#1「MOTUL AUTECH GT-R」、シーズン最長のレースで7位入賞

ポールポジションからスタートした#1「MOTUL AUTECH GT-R」(松田次生/ロニー・クインタレッリ)は、コンディションの変化する長丁場のレースを走り切り、7位入賞となった。

決勝日、サーキットは朝からどんよりとした曇り空に覆われた。時折雨も落ち、路面はウェットコンディションとなっていた。

パレードラップ、フォーメーションラップの後、173周にわたる長い戦いがスタート。スタートドライバーを務めたクインタレッリは、難しい路面コンディションとなった序盤にポジションダウンはあったものの上位をキープ。18周目には、GT300クラスの車両を巧みに利用して背後から迫る相手をブロックするなど、ウェイトハンディキャップを感じさせない走りを見せた。32周を終えて1回目のドライバー交代を行い、#1 GT-Rは8番手でコースに復帰。クインタレッリからバトンを受け取った松田は前の車両を追いかけていたが、35周目の2コーナーでスピン。砂利にタイヤがはまってしまい、再スタートはできたものの、12番手までポジションを下げることになった。その後、松田の担当した第2スティントは天候が回復し、路面もじわじわとドライコンディションへと変化。数台のマシンがスリックタイヤへと履き替えていく中でコースにとどまり、61周を終えてピットイン。タイヤを履き替え、第3スティントのクインタレッリへと交代しコースへと戻っていった。

クインタレッリの走った第3スティントは、2度もセーフティカーが導入される荒れた展開となったが、冷静な対応でミスなく走り切ると、2度目のリスタートではポジションアップに成功し99周目まで周回を重ね、松田へと交代した。

レースも終盤になり、徐々に気温や路面温度が下がってくるのに加え、100周以上を走行したサーキットの路面上にはタイヤかすやクラッシュ車両のパーツの破片などが散乱していたため、普段以上に慎重なドライビングが要求されたが、その中で第4スティントを担当した松田は安定したペースで7番手を走行。135周を終えて最後のドライバー交代のためにピットに戻ると、メカニックも最後のピット作業をミスなく済ませ、クインタレッリに交代した#1 GT-Rをコースへと送り出した。

最終スティントのクインタレッリは、自己ベストタイムを更新する勢いで好走を見せた。フィニッシュ直前には暗闇に近づく中で雨も降りだしペースを乱されるマシンもあったが、最後までプッシュの手を緩めることなく走り切り、7位でチェッカーを受けた。


#1 GT-Rドライバー 松田次生
「昨日とコンディションが違い、雨の中では苦しい戦いになりました。でも今日は、僕のミスが大きかったです。目の前でスピンしたGT300のマシンを避けきれずにスピンしてしまいました。ドライコンディションではいいペースで走ることができましたが、セーフティカーのタイミングが、僕たちには不利に働いてしまいました。残りは3戦ですが、最終戦でチャンピオン争いができるよう、次戦の菅生、その次のオートポリスと頑張ります」

#1 GT-Rドライバー ロニー・クインタレッリ
「今日はノーポイントでもおかしくない状況でしたが、僕たちドライバーもチームのみんなもあきらめることなく走り続け、7番手まで順位を上げて、ポイントを獲得できました。そういう点では最悪の結果ではないのですが、悔しいレースになりました。今日のレースでは僕たちのパッケージのウィークポイントが出たので、何とか解決して次回のレースに臨みたいと思います」

ニスモ鈴木豊監督
「(松田のスピンについては)タイヤ交換をしてピットアウトしてから間がなく、タイヤがまだ十分に温まっていなかったこともあり、スピンしてしまいました。ランキングトップとのポイント差が広がり悔しい結果になりましたが、なんとか立て直して次戦の菅生に臨みたいと思います」


#3「B-MAX NDDP GT-R」、14位完走を果たす

#3「B-MAX NDDP GT-R」(星野一樹/高星明誠/ウォルフガング・ライプ)は、予選位置からポジションアップした14位で5時間45分にわたる耐久レースを完走した。

約6時間のレースとなる鈴鹿1,000qの決勝日には、通常行われる朝のフリー走行が設けられないかわりに、スタート直前のウォームアップ走行が通常の8分間から20分間に延長して行われた。予選日はほとんどドライコンディションだったため、各車はこのウォームアップ走行で初めてウェットコンディションでのマシンの状態を確認することになった。

定刻通りの12時30分に決勝レースがスタート。第1スティントを担当した星野は、序盤の混戦の中でいくらかの順位変動はあったものの、順位をキープした15番手で30周を走り終え高星に交代した。各車のピットインのタイミングの関係で、26番手でコースに復帰した高星は36周目には16番手までポジションアップ。15番手のマシンとは差が開いていたが、秒単位でその差を詰めていくと、42周目に逆転。さらにその勢いのまま46周目には14番手に順位を上げた。スタートから1時間30分ほどが経過したこの辺りになると路面コンディションも徐々に回復してきていたことから、#3 GT-Rは自己ベストタイムを更新しながら周回を重ねていった。

61周を終えて、第3スティントを担当するライプに交代。コース上でクラッシュする車両が出たためセーフティカーに先導されるスティントとなった。集団の中での走行もあり、思うように自分のペースを作れないタイミングもあったが、2度目の鈴鹿1,000km挑戦となったライプは32周を走り切ると、第4スティントの星野へと交代した。

18番手でコースに復帰した星野は、ペースを乱すことなく周回を重ね、15番手までポジションアップして最終スティントの高星へドライバー交代。レース終盤は雨の中の走行となったが、高星もミスのない走りで担当スティントを走り切り、予選順位から2つポジションを押し上げ、14位完走を果たした。

#3 GT-Rドライバー 星野一樹
「かなり残念だし、屈辱的な結果です。現時点で、何が悪かったのかもまだはっきりとしていませんが、それを解明して次の菅生に備えないと、この悪い流れが断ち切れないと感じています。今回は、予選も決勝も、ドライコンディションでもウェットコンディションでも差をつけられました。『次戦、頑張ります』としか言えないのも悔しいですが、仕切りなおして戦えるよう、なんとか原因を見つけなければと思います」

#3 GT-Rドライバー 高星明誠
「1ポイントでも獲得できるようにとプッシュして走りましたが、なかなか前のマシンに追いついて行けず、苦しいレースになりました。同じようにウェイトハンディを積んだ10号車が優勝したのでとても悔しいです。次戦の菅生はテストではいい感触をつかんでいたので、今回ペースが悪かった原因をしっかりと突き詰めて、チームみんなで立て直して臨みたいと思います」

#3 GT-Rドライバー ウォルフガング・ライプ
「セーフティカーが入ったため、すこしフラストレーションを感じるスティントになりました。そのためにリスタート後、少し気持ちが高ぶっていてコーナリングでミスをしてしまいました。順位を下げるほどの大きなタイムロスにならずにホッとしましたが、今回のレースでの大きな反省点になりました。ドライビングやマシンセッティング、自分自身の気持ちをコントロールすることなど、様々なことを経験できた週末でした。この週末をしっかりと見かえして、今後のレースに活かしていきたいと思います」

NDDP RACING 長谷見昌弘監督
「ドライバーは良く頑張って走ってくれましたが、同じようにウェイトハンディを積んでいる10号車とはペースも違い、非常に残念な結果になりました。様々な面から見直しをして、SUGOではこの流れを断ち切れるようにしたいと思います」