#23 「MOTUL AUTECH GT-R」、4番グリッドを獲得

SUPER GT第2戦が富士スピードウェイで開催。今年は2008年以来、4年ぶりにレース距離が500kmに戻る。予選日から多くの観客が詰めかける中、#23 「MOTUL AUTECH GT-R」(本山哲/ミハエル・クルム)はスーパーラップで予選4位を獲得した。

前日から雨が降り続く富士スピードウェイ。今回の予選はお馴染みのスーパーラップ方式だが、今年はQ1とスーパーラップを同じドライバーが走行できないというルールになった。つまり前回の岡山同様、「速いドライバーが2人揃っている」ということが今回もアドバンテージになる。NISMOはQ1をクルムが担当。まずは深溝タイヤでスタートしていったクルムだが、コースコンディションを確認すると、いち早くピットへ戻り浅溝タイヤへ交換。タイヤが温まったラストアタックで、後続に0.7秒もの大差をつけてトップタイムをマークした。これでスーパーラップ進出が決定。あとはエース本山のアタックに全てを託すことになった。
スーパーラップの時間帯には雨もやみ、路面からは徐々に水がはけていった。ここでもタイヤチョイスがカギを握ることに。新品タイヤを選択し、本山は念入りにタイヤを温めてからアタックに入ったが、僅かに熱の入れ方が足りず4番手タイム。明日は2列目から500kmのレースをスタートすることとなる。


#23 GT-Rドライバー
本山哲

「スーパーラップではタイヤチョイスに非常に悩みました。走ってみて初めて、そのタイヤが本当に(コンディションに)合っていたかどうか分かる、というような非常に微妙な路面コンディションでしたね。でもクルマの調子は悪くないですし、明日はきっちりと走りきる中で徐々に順位を上げて、最後にはトップに立ちたいです」
#23 GT-Rドライバー
ミハエル・クルム

「僕が担当したQ1は非常に難しい条件でした。残り8分のところでタイヤを変えるというのはリスキーな判断だったかもしれません。しかもコースに戻った直後にはトラフィックにかかり、とてもプレッシャーがかかりました。でも2周目でトップ10内に入ることができたので、最後のアタックはとてもリラックスして走れました。4位というのは明日に向けていいポジションだと思います。500kmと長いので、明日はミスなく走ることが大事です」
ニスモ鈴木豊監督
「スーパーラップでは選択したタイヤの温まりがちょっと足りずにロスしてしまった部分がありましたが、クルマ自体も調子は悪くないと思いますし、戦闘力もあるなと感じました。Q1でのクルムの走りは非常に素晴らしかったですね。エンジニアとドライバーのやり取りで浅溝タイヤに交換しましたが、そのタイミングもとても良かったと思います。明日もドライコンディションでいいパフォーマンスを見せられればと思います」


ヘビーウェットでGT-R GT3が抜群の速さを見せる

結果は残念ながらついてこなかったが、デビューレースからマシンのポテンシャルの高さは証明していたNDDP RACING。今回も公式練習から、後続に1秒以上の差をつけトップタイムマークとその速さを見せつけた。速さの理由はマシンだけでなく、雨でもアグレッシブな走りを見せる関口と、F3時代にレインコンディションで腕を磨いてきた千代、2人のドライバーの力による部分も決して小さくない。

Q1は千代が担当した。トップ10に入らなければ、チームメイトにつなぐことができないQ1を任されるのは、スーパーラップとは違ったプレッシャーもあるが、マシンのポテンシャルに自信をもらった千代は落ち着いたアタックを見せ、4番手でQ1を通過。スーパーラップでは関口が時折マシンがスライドしながらも抜群のコントロールを見せ2番手にポジションアップを果たした。その後、車検で吸気系の不備を指摘され、スーパーラップのタイム末梢の裁定を受けたため、明日の決勝レースは9番グリッドからスタートする。


#3 GT-Rドライバー
関口雄飛

「午前中のヘビーウェットでとてもクルマが安定していて良かったです。コース上にできた川を越える時もクルマの動きが安定していたのでプッシュできたし、もともと僕自身レインコンディションが得意なので、周りに対しても大きなギャップを作ることができました。明日は他のクルマに引っ掛からずに自分たちのペースでレースをしたいですね。1周目、2周目は得意としているので、なんとしても序盤に順位を上げていきたいです」
#3 GT-Rドライバー
千代勝正

「富士はF3の頃から走り慣れているし、雨も嫌いではないのであまりプレッシャーを感じることはありませんでした。しかもGT-Rはトップを狙えるクルマなので、逆に自信を持って走れました。期待に反して雨の量は減ってしまいましたが、最初のうちにしっかりとタイムを出して関口選手につなげることができました。明日はミスなく走りきることを一番の目標にして頑張ります」
NDDP RACING長谷見昌弘監督
「朝の公式練習ではうちのヨコハマタイヤに、スーパーラップではダンロップさんにとても良く合ったコンディションになったなという結果ですね。ドライバーたちはミスなく仕事をしてくれました。路面コンディションが悪い時に大事なことは、いかにミスなくクルマを壊すことなく走るかということなんです。大事なのは明日。ドライコンディションのデータもたくさん欲しいですから、明日はしっかりと走りきってほしいですね」
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