#23「MOTUL AUTECH GT-R」が開幕戦でポールポジションを獲得

2013年のSUPER GTが岡山国際サーキットで開幕。4月6日に行われた公式予選で、#23 「MOTUL AUTECH GT-R」(柳田真孝/ロニー・クインタレッリ)がポールポジションを獲得した。

週末にかけて日本列島を爆弾低気圧が通過するという予報が出された開幕戦。予選日は朝からどんよりとした雲に包まれた。公式練習が始まる午前9時には雨も風も弱く穏やかな状態だったが、1時間ほどで雨脚が強まり、セッションは5回の赤旗で中断され、最終的にはGT500クラスの専有走行時間をキャンセルすることになった。

ピットウォーク時にはほとんど止んでいた雨や風が、午後には再び強まり、2時15分にスタートする予定だったGT500の公式予選は3時スタートとなった。Q1担当の柳田は、セッション序盤から好調ぶりを見せ計測2周目でトップタイムをマーク。いったんは他車の逆転を許したものの、徐々に好転していくコンディションを見極め、最終ラップで再びトップタイムをマーク。Q1を1位で通過した。

その後、予定されていたQ2が強風と豪雨のためにキャンセルに。Q1の結果により、#23 GT-Rはポールポジション獲得となった。


#23 GT-Rドライバー 柳田真孝
「今年の開幕戦の予選というのは、チームとしても移籍してきた僕たちにとってもすごく重要な予選になると思っていました。まさかQ1の結果がそのままポールポジションにつながると思っていなかったので驚いてもいますが、落ち着いてタイムを出せたことがこの結果につながったのかなと思うと嬉しいです。テストからずっと、チームやミシュランタイヤと一緒になってやってきたことが今日の結果につながりました。明日も同じように、一緒に頑張っていけば必ずいい結果が出せると思います。優勝できるよう頑張ります」
#23 GT-Rドライバー ロニー・クインタレッリ
「開幕戦でポールポジションを獲れたら最高だと思っていたので、とても嬉しいです。マーの頑張りでQ1でポールポジションを獲れましたが、Q2に向けてもしっかりと準備できていたので、Q2走っていてもポールポジションを獲れる自信はありました。明日は一番前からスタートできるので一番有利にレースを進められます。天気がまだ読めないので、今日と同じようにタイヤ選択がとても大事になると思います。正しいタイヤを選べればいいレースできると思うので、明日も頑張ります」
ニスモ 鈴木豊監督
「路面状況や雨の量が刻々と変わっていく中で、冷静に状況を見ながらタイヤ選択やタイミングを見極めて、柳田選手がとても素晴らしいアタックを見せてくれました。柳田選手は15分というセッションの中でタイヤをしっかりとマネージメントし、最終ラップに勝負をかけました。結果、トップタイムでQ1を通過、そしてポールポジションにつながりました。今シーズンの開幕に向けて一生懸命準備をしてきたチームスタッフにとっても、開幕戦のポールポジションはとても嬉しい結果で、チームの雰囲気もとてもいいです。明日も天候によって難しい選択になるかと思いますが、シーズンオフにさまざまなシミュレーションをしてきていますので、自分たちがやってきたことを信じて臨めば、結果はついてくると思っています。明日もたくさんの応援をよろしくお願いします!」


荒れる予選でミスなくフロントローを獲得

GT300で2年目のシーズンを迎えるNDDP RACINGは、ドライバーラインアップを一新。開発ドライバーとしてNISSAN GT-R NISMO GT3を一から育ててきた星野一樹と、昨年全日本F3選手権でNクラスチャンピオンを獲得した佐々木大樹の2名で今シーズンを戦う。

公式練習は度重なる赤旗中断の末、途中で終了。4位という結果にも、「周りとのタイム差で自分たちのポジションを分析するのはとても難しい状況だった」と星野はセッションを振り返ったが、マシンの速さは確認できたと自信をのぞかせた。タイヤチョイスでもいいものが見つかり、上位進出に自信を持って予選に臨める状況となった。一方の佐々木も、赤旗中断で走行時間が削られてしまったために、予定よりも少ない周回数しか走ることができなかったものの、「Q1通過が今日の僕の最低限の仕事なので、無事にクルマを持って帰って一樹選手に渡します」と予選に照準を定めていた。

ノックアウト方式の予選、Q1は佐々木大樹がアタック。このセッションでも赤旗が掲示されセッションが中断される場面があったが、佐々木は落ち着いたドライブでベストタイムを更新し続け、計測3周目にはトップタイムをマーク。路面状況の変化で他車に逆転されたものの、その後も自己ベストタイムを大幅に更新し、4番手で予選を通過し星野へとバトンを渡した。

星野の担当したQ2も雨脚が強く、ひとつのミスが命取りとなるようなセッションになった。タイヤを十分に温めてアタックをかけた星野は、計測5周目でトップタイムをマーク。最後の最後に他車に逆転を許したが、フロントロー(2位)を獲得した。


#3 GT-Rドライバー 星野一樹
「雨が強くて毎周コンディションが変わるようなセッションだったので、最初からプッシュしていきました。しっかりとタイヤを温めて、狙っていた周回数でアタックをかけることができたし、その周にタイヤをしっかりと機能させることができました。ヨコハマタイヤの用意してくれたソフトタイヤもすごく良かったですね。ロングランのペースにも自信を持っているし、明日はGT-Rのエンジンパワーを生かして序盤にトップに立ちたいです」
#3 GT-Rドライバー 佐々木大樹
「自分のセッションでも雨量は多かったのですが、条件はみんな同じだし、まずは最低限自分の仕事として『Q1を必ず通過すること』と『スピンしないこと』というのに気をつけて走りました。赤旗中断が何回もあって、集中力を保つのが難しい状況でもありましたが、そのことが逆に「気をつけないと自分もミスをしてしまうぞ」と自分を落ち着かせてくれました。明日はトップでバトンを受け取る可能性が高いと思います。誰にも抜かれることなくゴールまで運べるように頑張ります」
NDDP RACING 長谷見昌弘監督
「予選一発の速さに関しては、他のマシンに分があるかなと思っていたので、予選2番手という結果は上出来だと思っています。ドライバー2人とも、ミスなく頑張ってくれました。ロングランには自信を持っていますので、明日もミスのないレースでポイントを重ねていきたいですね」