

新規則になって、シーズンオフのテストから好調を伝えられ、第1戦岡山戦でも速さを示しながらも3位表彰台が精々であったGT-Rが第2戦富士500キロでやっと勝てた。「やっと」というのは、我々としてはいつでも勝てるという自信があったことと、勝てたとはいえ4台中2台がメカニカルトラブルに見舞われたので、心情的に「やっと」というのが正直な気持ちである。
かつてはGT-Rが得意としてきた富士スピードウエイで、ここ数年レクサスSC430の後塵を拝してきた。特に直線スピードで負けており抜かれることはあっても抜くことは皆無な状態が続いてきた。予選はまだしも決勝ではGT300でさえコーナーで抜くのは難しい。従ってSC430の直線スピードは決勝では大きな武器となっていたわけである。それより何よりグランドスタンドの多くのファンの前で抜かれるのは恥ずかしい事でもあった。
それが新規則になった今年は、時速300キロ超えの直線スピードでも予選トップ3独占となったラップタイムでもレクサスRC Fを圧倒出来るようになった。それは新規則が純粋にエンジンや空力の開発力で勝負を競うことになったからと思われる。
第1戦の3位表彰台に続き優勝を飾ったカルソニックIMPUL GT-R(12号車)は、セイフティカーが2度も入る難しい局面で的確なレースマネジメントで圧勝した。オリベイラ選手と安田選手のコンビによる勝利は、2010年の24号車による鈴鹿(開幕戦)以来である。同じマシンで速い遅いが明確に分かるので、レーシングドライバーの最大のライバルはチームメイトなのだが、この二人はとても仲が良い。それが功を奏しているのならチャンピオン候補の最右翼である。
D'station ADVAN GT-R (24号車)は今述べた2010年以来優勝がなく苦労してきたが、速さも見せながらしぶとく4位に入った。今回の結果からタイヤ開発の方向性の正しさが証明されたのでこれから優勝も視野に活躍が期待できる。
MOTUL AUTECH GT-R(23号車)は絶妙のピットインタイミングでトップに立ち、2位12号車との間隔を維持しながらゴールを目指したが、ステアリング系のトラブルで遅れ8位であった。第1戦に続き速さを結果に結び付けられなかった。技術的な対策も行うが品川神社詣も再度必要と思っている。
S Road MOLA GT-R (46号車)は燃料系の一部が壊れて出火に至った。幸い被害はそれ程でもなく、今後のテスト計画やレース参戦への影響は小さくてすんだ。マシンのカラーリングもホイールのデザインも、レーシングスーツも超格好良いし、速さもあるのに何故不運が続くのだろう? 朝、歯を磨いているのかなどドライバー二人の日頃の行状や振る舞い方をチェックする必要がある。
結果がすべてなのでとやかく言うまい。ただステアリング系や燃料系のトラブルが我がGT-Rのみに発生している事実は謙虚に受けとめ、覚悟を伴った対策が必要である。そして次戦こそ速さが結果に正しく反映できるように頑張る積りである。
今回は12号車のドライバー、スタッフに文句なしの☆三つ
