いよいよ今季のシリーズ戦も押し迫り、混戦のタイトル争いの中第7戦を迎えた。これからの2戦はハンディウエイトが半減(R7)とゼロ(R8)となり、レースカー本来の性能で戦うことになる。

GT500は1-2位の結果で、予想通り実力に優る12号車(Calsonic IMPUL GT-R)と1号車(MOTUL AUTECH GT-R)が2ポイント差となり、他を大きくリードしてもてぎ戦で決着をつける事になった。

さてオートポリスはどこのチームもタイヤで苦労する。一つはタイヤの摩耗に厳しいこと、次に天候や路面温度が予測しがたいため最適なタイヤを持ち込みにくいことである。路温が下がるといわゆるピックアップと称する路面に落ちているタイヤカスがタイヤに引っ付き、グリップ力が落ちる現象が起きる。

かつてピックアップ現象は無かったが、ミシェランタイヤがSUPER GTに参入してきてタイヤ構造及びコンパウンドの開発競争が勃発して、路面温度に適応する温度レンジが狭くなってきており、予想温度を少しでも外すとピックアップが起きるわけである。今回も今までの例に漏れずどのタイヤでも起きていた。

ピックアップが有り雨も降ったので、波乱のレースが起きる要素が一杯だったから最初から最後までハラハラ・ドキドキしたファンも多かったと思う。これがレースの醍醐味である。

GT-Rで1998年、1999年にチャンピオンを獲ったE.コマス氏が10年ぶりにサーキットを訪れ、最初から結果が見えているF1などと違って、SUPER GTこそ真のレースで世界一面白いと興奮していた。

1号車は実は第2戦富士で勝って以降、シャシーとタイヤとのマッチングに苦労していて、中途半端な結果が続いていたが、ドライバーを含めてチーム一丸となり大きく流れを変えて勝てたので、最終戦に向け勢いがついている。

12号車の今回の注目点は、バスも混走するサーキットサファリから走り始めた安田であったが、見事Q1を3位で通過してJPのポールポジションにつなげた。事前の星野監督の周到な準備も功を奏した。今年の12号車はチームのマネジメントに優れ、これがポイントリーダーを維持する力になっている。

46号車(S Road MOLA GT-R)は今回も粘りの走りが見られた。今シーズンは容易に諦めないから結果としてタイトル獲得のチャンスを残して最終戦に臨むことになった。

24号車(D'station ADVAN GT-R)はこのところ好調を維持しており、Q1でもトップを獲った。しかし最近他チームより2回多くタイヤテストをやったせいか、疲労に起因するトラブルが散発し結果を残せなかった。部品の入れ替えや整備の徹底で最終戦での活躍を期待する。

GT300もGT-Rの1-2位ゴールであったが、10号車は千代選手が乗ると結果が付いてくるので何か持っているのかもしれない。チャンピオンもクート選手に決定した。

さて最終戦の展開であるが、12号車が5位以下、1号車が4位以下の場合だけ他車にチャンピオンの可能性が生じるので、この2車のうち上位でゴールした方がチャンピオンになる可能性が高い。これはミシュランとブリヂストンの戦いでもある。しかし2点差の激しいトップ争いは、抜き難いもてぎだけに接触による両車の同時リタイヤも招きかねない。その場合46号車は38号車の上位でゴールすればチャンピオンという事になる。

タイ戦やオートポリスの様子を見ると38号車はドライバーによってはブレーキが厳しそうである。もてぎは最もブレーキに厳しいサーキットなので46号車に十分チャンスはある。

GT-R同士のチャンピオン争いという夢が現実化し嬉しい反面、2013年の菅生戦のスタートシーンが夜中の夢に現れるので、我輩も緊張感から逃れられていない。早く終わってほしい・・・・

今回は、タイトル争いを文字通りガチンコ勝負に持ち込んだ12号車と1号車のチームスタッフに☆三つ

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