またまたすっきりしないレースであった。これは我々スタッフにとってもそうだが応援していただいているファンの方々も、レースを楽しみそれを力に代えて元気な日常生活に戻ろうと思っていたのに、なにも変化の無い一日が過ぎたような気持ちではないだろうか。

GT-Rの弱点があらわになったレースであった。それはハンディウェイトの影響が他車に比べて大きいということ。同じタイヤを履く軽い1号車(REITO MOLA GT-R)と重い23号車(MOTUL AUTECH GT-R)の速さを比較すれば良く分かる。だからウエイトの影響が半減するウエットコンディションに期待した。しかし中途半端な雨でほぼドライで終始し、期待にそわない結果となった。

そういう中、特にハンディウェイトの影響が大きくセパン戦に勝ってから精彩を欠くようになった12号車(カルソニックIMPUL GT-R)は、予選では下から2番目だったが、決勝で6位まで這い上がり、ランキングではポイントトップタイになった。鈴鹿戦でもそうだったが、チームスタッフのピットワーク、松田、JPの日本刀の刃の上を渡るような繊細でかつ攻めるドライビングが功を奏したのだと思われる。

1号車のこの富士300kmレースの役割ははっきりしていた。それはハンディウェイトが軽いので絶対勝つこと。それによって今までの「速いのに何故勝てない」の風評を一掃できるし、チャンピオンシップ争いの最大のライバルである38号車の優勝は阻止され大量ポイントを稼ぐことが出来ない。Q2で選択したタイヤのせいもあり予選は7位だったが、決勝ではセイフティカー明けの素早いピットワークと好判断で、関口選手の駆る1号車は実質トップに立った。速さも十分あったので思惑通り勝てると思った瞬間、再スタート時の違反でペナルティを課せられ天国から地獄へ。原因は本来スタートラインを超えてから追い抜きが可能なのに富士はゴールラインとスタートラインが異なるのでそこを混同したようである。このミスはチームスタッフの渾身の努力を無意味にし、多くの人を失望させ、チャンピオンシップ争いでライバルの台頭を許し、ダメージはかなり大きい。

24号車(D'station ADVAN GT-R)は、ピットインのタイミングを逃したのでそのままコース上に留まり、雨が降ればウエットタイヤへの交換で一気に優勝を狙う作戦に切り替えたが、少量の雨で夢は叶わなかった。しかし妥当な作戦だったと思う。

23号車は良いに付け悪いに付けウエイトなりのぱっとしないレースであった。

  ポイント差9点の実質8台が残り2戦でタイトル争いを繰り広げることになる。その中の上位3位に2台のGT-Rがいて、次戦はウエイト半減、最終戦はゼロとGT-Rの弱みが無くなっていくので、開発の手も緩めず最後の最後まで全力で戦っていく。

今回は12号車のスタッフ、ドライバーに☆3つ、関口選手に愛のムチで×3つ。
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