2011年SUPER GTシリーズのチャンピオンシップ争いが白熱する、終盤のオートポリス250kmレースで、23号車(MOTUL AUTECH GT-R)と46号車(S Road MOLA GT-R)が1、2位を占めて、この2台のどちらかがチャンピオンを獲ることが決定した。最終戦を待たずにGT-Rのチャンピオンが確定したわけで、総監督としてファンの方々の期待と応援に応えられたという想いと重責から解き放たれたことから、心底ホッとしている。
 これで最終戦もてぎ250kmの舞台はGT-R勢4台が激しくトップ争いを繰り広げ、観客席を大いに沸かせて有終の美を飾りたい。

 オートポリス戦の立役者はなぜかヒーローという言葉が似合う本山であった。しかもあの狭いオートポリスのコースをまったく無傷で11台も抜き去るという快挙で、他の誰もがかすむほどに際立っていた。
 1昨年から今年に掛けて、23号車のタイヤが1年毎に変わったことが影響したのか、本来の本山らしさが見られずのファンや関係者の一部で心配する声もあったが、これで完全に『MOTOYAMA IS BACK!』となるだろう。しかも心身の逞しさも備えた『強い本山が!』である。
 GT-R陣営は今回規則に定める3基目のエンジン投入を行った。他2社がフォーミュラ・ニッポンのエンジンと共通ということから、開発や走行テストの機会が多いという利点を生かして優位にあったが、今回ハンディを克服すべく頑張った結果やっと同レベルに達することが出来た。従って今まで離されていたストレートでスリップストリームに付くことが出来、本山得意の1コーナーでのブレーキングによる突込みが生かされた。
 またメーカーを超えてことごとくタイヤの仕様選定にミスが出た他のチームに対し、23号車は今シーズンの苦労を糧としてエンジニアが冷静に判断しスイートスポットを引き当てた。

 今回はNISMO、東名エンジンのエンジニアに☆三つ、吉田エンジニアと本山に☆4つ(今後も期待して特別)。そして静かに最下位から5位まで這い上がった安田、ビルドハイムに☆三つ。
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