#1 「MOTUL AUTECH GT-R」、トラブル発生も好走を見せる

予選日はなんとか持ちこたえた雨。決勝レースもなんとか曇り空でスタートしたものの、レース中盤からは雨に足をとられるマシンが続出し、展開が目まぐるしく変わる開幕戦となった。

予選4番手の#1「MOTUL AUTECH GT-R」(松田次生/ロニー・クインタレッリ)は、クインタレッリがスタートドライバーを務めた。警察車両が先導してのパレードランに続き、フォーメーションラップを終えて14時37分に決勝レースがスタート。「濡れた路面でのペースは良い」という前日のコメント通り、ライバル勢を上回る好ペースで、4周目に3番手へ、翌周にはヘアピンでオーバーテイクを見せて2番手に浮上した。GT300の周回遅れが出てくると、トップとの差は大きく開くこともあったが、13周目に一気に1秒を切るところまで近づくと、17周目には1コーナーでトップに並びかけ、バックストレートまで続く激しいバトルを展開し、首位に躍り出た。クインタレッリはそのままのハイペースで2番手以下を引き離しに入ったが、突然ブレーキトラブルに見舞われピットイン。トップの座を譲ることとなった。トラブルの修復に時間を要したが、走行再開後はクインタレッリから交代した松田も好走を見せ、トップグループに引けの取らないタイムでチェッカーまで走り切り、開幕戦で完走を果たした。


ニスモ鈴木豊監督
「ブレーキのトラブルが出てしまいました。カーボンブレーキは温度管理が非常にシビアで、リアブレーキの温度管理をしていたのですが冷却が不足してオーバーヒートしてしまいました。今日は難しい天候でしたが、このトラブルを除けば路面状況に対して選んだタイヤはうまく機能していたと言えます。ロニーが頑張ってくれましたし、後半の次生も良いリズムで走ってくれました。表彰台の可能性もあっただけに残念です。今回課題だったところをきちんと分析し、次の富士ではファンの皆様に良い走りをお見せできると思います」

#1 GT-Rドライバー 松田次生
「このトラブルは予知できなかったですね。僕のスティントではクルマは全く問題なく、トップと同じくらいのタイムで走ることができました。ロニーが序盤にトップに出てくれていたので、もしあのままクルマを受け継いでいたら(そのポジションを)守り切れたと思います。クルマは仕上がってきているので、それは自信になっています。ここからチーム一丸となって、ライバルたちに負けないように頑張ります」

#1 GT-Rドライバー ロニー・クインタレッリ
「今までに起きたことのないトラブルでした。突然ブレーキが利かなくなり、ピットインすることにしました。そのインラップに無線で知らされ、左リアにスモークが見えるのに気づきました。結果にはもちろんがっかりしていますが、それ以上にタイヤの調子が良く、クルマもとても良い走りができていたので、チームはこの週末、いい仕事をしてくれたと思います。応援してくれた皆さん、申し訳ありませんでした。次戦がんばります」


#3「B-MAX NDDP GT-R」、ミスのない走りでポイント獲得

予選6番手からスタートした#3「B-MAX NDDP GT-R」(星野一樹/高星明誠)は8位でゴールし、開幕戦から貴重なポイントを獲得した。

高星のスティントでは、雨脚が強くなったり止んでしまったりと、コンディションが目まぐるしく変わり、ライバル勢の中にはアクシデントに見舞われるマシンも出ていたが、高星は冷静なドライビングで大きなミスもなく走行。38周を、ポジションを下げることなく走り切り、デビューレースでポイントを獲得することとなった。


NDDP RACING長谷見昌弘監督
「クルマのパフォーマンスを発揮しづらいコンディションの中、ドライバー2人は本当によく頑張って走ってくれました。高星は初めての決勝レースでぶつからずにゴールまで持ってきましたし、周りがドタバタする中、星野も落ち着いて走ってくれたと思います。次戦、同じようなコンディションになっても同じ結果にならないよう、様々なポイントを見直していきたいと思います」

#3 GT-Rドライバー 星野一樹
「朝のフリー走行ではウェットタイヤのレンジの確認やセットアップの確認をしましたが、時間が十分とは言えなかったと思います。スタートでは、他チームの選択がいろいろと分かれたなか、インターミディエイトでスタートしましたが、序盤はコンディションに合わずにポジションを落としてしまいました。ずっと前後のマシンと3台で抜いたり抜かれたりを繰り返していて、逆転できるとしたら後半スティントだと思ったので無理をせずについていきました。ただ、高星に交代してからも雨が降ったりやんだりでそんなにマッチしていない感じがあったので、なんとか完走してポイントを持って帰れれば…と思いながら見ていました。今日はウェットコンディションで、全体のパッケージとして速さを見せられなかったので、次戦同じ状況にならないよう見直していきたいと思います」

#3 GT-Rドライバー 高星明誠
「チームの判断した交代のタイミングは本当に良くて、ベストのところで入れてくれたなと思いました。走りはじめからプッシュしようと思っていたのですが、路面とのマッチングが良くなくて、ペースが上げられませんでした。途中で雨が止むとだんだん路面が乾いて来たり、終盤にはまた雨で濡れてきたりと大変なレースでした。レインでのペースがあまり良くないので課題が残りましたが、初めてのGTレースでぶつかることなく、ポジションを下げることなく終われたことは本当にポジティブなことだと思います。次のレースでもそこは継続して、今度はポジションを上げて帰ってこられるように頑張ります」