを施した「NISSAN GT-R NISMO」は、NISMOロードカーシリーズのフラッグシップとなった。

 「NISSAN GT-R NISMO」は、“あらゆるデザインは機能をともなっている”というレーシング哲学に則った専用のスタイリングを特徴とし、SUPER GTやニュルブルクリンク24時間レースをはじめとするモータースポーツ活動から学んだ数多くの技術を、空力性能、サスペンション、パワートレインなどに採り入れ、日常走行でもスポーツ走行でも通用するパフォーマンスを徹底して追求し、両立させた。

 搭載したエンジンは、NISMO専用チューニングの3.8リッターV6 VR38DETTエンジン。最高出力600PS(441kw)、最大トルク652Nm(66.5 kgf・m)を発生する。「NISSAN GT-R NISMO GT3」にも使われている高効率大容量の専用タービンを搭載し、気筒毎に最適な点火時期をコントロールする制御の採用に加え、最適な燃料噴射量をコントロールするインジェクター駆動回路を採用している。

 エクステリアには、「NISSAN GT-R」に強大なダウンフォースを発生させるボディパーツが加わることでかつてないほどに空力性能が向上。NISMOは、空気の流れを分析する最新のシミュレーション技術を用い、空気抵抗への影響を最小化しながら、路面追従性を向上させるエアロパッケージを開発した。空力性能を高める専用装備として、フロントにカーボン製バンパーとアンダーカバーのエアストレーキを、リヤにはカーボン製のリヤスポイラーを採用。NISMOのモータースポーツ活動での経験を生かし、カーボンファイバー素材をバンパー、リヤスポイラー、サイドシルカバー、アンダーカバーなどに幅広く採用し、軽量化、低重心化を実現した。

 「NISSAN GT-R NISMO」が、世界で最も過酷な路面状況で知られるドイツのニュルブルクリンク北コースで、当時の量産車最速となる7分08秒679のラップタイプを記録した際に装着していたパーツは、後に「NISMO N Attack Package」として、NISMOから発売された。

NISSAN GT-R NISMO 2017年モデル

 「NISSAN GT-R NISMO」2017年モデルは、「NISSAN GT-R」2017年モデルと同様に新形状のフロントバンパーが特徴。日産ブランドのデザインシグネチャーであるVモーションを採用し、ダーククローム仕上げを施した新デザインのグリルは、開口部の拡大によりエンジンの冷却性能を向上させながらも、バンパーサイドの形状を最適化することで、従来の空気抵抗及びダウンフォースの維持を可能にした。さらに、エンジンフードは、剛性の向上により超高速域での変形を抑制し、卓越した空力性能を実現している。

 さらに、標準モデルと同様、ボディ剛性の向上により、ショックアブソーバー・スプリング・スタビライザーそれぞれの突き詰めたセットアップが可能となり、接地性がよく、しなやかで正確に動くサスペンションを実現。走行性能も向上している。

NISSAN GT-R NISMO 2020年モデル

 2020年モデルには、2018年の「NISSAN GT-R NISMO GT3」から使用されている新型のターボチャージャーを採用している。NISMO用の新たなタービンブレードは、その枚数を減らすと共に最新の流体・応力解析を用い、形状を徹底的に見直すことで出力を落とすことなく、レスポンスを約20%向上した。これにより、コーナー立ち上がり時など、アクセルを踏み込んだ際の立ち上がり加速性能を高めている。

 また、車両重心点から遠いルーフ、エンジンフード、フロントフェンダーにカーボン素材を使用し、車両を軽量化することにより、コーナリングの性能が向上した。特に、ルーフにはカーボン素材の間に、より低比重の材質を挟み込むサンドウィッチ構造を採用し、さらなる軽量化を図った。これらの外装部品によって約10.5kgの軽量化を達成した。

 さらに、新たに開発した世界最大級のサイズを誇る超高性能のカーボンセラミックブレーキは、世界トップクラスの制動性能はもちろん、サーキットにおける高Gでの効きの良さと、一般道などでの低Gでのコントロール性の両立を実現した。ブレーキローターの大径化に合わせて、ピストン配列を最適化した専用の高剛性キャリパーと、新しい摩擦材のブレーキパッドを開発し、高負荷状況だけでなく、日常的な使用においても圧倒的な制動力と優れたコントロール性を実現した。

NISSAN GT-R NISMO 2022年モデル

 ボディカラーにNISMO専用新色の「NISMOステルスグレー」を、「ターマックより青く、青空よりもグレーでサーキットでの存在感を示す専用のボディカラー」として設定した。

 また、特別仕様車の「NISSAN GT-R NISMO Special edition」2022年モデルは、クリア塗装を施した、NISMO専用カーボン製エンジンフード(NACAダクト付)を採用。さらに20インチの専用レイズ製アルミ鍛造ホイールにはレッドリム加飾を施した。ピストンリング、コンロッド、クランクシャフトなどには、高精度重量バランスエンジン部品を採用し、手組みの証として完成したエンジンに貼り付けられる「匠」のネームプレートも専用カラーとした。

NISSAN GT-R NISMO 2024年モデル

 2024年モデルは、フロントバンパーとリヤバンパー、リヤウイングに空力性能を向上させる新たなデザインを採用し、新デザインのリヤウイングを高い位置にセットするなど、空力性能の磨きこみを行った。また、最高出力や最大トルクなどのパフォーマンスを維持しながらも、走行時の不要なノイズと振動を低減する新車外騒音規制対応の新構造マフラーを新たに開発、採用した。

 さらに、フロントメカニカルLSDの追加にあわせて4WD制御を最適化。フロントとリヤのトルク配分を緻密に制御することでコーナリング性能も向上させ、GT-R史上最高のパフォーマンスを発揮する。コーナリング性能の向上に伴い「専用RECARO製カーボンバックバケットシート」も、シート剛性とホールド性を大幅に向上させる仕様へと刷新した。

●●●