2013年Rd.8もてぎ戦及びシリーズを通じて
2年連続がないと3年連続は無いわけだから、同一ドライバーコンビによる3年連続チャンピオン獲得の絶好のチャンスは、最終戦で23号車(MOTUL AUTECH GT-R)が8位に終わったことで露と消えた。

3年スパンで考えるとGT-Rは2回チャンピオンを獲っている一方で、いつも期待されているNISMOの23号車はこの5年間チャンピオンを獲れていない。しかしそれは結果であって問題は中身である。SUPER GTのコンセプトは「同じクルマが勝ち続けないこと」で、その為にウエイトハンディ制度がある。だからファンの方々から期待されているのは常に勝てとかチャンピオンを獲れということではない。折々に勝ちながら、はらはらもするし僅差の勝負もある「よく戦った」と実感を持てるレースを期待されているわけである。

第6戦を終わった時点で、シリーズランキングトップ3に12号車(カルソニックIMPUL GT-R)、23号車の2台のGT-Rがいて、苦しい中何とか凌いできていたが最後の2戦で力尽きた。特にもてぎ戦では23号車は予選3位からズルズルと遅れて8位、1号車(REITO MOLA GT-R)と12号車は接触でリタイヤして、今シーズンを象徴するようなレースとなった。

今年は予選は上位にいるが、決勝で遅いラップタイムやドライバー、ピットでのミスでズルズルと順位を落としてしまうレースが多く、結果としてGT-Rは第3戦セパンで12号車が1勝を上げただけで、見栄えのするよいレースを戦った実感が薄かったのでファンの皆様の期待に全く応えられなかった。これはクルマやエンジン、スタッフ、全体のマネジメントに問題があったことになり、総監督として責任を感じ、悔しく申し訳ない気持ちで一杯である。

当事者としては連続チャンピオンにあぐらをかいて、努力を欠いたわけでは決してない。しかし負けてしまった今、心中にあるこの悔しい気持ちと同じようなレースへの強い思いをシーズン中に持ち続けていたかと言えばノーである。結果を出した次のシーズンは、頑張ってその結果を出したスタッフやドライバーに「よくやった」とは言えるけど、鬼となって厳しい要求を突きつけられなかった。そこは大いに反省したい。シリーズ戦は終わったが、GT-Rには一発の速さはあるのでスプリントレースのJAF GPではこの悔しさをぶつけて雪辱を図る。

来年仕様車は技術規則が変わるので、その規則に沿って開発を進めている。幸いなことに立てた目標どおり順調であるが、今年の反省を踏まえ、目標を更に高く設定し直す事も視野に入れて他社を圧倒するクルマに仕上げたい。GT-Rファンの方々、スポンサー、日産の期待に応えらるようにキッチリと準備を進める決意である。

シーズンを通じての総監督に×3つ。

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