MOTUL AUTECH GT-R、不運なアクシデントでリタイア

前日同様に快晴でスタートした決勝日。ピットウォークの間に大粒の雨が降り始め、一瞬にしてコースはウェットコンディションとなったが、その後の強い日差しでウォームアップ走行の間に再び路面は乾いていた。

決勝日朝のフリー走行でも上々のペースを見せていたMOTUL AUTECH GT-R(本山哲/ミハエル・クルム)。マシンのアップデートを含めたチームの努力で速さも復活を見せており、最前列からのスタートに優勝の期待が大きくかかっていた。

気温32℃、路面温度42℃、だが数字以上に蒸し暑いコンディションの中フォーメーションラップが始まった。#23 GT-Rは最終コーナーでポールポジションの#6 SCの背後にぴったりとつくと、1コーナーをアウト側から抜きにかかった。しかし、#6 SCのさらにイン側から同じくオーバーテイクを仕掛けていた#12 GT-Rが止まりきれずに#6 SCと接触。姿勢を乱した#12 GT-Rは#23 GT-Rに接触しともにコースアウト。リタイアすることとなった。




ニスモ 鈴木豊監督
「今日朝のフリー走行とウォームアップで走った感触では、クルマの速さとバランスの良さに非常に手ごたえを感じていましたから、レースができていればいい結果を皆さんに報告できたと思いますが、残念ながらスタートのアクシデントでリタイアとなってしまいました。言葉もありません。しかし、セパンでの結果を受けて性能向上してきた、その方向性は間違っていなかったという確認はできたので、何とか次につなげたいと思います。次戦からはエンジンもフレッシュになりますし、マシンに手ごたえは感じているので、1000qに期待していただきたいと思います」



S Road NDDP GT-R、初優勝!

予選6番手からスタートしたNDDP RACINGのS Road NDDP GT-R(関口雄飛/千代勝正)が、安定した速さでオーバーテイクを連続。後続に大差をつけてチーム初優勝を果たした。

スタートドライバーは、セパンに続き千代が担当。序盤は4番手以降のマシンが数珠つなぎ状態でレースが進んでいた。コース幅の狭いSUGOでは抜くチャンスが容易になく、千代はマシンのペースの良さを感じていながらもポジションをキープ。その後周回が進み、後ろから迫ってきたGT500を先行させる際に一度ポジションを落としたが、すぐに挽回し、さらに混走の中でクリアラップが取れるようになると、#52 SLS、#31 プリウス、#911ポルシェを抜き3ポジションアップ。上位2台が先にピット作業に向かったため、トップに立った#3 GT-Rは42周を終えたところでピットに向かい、関口にドライバー交代を行った。

ピット作業時間を短縮するため、チームはタイヤの2本交換を選択。結果、チームはライバル勢よりも7秒ほど短いピット作業時間でマシンを送り出し、関口は3番手でコースに復帰。この時点で2番手からは4秒、トップからは15秒ほどの差がついていたが、1周1秒から、時には2秒近く差を詰めるハイペースで前に追いつき、57周目にはついにトップに躍り出る。その後も関口はペースを緩めることなく、最終的に後続に30秒以上という大差をつけてトップチェッカー。今季GT300クラスにデビューしたNDDP RACINGが参戦4戦目で初優勝を遂げた。


#3 GT-Rドライバー 関口雄飛
「今回は、レース用のセットアップもとてもいいものが見つかり、チョイスしたタイヤも良くて、本当にマシンが速かったです。あまり無理なプッシュもせず、最後までいいペースで走れました。これまで、内容はいいのに結果に結びつかないレースが続いていたので、今回の優勝は本当にうれしいです。まだまだ速く走れる感触はあるので、優勝したことでウェイトを積みますが、鈴鹿でもいいレースができると思います」
#3 GT-Rドライバー 千代勝正
「今回、タイヤを無交換にするか2本交換にするかという作戦をとっていたので、3番手までポジションを上げられて良かったです。実際には2本交換作戦を選んだのですが、もし無交換でいかなければいけないようなレース展開だったら、結果が違っていたかもしれません。タイヤをいたわりながら、自分のスティントで着実に順位を上げられて本当に良かったです」
NDDP RACING 長谷見昌弘監督
「タイヤも燃費ももったし、今日は完ぺきなレースができました。いい結果は狙っていましたが、この週末、ミーティングで優勝ということは一言も言っていませんでした。優勝というと、ドライバーは余計に気負ってしまいますから。とにかく、トップが見えるところでレースをしようといっていました。クルマも作戦も良かったですが、ドライバーが余計なプレッシャーを感じずに走れたのも結果につながったと思います。ウェイトを積むことになりますが、次の鈴鹿でもいい結果を出せるよう、さらにクルマを早くしていきたいと思います」
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