GT500のGT-Rは、速さ、強さ共にライバル達に完敗であった。
いろいろトラブルやミスもあったがそれが無くて順調に行ったとしても表彰台が精々であったと思われる。
23号車(MOTUL AUTECH GT-R)は駆動系の一部が今までのテスト結果を経て耐久性の限度に設定している走行距離の1/3で壊れてしまった。それも振動や音の何の前触れもなく突然破損し、エンジンの力がリアタイヤに伝わらなくなり、ピットにも戻れずリタイヤとなり、戦略を立てていたレース終盤で強みを発揮する機会を失ってしまった。
12号車(Calsonic IMPUL GT-R)もバトル中の軽い接触でそこから離れた場所の燃料供給口のフタが壊れてしまい、その修理でピットイン時の燃料を入れ始めるまでの時間が余計にかかってしまった。結果として5位に入賞したが2回目のピット作業は全チームで最も早く、表彰台は確実だっただけに最初のピットイン時のロスは痛かった。
23号車、12号車のこれらのトラブルは通常は起こりえないもので、2010年第4戦菅生で23号車がトップ快走中に飛んできたタイヤカスがキルスイッチを作動させてストップした場面を思い出し、レースでは何が起きるか分からない怖さを再認識させてくれた。
1号車(REITO MOLA GT-R)は関口選手が課題を残した。いままでのGT300の抜かれる立場から逆にGT500として抜く立場に変わったがGT300への対応がまだまだ未熟である。持ち前の速さで100号車を果敢な攻めで追い込むシーンもあったが、ずるずる遅れ結果としてまた本山選手に救われて9位となった。
24号車(D'station ADVAN GT-R)はタイヤ開発を主に様々な開発が進んでおり、次戦を含むシーズン中盤以降に期待したい。
完敗の意味するところは、「巻き返しへの決意」を固めさせてくれることである。ふがいないレースにも拘らず例年以上の多くのファンの方々が最後まで熱心に応援して頂いたことに対し、次戦マレーシア戦で勝つことで応えたいと決意している。
GT300に参戦のFIA GT3仕様のGT-Rは、NDDP RACINGエントリーの3号車(S ROAD NDDP GT-R)はタイヤトラブルで早々に戦列を去ったが、このGT3車両を購入してカスタマー参戦している残る3台が活躍し7号車は25位から追い上げて見事5位に入賞した。特に7号車井出選手、48号車千代選手の走りが光り、カスタマーカーでも3号車と同じ速さがあるということを証明してくれた。これはNISMOが販売者としての責任を果たしカスタマーの信頼を得る為に大変重要なことであり、とても嬉しいことであった。
今回はGT300の予選Q1で、1位、2位を分け合った佐々木選手、千代選手に☆2つ、井出選手の久し振りのSUPER GTでの期待通りの活躍に☆1つ。
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