MOTUL AUTECH GT-R、予選1列目(2位)を獲得

SGT唯一の九州ラウンドは、台風の迫る雨の中で始まった。MOTUL AUTECH GT-R(本山哲/ミハエル・クルム)はノックアウト予選でQ3まで進出。ポールポジション獲得を託された本山は果敢にプッシュ。水しぶきの舞う中、攻めの走りを九州のファンに披露した。

NISSAN GT-R(R35)が3戦2勝、本山が通算4勝を記録している、相性の良いオートポリス。台風17号が迫り、予選日は朝から雨模様となった。公式練習では時折雨脚が強くなり、最後10分間の占有走行は走行を見合わせるマシンも出てくるほどだった。#23 GT-Rの結果は5番手。しかしトップとの差は僅差で、久々の予選上位進出に期待がかかった。

午後の予選も、雨は弱まっていたものの路面はヘビーウェット。Q1は赤旗が2度も出る荒れたセッションとなったが、本山は予選4番手で通過しクルムへとバトンを渡す。そのクルムのセッションも、アタックラップの途中で赤旗中断。普通ならフラストレーションのたまる状況だが、クルムは気持ちをリセット。次のタイムアタックに向けて集中力を高め、ベストタイムを更新。Q3進出を果たした。Q3担当の本山も、セッションスタートと同時にピットを飛び出し、1番にタイム計測を開始する。計測3周目にベストタイムをマークしたが、わずか1000分の1秒トップにとどかず2位。しかし、3戦ぶりのフロントロー獲得となった。


#23 GT-Rドライバー 本山哲
「路面コンディションとタイヤチョイスが難しい中、クルマやタイヤ、すべてを含めてベストなパフォーマンスを出せたと思います。Q3は浅溝タイヤをチョイスしましたが、チームとしても僕自身も、これがベストだなという判断。これもうまくはまったと思うのですが、それで1000分の1差というのはとても悔しい結果です。明日はコンディションがわかりませんが、なによりまだ今年勝てていないので、何が何でも勝ちたいと思います」
#23 GT-Rドライバー ミハエル・クルム
「Q2では、アタックの状況がパーフェクトなときに赤旗が出てしまいました。タイミングが悪いなと思いましたが、クルマは速かったし、もう一度集中してアタックしました。それで、トップタイムでQ3に進めたのでとても良かったですね」
ニスモ 鈴木豊監督
「1000分の1秒差の2位はとても悔しい結果ではありますが、我々にとっては久々に明るい結果でもあります。実は昨日の段階では天候がどう変化するか予測しきれない状況だったので、今日のコンディションに合わせるためにメカニックが今朝早い時間にサーキットに来て、クルマのセットアップを進めてくれました。彼らの努力にドライバーが応えてくれた形で、すごくいい予選になりました。それぞれのセッションに関しても、エンジニアとドライバーが相談しながら、パーフェクトに近いぐらいのいい仕事をしたと思います。明日はあらゆるケースを考え、しっかり自分たちの仕事ができるように頑張ります。応援よろしくお願いします!」


NDDP RACING、初のポールポジションを獲得!

96sという超重量ウェイトハンディを背負ったS Road NDDP GT-R。しかし、雨と霧のなかドライバーがミスなくマシンを操り、デビューイヤーにして初ポールポジションを獲得した。

公式練習から3番手と、ウェイトハンディを感じさせない好調ぶりを見せた#3 GT-R。予選Q1を担当した関口は、路面の水量の多い中で唯一2分を切るタイムをマークし堂々のトップタイムをマークした。Q2の千代も、計測1周目でトップタイムを記録。残り時間が4分を切ったところでコースオフしたマシン回収のため赤旗が掲示され、3分30秒で再開。ここでの自己ベスト更新はならなかったが、ライバル勢も千代のタイムを上回ることができず、Q1に続きQ2もトップ通過を果たした。Q3では雨もやみ、霧が少しずつ濃くなっていく状況。しかし関口は毎ラップ攻めの姿勢を崩さず、3周連続で自己ベストタイムを更新。セッションの初めからトップを譲ることなく、GT300のGT-Rがデビューシーズンにして初ポールポジションを獲得した。


#3 GT-Rドライバー 関口雄飛
「以前、富士ラウンドの予選でも証明しましたが、土砂降りの時のGT-Rはすごく速くて、雨の強かったQ1はクルマに助けられた部分がありました。Q3は逆に雨が弱まり、浅溝のタイヤだと周りも速くなってくるので状況としてはこちらの方が苦しかったのですが、最後まで攻めの走りができました。結果ポールポジションが取れたし、攻めの走りが(自分は)できるんだということを再確認できたこともうれしかったです」
#3 GT-Rドライバー 千代勝正
「マシンは雨の時のパフォーマンスも高いし、僕たちドライバーも雨は得意なので、今回は96sとウェイトハンディが大きいのですが自信をもって走れました。Q2で僕自身がトップを獲れたこともうれしいです。最高のポジションからスタートできますが、ポイントを獲得できるのは明日の結果ですし、チェッカーを受けるまで気を抜かずに走り切りたいと思います」
NDDP RACING 長谷見昌弘監督
「今日はあいにくの天候でしたが、GT-Rはこのようなコンディションでも強さを発揮するので、いい状況になると読んでいました。雨の強さが、重さを帳消しにしてくれたというのもあります。ドライバーにはいつも、『壊さない範囲で目いっぱい走れ』と言っていますが、2人とも朝からずっと失敗なく、予選もつないでいきました。いい仕事をしたと思いますね。ポールポジションから出られるというのは、レースに向けて一番いいスタートが切れるということです。自分のペースでスタートできるし、スタート直後になにかアクシデントが起きた場合も、巻き込まれる可能性が少ない。どんなコンディションになるかまだ分かりませんが、いい結果が出せる可能性にも自信を持っています」
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