

勝負事だから結果が全てであり、終わってからとやかく言ってもしょうがないが、オートポリス戦、もてぎ戦共に雨の降り方がセミドライになるほど乾かず、小雨が息をしながら降り続いたことがBSタイヤに不利に働いた可能性がある。もし雨が上がり乾いていったらまったく逆の結果になったことも予想される。12号車(カルソニックIMPUL GT-R)、23号車(MOTUL AUTECH GT-R)はその雨の神様の気まぐれに振り回されてしまった。
そういう中チャンピオンを決めている1号車(S Road REITO MOLA GT-R)は予選7位から2位まで這い上がり、1位の38号車をテール・ツー・ノーズで追廻したが、追い越しの困難なストップアンドゴーのサーキットで追い越すには至らなかった。しかし最後までプッシュを続けるタイヤやドライバー、チームスタッフの姿勢が今年もまたチャンピオンを獲得した大きな要因であることが証明された。
最終戦でGT-R勢にとって冷酷な事実も突きつけられた。飛行機の速さは空気との相対的な速さで表されるが、クルマの速さは地面に対する速さである。クルマはタイヤを介して地面に接しているから、速さを競うレーシングカーではタイヤ性能が重要でブランドによって差が出やすい。しかしながらもてぎ戦では、同じMIタイヤを履く1号車とSC430の39号車では1号車に軍配があがったが、BSタイヤの12号車、23号車はSC430の38号車に、YHタイヤを履く24号車(D'station ADVAN GT-R)はSC430の19号車に、予選、決勝共に完敗した。各ブランドのタイヤ仕様はほぼ同じであり、ドライバー、チームスタッフ共に懸命に頑張った筈である。エンジンかシャシーか空力か、或いは関係者の頑張りが空回りしたのか神様のご機嫌を損ねる素行があったのか? 何故そうなったかを正確に把握しキチンと手を打たないと、来年の前人未到の3年連続のチャンピオン獲得は幻となる。
GT-Rにとって1号車のコンビが2年連続チャンピオンの記録を作ったので最高のシーズンだったが、23号車、24号車は未勝利に終わり、ポイントランキングも中段以下に沈んだのでGT-R軍団全体としては浮沈の激しいシーズンだったともいえる。従って来年はGT-Rの速さをさらに磨き、全チームがポイントランキングで上位を占めるように全体の底上げを図っていくつもりである。そしてGT-Rファンの皆様全員と喜びを分かち合いたい。熱い応援を有難うございました。これからも熱く行きましょう。
