悪天候の中、#23 MOTUL AUTECH GT-Rは2位表彰台へ

8月10日(日)にSUPER GT第5戦FUJI GT 300km決勝レースが行われ、接近する台風の影響でセーフティカー(SC)の導入やレース中断などがあったが、予選2位からスタートした#23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)は2位を獲得し、表彰台に上がった。

午後3時に決勝レースがスタートした時には曇り空ながら路面はウェット。セーフティカーが先導してのSCラップのままレースはスタートし、2周が終了したところでグリーンフラッグが振られ、レーシングスピードでのコンペティションがスタート。#23 GT-Rのスタートを担当したクインタレッリは、序盤から首位奪取を狙ってアグレッシブな走りを見せ、グランドスタンドの日産応援席を湧かせた。その後#17 NSX-CONCEPT GTから首位を奪ったが、バックマーカーの処理時に背後に迫っていた#18 NSX-CONCEPT GTに逆転されることに。その直後に激しい降雨に見舞われてSCが導入されると、7周にわたってSCランとなり、さらに赤旗によってレースが中断。これらによって、逆転のチャンスは奪われてしまう。レース再開後は2位のまま周回を重ね、33周目にピットインして松田に交代。そののち徐々に路面は乾き始めて行く。ピットではスリックタイヤの準備も行われ、松田も46周目にベストラップを更新したが、終盤には再度激しい降雨があり、SCが導入されることとなった。残り周回は7周だったが、状況が好転することはなく、SCランのまま66周目を迎え、#23 GT-Rは2位でフィニッシュラインを通過した。

2位となった#23 GT-Rはドライバー選手権ポイント15を加算し、ランキングは3位に上がった。


ニスモ鈴木豊監督
「優勝できなかったのは残念ですが、このような状況の中でも2位に入れたのはチャンピオンシップに向けて大きな収穫になりました。今回クルマは非常に良く仕上がっており、予選から速さも見せられました。路面の悪い中、ミスもトラブルもなく走りきれたので、確実に次に繋がると思います。雨の中、多くのファンの方に声援を送っていただき、チームは大変勇気づけられました。ありがとうございました」

#23 GT-Rドライバー 松田次生
「チームの努力によってクルマは良い状態でした。苦しいはずの第2・第3セクターでタイムが出ていたので、それが武器になりました。この悪いコンディションの中で応援してくれたファンの方々には感謝しています。今回はMOTUL さんのスポンサー100戦目ということもあって優勝をプレゼントできればよかったのですが、チャンピオンを獲って、プレゼントしたいと思います。チャンピオンシップでは、スタートラインについたと思っています。後半戦もこのままチャンピオン獲得を目指して攻めて行きます」

#23 GT-Rドライバー ロニー・クインタレッリ
「決勝では赤旗が出たりして、難しい状況になりました。そんな中で2位を獲得することができて良かったと思います。僕が乗ったスティントの後半は少し厳しかったのですが、タイムロスを最小限に抑えて後半につなげることに集中しました。 次生のスティントでは、路面に合うタイヤを選んだのでペースはかなり良かったと思います。次の鈴鹿でも多くのポイントを獲得して、チャンピオン争いに加わっていきたいと思います」




時折強く降る雨によって、GT300クラスにも波乱が起こった。予選5番手から決勝レースをスタートした#3 B-MAX NDDP GT-R(星野一樹/ルーカス・オルドネス)はレース開始直後に2番手までポジションアップ。激しい雨のために導入されたSCラップのあとレースが中断され、再開後にチームは星野にロングスティントを任す決断を下した。しかし、レース中盤に路面は乾いていき、レインタイヤでグリップを維持するのが困難となり、順位を徐々に下げた。後半の周回を託されたオルドネスは、ポジション回復ができず、さらにレースはSCラップのままでフィニッシュを迎えることになり、#3 GT-Rはクラス10位完走となった。



NDDP RACING長谷見昌弘監督
「今回の決勝日は一日中雨のレースになりました。一樹はタイヤを労って長い距離を走ってくれましたが、結果的には難しい戦いになってしまいました。一発のタイムは出るようになりましたが、レースディスタンスになると厳しい状況になります。ルーカスの走行ではインターミディエイトタイヤを選んだものの、タイム的に追いつくことが難しい状況でした。次の鈴鹿は長い距離のレースなので、決勝の戦い方を重視してレースウィークを組み立てていきたいと思います」

#3 GT-Rドライバー 星野一樹
「赤旗が出るまではすごく調子が良くて、雨が降っていればいけると思っていたので、再スタート後は雨が続くと想定し、ステイアウトという作戦を取りました。しかし、雨は降りませんでした。あくまでも結果論ですが、ライバル勢と合わせた方が良かったのかもしれません。次の鈴鹿1000kmはテストでも良いデータがとれており、去年も良いレースができたので自信があり、楽しみにしています」

#3 GT-Rドライバー ルーカス・オルドネス
「今日は残念な一日となりました。レース序盤はうまくいっていました。一樹が良いスタートを切って、5番手から2位までポジションを上げました。しかし、ロングスティントの終盤はペースがあげられず、僕に渡されたときには後退してしまいました。ピットインするタイミングも悪かったようです。優勝する希望があったのに、それは果たせませんでした。すごく悔しいですが、気持ちを切り替えて鈴鹿では頑張りたいと思います」
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