スーパーラップで3番グリッド獲得!

SUPER GT第3戦がマレーシア・セパンインターナショナルサーキットで開催。6月9日に行われた公式予選で、#23「MOTUL AUTECH GT-R」(本山哲/ミハエル・クルム)は予選3位となった。

シリーズ戦唯一の海外ラウンド、マレーシア。梅雨に入る日本と比べると当然蒸し暑いものの、練習走行がスタートした時の気温は27℃と、ここ数年の中では比較的涼しい陽気でレースウィークがスタートした。十分なテストを行いこのラウンドに臨んだNISMOだったが、路面の悪コンディションに練習走行の序盤は苦戦。セッティングの調整を重ねて予選に挑むこととなった。

今年2回目のスーパーラップ予選は、まずQ1をクルムが担当。セッションは15分間だが、どのチームも1アタックに勝負をかけるため、やや遅めのアタック突入となる。ところが、残り時間が4分を切ったところでコースサイドにストップした車両が出たため赤旗中断。10分の中断ののち、全車によるラストアタックが始まった。クルムは集中して1アタックを成功させ、4番手でスーパーラップ進出を決めた。

スーパーラップの時も曇り空は変わらず、想定よりも低い気温と路面温度に、本山も珍しくリヤタイヤを滑らせる場面を見せた。が、「タイヤが温まりづらいコンディションで難しかった」と言いつつ暫定2番手タイムをマーク。最終結果は3番手と、Q1終了時よりも1ポジションアップして予選を終えた。明日はセカンドローからレースをスタートする。



#23 GT-R ドライバー 本山哲
「シーズンオフにテストした時に比べ路面がスリッピーで、乗り始めのフィーリングが違いましたね。スーパーラップに関しても想定より温度が低く、タイヤが温まりづらい状況でした。そんな中でも予選結果は思っていたより上に来ることができたと思いますね。明日は暑くなるという予報を聞いていますので、暑さに対応して、安定して走れるクルマをしっかり準備してレースに臨みたいと思っています。GT-Rにはエアコンもついているし、優勝を狙って頑張ります」

#23 GT-R ドライバー ミハエル・クルム
「午前中は、つらいスタートとなりました。でもセッティングをいろいろ重ねた結果、Q1ではいい方向にクルマの状況を変えることができました。それでも路面コンディションだったり赤旗が出たりと、Q1はとても難しいセッションでしたね。明日は今日のように1発のタイムが出ればいいというわけではありません。タイヤがもつかどうかが大事です。攻めすぎても、タイムを落としてもいけない、ドライバーにとって難しい仕事になりますが、頑張って勝ちたいです」

ニスモ鈴木豊監督
「セパンはテストでかなり走りこんでデータを持っているので、それらを活かして持ち込みのセッティングを出してきましたが、トラックコンディションがかなり悪く、(練習走行では)序盤にちょっと躓いてしまった感じがします。ただインターバルの間に修正していったところ、バランスも回復して予選に臨むことができました。Q1では赤旗の影響でラスト1アタックの勝負になりましたが、マイケルがいい仕事をしてくれましたね。ポールポジションも欲しいと思いましたが、2列目というのも優勝を狙うには悪くない位置ですので、明日も頑張っていきたいと思います」



千代が初スーパーラップで6番手に

NDDP RACINGにとって初めてのセパンラウンド。練習走行では序盤にトラブルがあり、#3「S Road NDDP GT-R」(関口雄飛/千代勝正)のベストタイムは10位。スーパーラップ進出範囲内ではあるものの、これまで2戦と比べると気持ちに余裕はない。しかし、Q1の関口、スーパーラップの千代、それぞれドライバーがベストを尽くし、結果的に予選グリッドは大きくポジションアップした。

午後の予選、まずはQ1を関口が担当。レギュレーションにより午前中の練習走行に参加できなかった関口は、乗り始めからわずか15分のセッションの間にベスト10内のタイムをマークしなければいけなかった。攻めた走りが持ち味だが、わずかでもミスをすればスーパーラップに手が届かない可能性もある。「まずは千代につなげること」を最低限の仕事とし、手堅い部分も見せて8番手に入り、スーパーラップ進出を決定した。

スーパーラップを担当するのはこれが初めてとなる千代だったが、「タイヤの一番いいところを使って1アタックで勝負を決める」というのはこれまで走ってきたF3と同じ。3番目の出走でミスのない走りを披露しベストタイムを更新。予選順位も2つポジションを上げて、6番グリッドを獲得した。



#3 GT-R ドライバー 関口雄飛
「練習走行のタイムが10番手だったので、タイヤのおいしいときにミスをしてしまったらスーパーラップにつなげられないかもしれないと思っていました。だから、Q1では2アタックしたんですが1回目は手堅くいきました。そこそこのタイムを出せたので2アタック目は大きく攻めていきましたが、もうタイヤのピークが過ぎていたのでタイム更新はできませんでしたね。でも千代選手につなげるということが大事だと思っていたので、しっかりと仕事はできたと思います」

#3 GT-R ドライバー 千代勝正
「初めてのスーパーラップでもちろん緊張はしましたが、走り始めたらいつも通りに落ち着けたし、タイムには影響しなかったと思います。計測2周目で適正温度まで上げるタイヤの温め方や、1アタックでタイムを出すという作業はF3と一緒ですし、ベストは尽くせました。明日はライバルたちも含めてタイヤがどれぐらい持つのか、どれぐらいのラップタイムで走り続けられるかが見えてこないので何とも言えないですが、しっかりと順位を上げて帰ってこられるようにしたいです」

NDDP RACING 長谷見昌弘監督
「今回はスーパーラップを千代に担当してもらうことにしました。もちろん事前のミーティングで決めていることですが、ドライバーには2人ともに予選日から緊張感を持ってサーキットに入ってきてほしいので、現地に入ってから(スーパーラップ担当を)伝えましたね。GT-Rは比較的重いクルマですから、ライバルたちに対して厳しい部分も出てきます。そんな中で、今日はふたりのドライバーが頑張ってくれました。今日の順位は、彼らの努力の結果だと思っています」
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