#23 「MOTUL AUTECH GT-R」、開幕戦は4位

岡山国際サーキットで行われたSUPER GT開幕戦。#23 「MOTUL AUTECH GT-R」(本山哲/ミハエル・クルム)は4位入賞を果たした。低すぎる気温に苦戦したが、一時はトップまで上り詰めてGT-Rの強さをファンに見せつけた。

多くのチームが天気に翻弄された予選日から一転。決勝日の朝は雲ひとつない快晴に恵まれた。朝のフリー走行では、まず本山のドライブで走行開始。決勝に向けマシンの最後の確認作業とともに3番手タイムをマークした。

ピットウォークが始まるあたりから徐々に雲が多くなり、日差しも遮られるようになる。14時からの決勝レースは気温10℃、路面温度15℃と、4月上旬としては低めの温度の中でスタートした。スタートドライバーの本山は、周りもタイヤの温まりきらないオープニングラップで1台をパス。さらにもう1台をかわし7周目には2位まで浮上した。#23 GT-Rはハードめのタイヤを選択しており、序盤はトップとの差は一進一退を繰り返していたが、タイヤが温まってくるにつれてじわじわとペースアップ。周回遅れもスムーズにかわし、1秒以内の差をキープしてトップにプレッシャーをかけていった。そして、33周目のヘアピンでついにトップに浮上。36周を終えて後半スティント担当のクルムに交代した。

後半も固めのタイヤを選択していた#23 GT-Rは、アウトラップで2台に先行を許してしまう。全車がピットストップを終えた時点で3位。中盤までは気温の低さにペースが上がらず苦戦していたが、それでも4番手との差をキープしながら表彰台圏内を走行していた。終盤に順位を落とし、惜しくも表彰台獲得とはならなかったが、4位でチェッカーを受けシーズン初戦からポイント獲得を果たした。


#23 GT-Rドライバー
本山哲

「中盤から後半は良かったと思いますが、タイヤの性能を使いきれなかったとも感じます。クルムも中盤までは苦しそうでしたが、最後の10〜15周のタイムは良かったですから。もっとタイヤの性能を発揮できるようにするのが次戦に向けての課題です。開幕戦で表彰台に乗れなかったのは残念ですが、ポイントも獲れてまずまずのスタートを切れたと思っています」
#23 GT-Rドライバー
ミハエル・クルム

「本山選手がすばらしいドライビングでトップに立ってからバトンタッチしましたが、ハードめのタイヤチョイスでウォームアップに時間がかかってしまいました。それでもレースをしていて楽しかったです。久しぶりのSUPER GTで表彰台に乗れなかったのは残念ですが、最後まであきらめずに走ったことで、最後にひとつ順位を上げて、4位で8ポイントを獲れたのは良かったです。あと7レース、頑張ります!」
ニスモ鈴木豊監督
「予想以上に低い気温に苦しみました。その中でもドライバーの頑張りがよく出たレースだと思います。2人ともハードめのタイヤで出て行ったので、序盤にタイヤを温めるのに苦労していました。それでも中盤には一時トップまで上がりましたし、GT-Rの持つ戦闘力は見えたと思います。富士に向けての手ごたえも感じられましたので、次戦も期待して下さい」


デビューレースで表彰台圏内を走行

9番グリッドから初レースをスタートする#3「S Road NDDP GT-R」(関口雄飛/千代勝正)。スタートドライバーの関口は、オープニングラップで2ポジションアップに成功すると、続いて2周目にも1台をかわし6位まで浮上した。

「まずは今後に生かすデータを取るため、レースを走りきること」が今回のレース目標の1つ。すでにGT300でのレース経験を持つ関口は、GT500に周回遅れにされるタイミングでも落ち着いた走りでペースを保っていた。他車のペナルティなどもあり、#3 GT-Rは徐々にポジションアップ。32周目にはヘアピンコーナーで同じFIA GT3規格のライバルマシンをかわし、表彰台圏内の3位まで順位を押し上げた。

38周目に後半スティント担当の千代に交代。クラス4位でコースに復帰した。初レースに戸惑う様子もなく、関口同様に好ペースで周回を重ねていたが、47周目の最終コーナーで、数台連続で迫るGT500クラスを先行させる際、2台目のマシンと接触。コースアウトしてしまう。マシンのダメージチェックをするためピットに戻り、大きく順位を下げることとなった。ピット作業の際に違反を指摘されペナルティを科されたが、レースに復帰した後は大きなミスもなくゴールまで走りきり、19位でチェッカーを受けた。


#3 GT-Rドライバー
関口雄飛

「今回の目標の一つは『完走してデータを取る。そのためには絶対にぶつからない』ということを監督から聞いていたので、その点を意識して走りました。スタートして、前が近づいてくると『勝負したい、前に行きたい』と思うようになりましたが、それでも絶対に無理はせず、スペースが空いて前に行けると確信した時に抜いていきました。結果は残念ですが、今回とれたデータをもとに、富士ではもっと上でゴールできるよう頑張ります」
#3 GT-Rドライバー
千代勝正

「初レース、すごくいい形で関口選手から交代しましたが、自分のミスでGT500と接触してしまいました。クルマのペースもとても良く、4位をキープしてゴールできると思っていたのでとても悔しい結果になりました。その後ピットに戻ってくるときは気持ちが焦っていましたが、コースに復帰してからは落ち着いて走るようにと集中しました。自分のチームだけでなく、他のチームに迷惑をかけてしまい、申し訳なく思います」
熊谷太郎 NDDPプロジェクト シニアマネジャー
「関口は非常にいい走りをしていました。単独でのタイムも良かったし、GT500に抜かれる時もタイムを落とし過ぎないで走っており、長谷見監督からも好評価を得ていました。千代に関しても、好ペースで走れていたのですが、それが逆に油断につながりました。GT500とGT300の混走なんだということはミーティングでも話してきましたが、いいタイムが出たことで自分の走りとレースに集中しすぎてしまったのが接触の原因になったと思います。クラスの違うマシンに抜かれながらレースをするというのは千代にとって初めてですが、これがSUPER GTというレースです。次戦はこのような結果にならないよう、頑張っていきたいと思います」
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