2017.06.13
スーパー耐久シリーズ2017 第3戦 レースレポート
6月10~11日 鈴鹿サーキット(三重)
スーパー耐久シリーズ2017のシリーズ第3戦、「SUZUKA“S耐”サバイバル」が、三重県の鈴鹿サーキットで開催。#99「Y’s distraction GTNET GT-R」(植松忠雄/星野一樹/藤波清斗)が今季初優勝し、#3「ENDLESS・ADVAN・GT-R」(YUKE TANIGUCHI/山内英輝/元嶋佑弥)が2位に続き、Nissan GT-R NISMO GT3が1-2フィニッシュを飾った。
今回は、各クラスの公式予選上位車と、公式予選を通過できなかった車両による敗者復活戦「セカンドチャンス100」を勝ち抜いた車両の、6クラス計50台が4時間の決勝レースに進出するというレースフォーマット。その予選ではハンディウェイトが10kgと軽い#99 GT-Rが2位、60㎏の#1「スリーボンド日産自動車大学校GT-R」(内田優大/藤井誠暢/平峰一貴)が4位、40㎏の#3 GT-Rが5位となり、全車が予選を通過した。フロントローからスタートした#99 GT-Rはスタートドライバーの藤波がホールショットを奪ってトップに立ち、上々の滑り出しとなった。他のGT-R勢も好スタートを切り、オープニングラップを終えた時点でトップが#99 GT-R、1台置いて#1 GT-Rと#3 GT-Rが3~4位につけ、藤井誠暢がスタートを担当した#1GT-Rはさらに10周目には2位に進出した。
レースが大きく動いたのは19周目。コース上の部品回収のためにセーフティカー(SC)がコースインし、#99 GT-Rと#3 GT-Rはこのタイミングでのピットインを選択するが、#1 GT-Rはコースにとどまり、ここで作戦が大きく分かれることになった。23周を終えてSCがピットロードに向かった時、#1 GT-Rはトップに立ち、一方、#99 GT-Rと#3 GT-Rは4位と6位につけていたが、トップ3とセカンドグループの間には多くの周回遅れの車両があり、レースが再開するとトップの# 1GT-Rは2位に11秒以上、4位の#99 GT-Rには40秒近い大差をつけていた。しかし38周を終えて#1 GT-Rが最初のルーティーンピットを行った後は4番手に後退。その後はピットインの度に両方のグループがポジションを入れ変える展開となった。
#1 GT-Rは57周目下位クラスの車両と接触し車両にダメージを負ってピットで修復作業を急ぐことになった。これでレースは#99 GT-Rと# 3GT-Rがトップを争う展開となった。78周を終えたところで同時にピットインした両車は、#99 GT-Rが星野から藤波に交替。一方の#3 GT-Rは元嶋が2スティント続けてドライブし、僅差で先にピットアウトした。そこからは元嶋と藤波の、若い2人のデッドヒートが繰り広げられた。テールトゥノーズの接近戦を続けながら元嶋の隙をうかがっていた藤波は、80周目のS字で元嶋がバックマーカーに一瞬躊躇した瞬間に勝負を掛けた。2台は左右からバックマーカーを挟んでパスしていくと、藤波が元嶋を逆転。その後しばらくは攻守ところを変えての接近戦が続いたが、最後まで藤波がキッチリとポジションを守り切ってトップチェッカー。嬉しい今季初優勝を飾った。
#3 GT-Rは悔しい2位に終わったが、開幕から3戦連続の2位でランキングトップに進出した。一方#1 GT-Rは、メカニックの懸命な作業が奏功し、レースも残り1時間余りとなるところで再スタートし、7位入賞で5ポイントを獲得してランキング2位に踏み留まった。
ST-3クラスでは第3戦にエントリーしたフェアレディZ全車が決勝レースへ進出し、#34「SKT team motoyama Z34」(本山哲/加納政樹/松原怜史)が5位でゴールした。
星野一樹(#99 Y’s distraction GTNET GT-R/決勝優勝)
チームが、もう何シーズンという単位で悔しい想いを続けてきたので、勝つことができて本当に嬉しいです。でもクルマもチーム力も随分進化してきて、今回は持ち込みの段階からとても速くて、金曜日の公式練習で乗った瞬間に、『今週末は勝てる』と確信していました。チームスタッフもドライバーも、それぞれがミスなく完璧な仕事をした結果が、この優勝だと思いますが、なかでも(藤波)清斗は素晴らしかった。スタートでトップを獲ったし、最後のピットインで逆転されたけど、それも再逆転してくれた。若いころからよく知っているドライバーですが、今日の清斗は最高でした。ウェイトで重くはなりますが、次のオートポリスでも連勝を狙います。
藤井誠暢(#1 スリーボンド日産自動車大学校GT-R/決勝7位)
(ハンディウェイトの)60kgは確かにきつかったけど、それでも何とか表彰台をと思っていました。まずはスタートでポジションアップを狙っていたのですが、それ以上のポジションアップができましたね。SCでステイアウトすることで、その後の作戦に幅が持てると思っていました。下位クラスの車両と接触してクルマにダメージを負ってしまいましたが、チームが頑張ってくれて何とか7位で5ポイントを獲ることができました。開幕2連勝の“貯金”を遣ってしまいましたが、『これからもう一度開幕するんだ』、そう気持ちを切り替えることにしました。次回のオートポリスでは優勝を狙って行きます。
【レース結果】- 第3戦 ST-Xクラス
Pos | No. | Machine | Driver | Lap | Time |
---|---|---|---|---|---|
1 | 99 | Y's distraction GTNET GT-R | 植松忠雄 星野一樹 藤波清斗 |
108 | 4:00'19"445 |
2 | 3 | ENDLESS・ADVAN・GT-R | YUKE TANIGUCHI 山内英輝 元嶋佑弥 |
108 | 4:00'30"439 |
3 | 8 | ARN Ferrari 488 GT3 | 永井宏明 佐々木孝太 |
108 | 4:00'34"308 |
7 | 1 | スリーボンド日産自動車大学校GT-R | 内田優大 藤井誠暢 平峰一貴 |
91 | 4:01'11"152 |
【レース結果】- 第3戦 ST-3クラス
Pos | No. | Machine | Driver | Lap | Time |
---|---|---|---|---|---|
1 | 62 | DENSO Le Beausset RC350 | 嵯峨宏紀 中山雄一 山下健太 |
98 | 4:02'30"114 |
2 | 68 | 埼玉トヨペットGreenBrave マークX | 服部尚貴 脇阪薫一 平沼貴之 |
98 | 4:00'21"938 |
3 | 38 | muta Racing TWS IS350 | 堀田 誠 阪口良平 |
98 | 4:00'22"967 |
5 | 34 | SKT team motoyama Z34 | 本山哲 加納政樹 松原怜史 |
97 | 4:01'42"813 |
6 | 23 | 岡部自動車195MBFネットワークスZ34 | 安宅光徳 甲野将哉 大原学 |
96 | 4:00'42"539 |
7 | 14 | 岡部自動車ZEROSUNマイカーズZ34 | 山崎学 輿水敏明 荒井康裕 |
96 | 4:01'17"130 |
- | 15 | 岡部自動車Rn-sチームテツヤZ34 | 長島正明 田中徹 田中哲也 |
39 | 1:59'47"850 |