第3戦オートポリスでのGT-R表彰台独占を受けて、ファンの方々の期待も大きい中、日産系チームも勇んでSUGO戦に臨んだ。

レース車は第2戦富士、第3戦オートポリス、第4戦SUGO、第5戦富士の4戦は、安全性も考慮して規則でロードラッグ仕様を採用することになっている。従って富士やオートポリスで速さを発揮したGT-Rのロードラッグ仕様は他メーカー車に対し優れていると言える。しかしSUGOはハイダウンフォースを求められる典型的なコースであるので、ロードラッグに優れる仕様がSUGOでも速さを発揮できるのか一抹の不安はあった。

今年日本列島を襲った異常気象の余波で、予選は決勝日早朝に延期され同日に予選、決勝が行われることになった。

タイヤ温度は80℃くらいでグリップ力を発揮するが、そこまで温まるウォームアップ性能の良し悪しもタイヤの性能の一部である。一方で少し温まるとグリップ力が高まり、それがまた温めるという循環になるので、マシンのダウンフォースは単純な速さだけではなく、この温めるきっかけにも影響する。

予選ではウェット路面でGT-R全車共に苦労することになり、MOTUL AUTECH GT-R(23号車)が何とか3位につけたが他車は下位に沈んだ。ウェット路面ではさらにダウンフォースが必要とされるので、ロードラッグ仕様のダウンフォース不足が影響した可能性がある。

決勝の路面状態はもっと悲惨で、スタート直前に小雨が降り出し、ダンプ状態のチョイ濡れをドライタイヤで走ることになった。23号車は暑いSUGOを想定してやや固めのタイヤを準備していたため、ウォームアップに苦労しライバル車と序盤は5秒くらいのタイム差があった。これをタイヤ交換を伴うドライバー交代後も繰り返すことになった。最終的にはギアボックスのトラブルでリタイヤしたが、全車共通の標準部品で初めてのトラブルであった。

23号車よりも柔らかめのタイヤでスタートしたS Road MOLA GT-R(46号車)は予選12位から3位まで這い上がったが、ピットワークでの30秒のロス、本山選手の黄旗時の追い越しのペナルティなどで遅れ、7位で終えた。

ランキングトップの12号車も予選13位から4位まで追い上げたが、勲章としてのハンディの影響やダウンフォース不足から9位が精一杯であった。ライバル勢が多く採用するタイヤと同じブランドを使用しているので、この事からGT-Rの優れたロードラッグ仕様に秘められたSUGOの特性には合わないダウンフォース量不足が推測できる。

D'station ADVAN GT-R(24号車)も得意とするヘビーウェットにならず悪戦苦闘したが、粘って1ポイントを獲得したので、これからに期待したい。

B-MAX NDDP GT-R(3号車)は、ルーカスが初めてのウェット路面にも拘らず速さを見せた。ランキング6位でそれ程トップと離れていないので、後半戦次第でチャンピオンの可能性を残している。

次戦富士は、GT-Rの優れたロードラッグ仕様の性能を再び発揮できるので、規則の範囲内でさらに各部の性能向上を図り、圧勝劇につなげたい。

今回は、完敗したので☆なし。

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