鈴鹿の夏の戦いは500kmに短縮されたとはいえ、目まぐるしく変わる天候に振り回されいつもの通り熱いドラマを生んだ。

 雨模様の決勝スタートで、天候の悪化を見込む他のGT500チームが深溝タイヤを選ぶ中、23号車(MOTUL AUTECH GT-R)は浅溝タイヤが功を奏し5位から一気にトップに躍り出て、2位以下に大差をつけて第2スティントへつないだ。そして今度はかなり強い雨が来ると読み、23号車は深溝タイヤを選んだ。第1スティントで成功した23号車の判断に影響されて12号車(カルソニック IMPUL GT-R)、46号車(S Road MOLA GT-R)は共に同じ深溝タイヤを装着した。ところが路面はむしろ乾き気味に推移したので、GT-R勢は苦しくなり、ずるずると順位を落としていった。500kmレースはドライバーの義務周回数(今回は30周)の関係で、第2スティントのタイヤ選択ミスは早目のピットインなどの手は打てない。
 結局第3スティントに臨む頃には、かなり乾いてきて、23号車、12号車は浅溝タイヤ、46号車はスリックタイヤを選択した。第3スティントの中盤からスリックが浅溝より速くなり、46号車は1号車を追い上げて、あと1-2ラップでトップに立つところを残り4周で雨が降ってきて2位に留まった。一方23号車は、乾き気味の路面でスピンしたりドライブスルーペナルティを受けて6位で苦戦していたが、雨が降り出しての数ラップで36号車やスリックの39号車を一気に抜いて4位に入った。
 終盤の雨で46号車は20点取れるところを15点で終わり、23号車は5点の所を8点取れたわけで、シリーズポイントの差に8点影響した。

 これでシリーズは46号車、1号車、23号車、12号車のポイント順になった。46号車が有利であるが、これからの3戦中1回でもポイント圏外となると彼我の差は一気に詰まるので、今回の終盤の雨による8ポイントがどう影響するか興味深い。

 タイヤ選択でばたばたして優勝は逸したが、一時GT-Rがトップ3を占めたし雨やドライの両面で際立つ速さを見せるなどお客様に大いに楽しんで頂ける活躍をした、46号車、12号車、23号車に☆二つ。

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