「エクセディH.I.S.イングスZ」がランキングトップを守る
注目のGT-Rは無事24時間を完走

今回で15回目の開催を迎えた十勝24時間レースは、7月20〜21日に決勝レースが行われ、ST3クラスのポイントリーダー、#333「エクセディH.I.S.イングスZ」(前嶋秀司/佐々木雅弘/山本すばる)は連勝こそストップしたがクラス2位でランキングトップを守った。ST1クラスでは#1「ENDLESS ADVAN Z」(青木孝行/藤井誠暢/山田英二)が総合3位でゴール。またニスモが近々発売を予定しているGT-R用パーツならびにニスモとモチュールが共同開発を進めているオイルの耐久信頼性を過酷なレースの中で確認することを目的に参戦したNISSAN GT-R、#35「MOTUL NISMO GT-R」(影山正美/田中哲也/星野一樹)はいくつかのトラブルに見舞われたもののデビューレースとなる24時間を完走し、多くのデータを収集した。バイオフューエル車&エコタイヤの参戦で話題を集めた#24「ヨコハマ ecoMOTION Z sato」(近藤真彦/荒聖治/横溝直輝/一樂哲也)は、総合4位でフィニッシュした。

 曇りで気温22℃というコンディションで15時にスタートしたレースは、S耐車両23台と十勝24hスペシャルクラスの5台、計28台が出走した。スーパー耐久シリーズのST3クラスは、序盤#15「岡部自動車ディクセル Z」(長島正明/イゴール・スシュコ/小松一臣/古田聡)がトップを奪い、これを#333 Zが追う展開に。夕方に霧雨、また夜に弱い雨が降ったが、この雨による大きな影響はなかった。明け方、クラストップの#15 Zにハブトラブルが発生して、これで難なく#333 Zがトップに躍り出た。さらに中盤から#27 BMW M3の追い上げを受け、2台は朝を迎えても同一周回の差のまま。ところが#333 Zの前嶋が他車をオーバテイクする際に接触し、これで60秒ストップのペナルティを受け、#27 BMW M3がトップに立つことになった。 2台の差は終盤50秒まで狭まったが、結局#333 Zは追いつけずクラス2位。開幕からの連勝は「3」でストップしたが、11点差でポイントリーダーの座を守った。また3位に#15 Zがゴールして表彰台を獲得した。#19「高見沢整骨院☆真東☆TC神戸Z33」(高見沢一吉/池上慎二/輿水敏明/植田正幸)は5位、#113 Z「UNT Racing ☆ ings Z」(伊橋勲/堤明彦/大井貴之/DRAGON)は序盤の冷却系トラブルで大きくタイムをロスして7位だった。

 ST1クラスでは#1 Zが2台のBMW Z4を追う展開。#1 Zは大きなトラブルもなくタイヤとのマッチングも良く、BMWのピットインの間ではあるが、朝の8時過ぎには総合トップを走りZファンを喜ばせた。その直後にミッショントラブルもあり3位にポジションを落とすことになったが、粘りの走りを見せ総合3位で表彰台を獲得した。

 #35 GT-Rは、ロールバー、安全燃料タンク等のレース参戦に必要な安全装備を装着し、今後ニスモが発売を予定しているホイール、マフラー等を装着した車両で、エンジン、トランスミッション、ブレーキ等はロードカーのままという仕様でIP4クラスに参戦。5番グリッドからスタートしていきなり2位を奪うなどパフォーマンスを発揮した。ドライブシャフトやハブのトラブルなどもあったが結果的には総合21位でデビューレースで完走を果たし、GT-Rのパフォーマンスの高さを示すとともに、多くのデータを収集するなど収穫のあるレースとなった。

 バイオエタノール燃料と天然ゴムを多く使用したエコタイヤで参戦となったEC2クラスの#24 Zは、序盤に6位から4位にポジションアップ。 最後までマシントラブルもなくそのポジションを最後までキープして総合4位でチェッカーを受けた。

前嶋秀司(#333「エクセディH.I.S.イングスZ」 ST3クラス2位/総合7位)
「正直2位は悔しい。(接触は)ヘアピン先のツインズコーナーでインを開けてくれたと思ったら寄ってきて当たってしまいました。M3も序盤にペナルティを受けてるのでお互い同じ条件になったけど、(自分たちの)ペナルティがなくても今日は勝てなかったと思います。12時間近く運転してさすがに疲れました」

藤井誠暢(#1「ENDLESS ADVAN Z」 ST1クラス3位/総合3位)
「去年より天候が良くてクルマ的には負担がかかったはずなのに、足回りやブレーキなどのパフォーマンスが良く、燃費も良くてZ4との差を縮めることができました。ミッションの差(Z4はシーケンシャル)は大きいと思います。初めて十勝24時間でチェッカーを受けましたが、Zって丈夫なクルマだなと感じました」

影山正美(#35「MOTUL NISMO GT-R」 IP4クラス優勝/総合21位)
「完走できてホッとしています。セーブしたのはブレーキぐらいで、想像以上に速く走ることもできました。エンジンやミッションなど市販車の重要な部分には全くトラブルは出なかったし、GT-Rオーナーに安心感を与えられたと思います。このようなレースのメンバーに選ばれたことは本当に光栄です」

近藤真彦(#24「ヨコハマ ecoMOTION Z sato」 EC2クラス優勝/総合4位)
「“始めの一歩”。将来に向けての大きなレースだったと思います。自分たちでアイデアを出してノーミスで走りきることができましたし、ドライバーも速く走りたいという気持ちをセーブしてきちんと仕事をしてくれました。総合4位で表彰台まであと一歩でしたが、結果には満足しています」

ST1クラス 出走4台
#1「ENDLESS ADVAN Z」青木孝行/藤井誠暢クラス3位/総合3位
ST3クラス 出走7台
#333「エクセディH.I.S.イングスZ」前嶋秀司/佐々木雅弘/山本すばるクラス2位/総合7位
#15「岡部自動車ディクセル Z」長島正明/イゴール・スシュコ/小松一臣/古田聡クラス3位/総合9位
#19「高見沢整骨院☆真東☆TC神戸Z33」高見沢一吉/池上慎二/輿水敏明/植田正幸クラス5位/総合19位
#113「UNT Racing ☆ ings Z」伊橋勲/堤明彦/大井貴之/DRAGONクラス7位/総合24位
IP4クラス 出走1台
#35「MOTUL NISMO GT-R」影山正美/田中哲也/星野一樹クラス優勝/総合21位
EC2 クラス 出走1台
#24「ヨコハマ ecoMOTION Z sato」近藤真彦/荒聖治/横溝直輝/一楽智也クラス優勝/総合4位

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