

23号車は事前のタイヤテストに参加していなかったので12号車(Calsonic IMPUL GT-R)のデータを活かし、改修路面とウェットコンディションという難しい状況にも関わらず本山選手が1/1000秒差で、予選2位に付けた。決勝もスタート直後からトップに立ち、後続を引き離していたが、何の前触れも無く崖から落ちるように急にタイヤがグリップダウンして、2回のタイヤ交換を強いられドライブスルーペナルティもあり結果は6位であった。それでも同じBSタイヤ装着車では最上位だったので、クルマの速さやピット作戦などは十分勝てる力があったことになる。従って最終戦での巻き返しを期待できる。
24号車は、23号車が遅れた後のレース中盤を快調なタイヤに支えられ、ほとんどトップを快走していたが、後方から追い上げてくる32号車や1号車(S Road REITO MOLA GT-R)の速いラップタイムに伍して“優勝”する為には、タイヤ無交換作戦で臨むしか無いと判断した。結果としてタイヤが垂れて4位であったがタイヤ交換したとしても優勝には届かなかったであろう。24号車は2009年、2010年と開幕戦を同じ作戦で連続して優勝した経験があり、今年も既に鈴鹿で表彰台には載っているので、優勝にチャンレンジした作戦は評価したい。
1号車は最終戦を待たずにチャンピオンを決めた。前半戦はミスやトラブルが続いたが、浮上のきっかけは3位に入った第4戦菅生戦である。クインタレッリ選手はトップを走る6号車にほとんど抜けるところまで何度も差し掛けるが、それまで結果が出ていない事が頭をよぎるのか接触を避け我慢して柳田選手に後を託した。柳田選手は期待に応え、1号車を表彰台へと導いた。その後第5戦1位、第6戦2位、第7戦1位と好成績を挙げ一気にチャンピオンに駆け上った。いずれも柳田選手が大きな成長を見せ、攻めるレースを展開出来るようになった結果であるが、第4戦でクインタレリ選手がレースを作り柳田選手に後を任せるパターンが成功し、ドライバーやチームスタッフが落ち着いて自信を持ってレースが出来るようになったことが快進撃のきっかけである。
第8戦もてぎ250kmレースは昨年同様に、GT-Rとして有終の美を飾りたい。
