
スーパー耐久シリーズは、スカイラインGT-R(R32)の登場と共に始まった。90年に行われたプロダクションカーによる耐久イベントをシリーズ化して、91年に「N1耐久ラウンドシリーズ(N耐)」がスタート。改造範囲が狭く市販車に最も近いN1車両による耐久レースイベントとして、育ってきた。
91年は排気量によって4つのクラスに区分され全6戦で争われたN耐は、イベントによっては80台以上ものエントリーを集め、GT-Rの参加も10台を超えたり、燃費に勝るシビックがGT-Rの間に割って上位入賞するなど、意外なバトルにファンの人気を集めた。

現在は排気量、駆動方式の違いなどにより5つのクラスに区分され、全国7つのサーキットを転戦している。なお、競技規定をフレキシブルにしたり変更をスムーズに反映させるため独自のスタンスを取っており、JAFの「全日本選手権」タイトルはついていない。

JAF登録された車両、もしくは特別に認められた車両をベースにしたレーシングカーが参加できる。またS耐基本的な車両規定はプロダクションカー(N1)に近いが、大型燃料タンク&クイックチャージャー、エアロパーツの装着はOK。タイヤはレーシングスリックが使用できる。クラス区分の基本的な規定と今年の参戦予想車両は以下のようになっている。
クラス区分 | 車両規定 | 参戦予想車両 |
---|---|---|
ST-1クラス | 排気量3501cc〜 | ポルシェ911 GT3、日産フェアレディZ(380RS-C)、BMW Z4クーペ |
ST-2クラス | 排気量2001〜3500cc / 4WD | 三菱ランサー、スバル・インプレッサ |
ST-3クラス | 排気量2001〜3500cc / 2WD | 日産フェアレディZ、ホンダNSX、マツダRX-7、BMW M3 |
ST-4クラス | 排気量〜2000cc | ホンダ・インテグラ、ホンダ・シビック |

耐久レースなので、ひとつのイベントのレース距離は最短で500km、最長は24時間。参加台数は毎戦30〜50台を集め、マシンバラエティも豊か。予選落ちがある場合もある。車両によっては燃費の差がピット作業の回数に影響することもあり、速い車両が有利とは限らない。燃費、ピット作業、ドライバーのスキルなどさまざまな要素が複雑に絡むレースシリーズだ。また雨天時には4WDが総合トップを走行したり、タイヤメーカーによってはウェットコンディションでのタイヤ性能差が出るなど、耐久レースならではの面白みもある。ドライバーは2人の場合が多いが、レースによっては3〜4人が交代することもある。

予選日・決勝日とも、お昼ごろに行われるピットウォークでは、各チームの車両を近くで見ることができ、ドライバーやレースクイーンとも接近できる。多くのチームが、ドライバーのサイン会、じゃんけん大会など趣向を凝らしており、応援用の旗やグッズをゲットすることもできる。