MOTUL AUTECH GT-R、1000qレースで5位入賞

4年ぶりの1000qレースは、2度もセーフティカーが導入される波乱のレースとなった。MOTUL AUTECH GT-R(本山哲/ミハエル・クルム)は予選4番手から一時はトップまで浮上し、5位入賞を果たした。

決勝レースは173周。スタート時間も通常より早い。12時30分、約6時間にわたる戦いがスタートした。スタートドライバーの本山は、序盤は予選と同じポジションで周回を重ねていった。ライバル勢がタイヤのトラブルに見舞われる中、#23 GT-Rも本山がタイヤの不調を察知し、26周目に予定より早めのピットインに入ることに。ドライバー交代したクルムのタイヤマネージメントもあって、2回目のピットインを行うまでに3番手までポジションアップした。再び本山に交代して11番手でコースに復帰したが、62周目にヘアピンコーナーでクラッシュが発生しセーフティカーが導入。この間にピットストップを行うライバル勢がいたため、7番手までポジションを上げたところでレースが再開された。その後はタイヤをいたわりながらも前を追いかけ、77周目にはトップに立つ。ピットインのタイミングで、同じ日産勢の#1 GT-Rとトップを交代しながらレース終盤に入っていった。しかし、158周目に再びセーフティカーが入る。リスタート後も表彰台圏内を守っていたが、最後に比較的フレッシュなタイヤを履いていた他車の先行を許し、5位でチェッカーを受けた。




#23 GT-Rドライバー 本山哲
「クルマの状態がアンダー傾向が強く、フロントタイヤを痛めてしまったことで各スティントの後半はとても厳しかったです。いちど、GT300と接触してしまい、余計なピットストップをしてしまったのも良くなかったですね。ただ、荒れたレースの中でクルマの信頼性は良かったし、そこは他メーカーと同等以上だったと思います。今回は最後に表彰台を逃して悔しいレースになったので、次回こそは表彰台を獲得し、チャンピオン争いにつながるレースをしたいです」
#23 GT-Rドライバー ミハエル・クルム
「1度トップに立ったときは、優勝に向けた期待がとても高まりましたが、予定外のピットストップがあったため、最後の本山のスティントが非常に厳しくなってしまいました。彼はとても頑張ってくれたから、すごく残念。セーフティカーで他のクルマとの差が詰まっていなかったら、表彰台にも行ける力はあったと思います。でももう少しクルマのペースは良くしたいですね。シーズン後半戦も頑張りたいです」
ニスモ 鈴木豊監督
「荒れたレース展開になりました。セーフティカーには助けられた面もありましたが、最終的には不利になってしまいましたね。(先行した#35 SCより)我々は先にタイヤを変えていたので、もう消耗していました。トラブルやアクシデントで多くのGT500がいなくなってしまったので、我々の(他車と比較した)速さという面では読めない点が多いですが、信頼性やチーム力は発揮できたと思います。シリーズポイントも詰まってきましたし、残る3戦、力を入れて頑張りたいと思います」



NDDP RACING、2位表彰台を獲得

予選2番手からスタートしたS Road NDDP GT-R(関口雄飛/千代勝正/佐々木大樹)。ドライバーたちはサバイバルレースに生き残るべく、マシンをいたわりながらのレースを展開し、2位表彰台を獲得した。

決勝のスタートドライバーは関口。序盤は予選順位の2位をキープしてレースが進んでいった。最後尾から追い上げてきた#66 アストンマーチンに先行を許し、いったんは3位に後退したが、SUGOラウンドで得られた走行データをもとに、リアタイヤの2本交換作戦をとる。まずは30周を終えたところでピットイン。千代にドライバー交代すると同時に2輪を交換し、次のルーティンピットとなる60周目には4輪を交換して関口にバトンタッチ。1000qのレースを5スティントに分け、フレッシュタイヤ、2本交換を組み合わせた作戦を取った結果、2回のセーフティカー導入もからみ、一時は1周遅れまで引き離されていたトップとの差が148周目に最後のリスタートが切られた時にはわずか13秒まで縮まっていた。最終スティント担当の関口はトップを狙い猛追したが、黄旗追い越しによるピットストップ10秒ペナルティを受けることに。逆転優勝はかなわなかったが、前戦SUGOの優勝に続き2位表彰台を獲得。シリーズランキング2位となった。


#3 GT-Rドライバー 関口雄飛
「今回のレースは荒れた展開になるだろうと予想していたので、最後まで生き残ることを考えていました。序盤に#0 Z4と争うことになったときも無理なバトルは避けましたが、レース全体を通してタイヤ、燃費、ブレーキをすべてセーブしながら戦った結果、マシンにトラブルは全くありませんでした。最後のリスタート後に11秒までトップとの差を詰めた時には(優勝を)狙っていましたが、周回遅れの処理に手間取り、難しかったです。ランキングも2位に上がったので、この良い調子を維持してこの後のレースも頑張ります」
#3 GT-Rドライバー 千代勝正
「1000qレースはタフな戦いになると思っていましたが、エアコンのおかげで体力的な問題はありませんでした。自分のスティントではタイヤの2本交換を選んでいたのでマシンバランスが難しく、我慢の走りを続けることになりましたが、自分の仕事はきちんとできたと思います。SUGOで優勝、ここで2位ときて、チャンピオンを狙える位置に来ました。残りのレースでもタイトルを狙っていきたいと思います」
#3 GT-Rドライバー 佐々木大樹
「今回はレースで乗るチャンスはありませんでしたが、表彰台に立って、お客さんの多さにびっくりしました。レース展開も抜いたり抜かれたりという場面がとても多く、勉強になりました。F3は1人で走るレースですが、GTのようにチームワークで戦うレースを間近で見ることができて、良い経験になりました」
NDDP RACING 長谷見昌弘監督
「(最後のペナルティを受けるまでは)順調にレース展開を進めてこられたと思います。ペナルティを受けたのはドライバーのミス。結果2位と表彰台は獲得できましたが、関口はやってはいけないミスをしましたね。育成プログラムとして、今後このようなミスを絶対にしないようにしなければと思います」
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