

今年が2度目の開催となる富士スプリントカップは、"国内モータースポーツの双璧であるSUPER GTとフォーミュラ・ニッポンの両レースを1日で楽しめる"を実現したもので、両シリーズ終了後の特別戦として位置づけられている。シリーズ戦では、2人のドライバーが交替で250km〜500kmを走るセミ耐久レースで戦ってきたSGTも、この特別戦は1人のドライバーで走り切る100kmのスプリントレースを、土曜日と日曜日に、それぞれ1レースずつ行うことになっている。しかもスタート方式は普段のローリング方式ではなく全車がグリッドに静止した後にスタートしていくスタンディング方式であり、通常は混走しているGT500とGT300がそれぞれ別レースとなるなど、ひと味もふた味も違ったレースとなる。
8戦5勝でシリーズを席巻、タイトル奪回を果たしたGT-R勢としても、この特別戦で優勝を果たして有終の美を飾りたいところ。特にシーズン最多の3勝を飾り、ラスト2戦を連勝してシーズンを終えた#23 MOTUL AUTECH GT-Rにとっては、3連勝、いやスプリントレースが2回行われるから本山とトレルイエがともに勝って4連勝でシーズンを締め括りたいところだ。さらにチャンピオンに輝いた#46 S Road MOLA GT-Rも、ここで勝ってタイトルに華を添えたいはずだし、#12 カルソニック IMPUL GT-Rと#24 ADVAN KONDO GT-Rからも、最後にもう一花、の想いが伝わってくる。
もちろん、ライバル陣営も、勝ってシーズンを終えたい気持ちは強い。タイトルを逃しているからにはなおさらだ。昨年、このイベントを制したレクサス勢は、シーズン序盤の不調を切り抜け、終盤には目を見張るような速さを取り戻してきていたし、何よりこの富士スピードウェイをホームコースとするだけに、このラストマッチに掛ける想いは強いはずだ。もう一方のライバル、ホンダ勢も侮れない。かつてはこの富士スピードウェイは不得手とされていたが、昨年のこの大会ではストレートで、レクサスを抜き去ったことは記憶に新しい。さて、激戦のシーズンに有終の美を飾るのは?