いつもの3倍以上の距離を半端じゃない暑さの中で走る特別な鈴鹿1000kmレースで、23号車(MOTUL AUTECH GT-R)は2位表彰台に入りポイントランキング1位になったが、途中で2度もトップに立ちながら優勝を逃した。前戦菅生300kmレースでもトップ4台が自滅したことで3位を得ており、ファンの方々の応援や見えない大きな力が23号車を応援してくれているのに勝ち切れない悔しさが残るレースであった。

今回事故でセイフティカー(SC)が導入されそれが大きな混乱を呼んだ。ルールではSCボードが掲示された瞬間からピットロードへの進入が禁止される。ちょうどその前後のラップがどのクルマも燃料補給のタイミングに当たったので1号車(REITO MOLA GT-R)はピットインするつもりでボードが掲示された時ピットロード入り口まで10秒の所にいた。従ってSCボード掲示の無線が間に合わずピットインしてしまった。あと10秒余裕があれば速さも有っただけに優勝した可能性が高い。GT300で2位を走っていた3号車も似たようなケースである。他社の例であるが38号車はガス欠するのでやむなくペナルティを選択してピットに入れたとのことであった。一見理不尽に見えるがどのチームにも一様に適用されるルールなので止むを得まい。

12号車(カルソニック IMPUL GT-R)は実は先週の富士テストから速さに問題を抱えており鈴鹿の予選まで苦労していたが、決勝では表彰台こそ届かなかったが4位に入り復活を果たしランキング2位を維持した。最後のスティントのオリベイラ選手は僅かなパワーも失いたくないとエアコンを切り、体力を消耗しながら刃の上を渡るような運転を続けての結果であった。

3号車はニスモグローバルドライバーエクスチェンジの一環で、第3ドライバーとして初代GTアカデミーウィナーのオルドネス選手が運転した。予選日には4周しかしていなかったが、担当した3スティント目では燃費やタイヤのマネジメントを上手にやりながら、他のレギュラードライバーと劣らないタイムで走り役割をキチンと果たした。鈴鹿にレースウイークを通して熱心なファンが多く駆けつけているのでまるでルマン24時間レースの様だと驚いていた。また外人には珍しくうなぎが大好物で、「きみのや」の星野スペシャルに美味しそうにパクついていた。

今年のGT-Rは5戦中4戦でポールを取り、ポイントランキングは1,2位を占めているが、優勝はセパンでの12号車のみである。これらから言えるのは決勝中の速さやマネジメントに課題がありそうである。ランキングトップ6の差は8点の僅差であり、どこにもチャンピオンの可能性がある。課題をキチンと対策し、残り3戦全部をGT-Rで勝つつもりで臨みたい。

それなりに理由はあるがセパン、SUGOと2戦続けてのQ1敗退に終わった柳田選手が23号車の持つ独特のプレッシャーに打ち勝ち見事にQ2への進出を果たした。昨年も鈴鹿戦から切れた走りを発揮したので、これからに期待して柳田選手に☆三つ
PAGETOP