#23 MOTUL AUTECH GT-Rは不運が重なり10位完走

タイのチャーン インターナショナル サーキットで10月5日にSUPER GT第7戦決勝レースが行われ、予選3位からスタートした#23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)は、いくつかの不運が重なり10位完走となった。

66周の決勝レースは午後3時にスタートした。この日は前日よりも雲が多くまた風もそよいでいたため、スタート時の気温は低めの31度であった。15台のGT500マシンはクリーンなスタートを決め、ロニー・クインタレッリがスタートを担当した#23 GT-Rは、#46 GT-R、#24 GT-Rに続いて3位で序盤を周回した。#23 GT-RはGT-R勢では唯一燃料リストリクターを装着しているため2台から徐々に引き離され、11周目に4位となったが、そのままのポジションで約20周を走り、32周目に3位でピットインした。このピット作業でエアホースがなかなか抜けずにタイムロス。後半を受け持った松田は、7位からの挽回を開始した。ところが、39周目にGT300車両と接触し、相手がスピンしてしまったことでドライブスルーペナルティを受け、さらにロスを重ねることとなった。終盤は8位を走行し、65周目に順位をひとつ上げたものの、最終周の第1コーナーで他車と絡んでスピン。10位でフィニッシュラインをクロスした。これによって選手権ランキングは首位と6点差の3位となり、チャンピオンを獲るためには最終戦もてぎでの優勝が必須条件となる。


ニスモ鈴木豊監督
「私の判断ミスもあり、余裕がなくロスを重ねてしまいました。次生の接触も、焦りがあったのかもしれませんし、ピット側でもう少し抑えるようにコントロールすべきでした。今日は悪いところが出てしまいましたが、クルマが速いことははっきりしているので、きちんと修正して最終戦に臨みます。日本から声援を送っていただいた皆さん、やきもきさせてしまい申し訳ありませんでした。もてぎでは確実に優勝し、チャンピオンを獲りたいと思います」

#23 GT-Rドライバー 松田次生
「本当に辛いレースでした。他のクルマが予想よりもかなり速く、燃料リストリクターの影響は厳しかったです。ストレートで稼げない分、コーナーでタイムを詰めるしかなく、そこでミスを招いてしまいました。コーナーでトラフィックに引っかかるとなす術がありません。最終戦もてぎでは、勝つしかないです」

#23 GT-Rドライバー ロニー・クインタレッリ
「僕のスティントは決して悪くなく、良い位置で次生に(クルマを)渡せたなと思ったら、次々といろんなことが起きてしまいました。しかし、まだチャンピオンクのチャンスがなくなった訳ではありません。もてぎではハンディキャップもないし、言い訳もできません。良い準備をしてなんとしても優勝します」


#3 B-MAX NDDP GT-R、今季初優勝

NDDP RACINGのNISSAN GT-R NISMO GT3が、SUPER GTレース初開催のチャーン インターナショナル サーキット(タイ)にて最初のGT300ウィナーとなった。

2位フロントローから決勝レースをスタートした#3 B-MAX NDDP GT-R(星野一樹/ルーカス・オルドネス)は、前半を星野一樹が担当。首位を走る#99ポルシェにぴたりとつけ、後続を寄せつけることもなく2位のポジションを守り続けた。31周目にドライバー交代したルーカス・オルドネスも、良いリズムを維持したまま安定した周回を重ね、首位の後ろを追い続けた。その結果、#99ポルシェが46周目にイレギュラーピットに入った隙にトップに立ち、残りの周回を危なげなく快走。今季初優勝を果たした。ニスモ・グローバル・ドライバー・エクスチェンジ・プログラムで今季SUPER GTにチャレンジしているオルドネスにとっても、同シリーズ初優勝となった。



NDDP RACING長谷見昌弘監督
「レース前には心配な点がふたつありました。タイヤが最後までもつか、そしてブレーキがもつかという点でした。でもドライバーがふたりとも良くコントロールしてセーブしてくれましたね。今回は初めてのサーキットということで、優秀なドライバーとスタッフのそろった僕たちには大きなチャンスでした。それに速かった99号車に関しては、ドライバーにも気にするなと言ってあり、自分たちのレースをすることに集中してもらいました。NISSAN GT-R NISMO GT3が優勝を遂げたということで、チームにとっては来年に向けていい結果を残せたということができるでしょう」

#3 GT-Rドライバー 星野一樹
「本当に勝ててうれしいです。GT-R GT3の開発ドライバーをやってきていて去年からSUPER GTでもGT-Rをドライブしてきましたが、なかなか勝つことができず、このまま勝てないのではないかと思っていましたので、最後の3周ぐらいから涙が出てしまいました。GT500との混戦になってもラインを外さないように気をつけて集中してギャップを作ることができました。ルーカスの走りは安心して見ていることができました。走っていて毎周楽しいサーキットでしたし、勝てたので大好きなコースとなりました」

#3 GT-Rドライバー ルーカス・オルドネス
「僕自身SUPER GTで初の優勝と言うことで本当に嬉しいです。オープニングラップでは、これからどのような展開になるのか、全くわからないスタートでした。タイヤがどれだけもつのかも心配でした。でもヨコハマさんはすばらしい仕事をしてくれました。また、チームメイトのカズキがポジションを維持してくれたので、7号車のBMWは非常に速かったけど、それでも僕は頑張ってギャップを維持することができました。このレースを見に来てくれたタイのファン、そして日本から応援してくれたファンにに心から感謝したいです。このすばらしいサーキットにまた戻って来たいと思います」
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