

タイトル奪回を合言葉に今シーズンを迎えたGT-R勢は、雨に見舞われた開幕戦の富士で#23 MOTUL AUTECH GT-Rが優勝。続く岡山では、ドライコンディションの中、タフなバトルを#12 カルソニック IMPUL GT-Rが競り勝って、序盤の2戦を連覇。さらに灼熱との戦いとなった前回のセパンでは、#46 S Road MOLA GT-Rが、激しいトップ争いの末に2位表彰台をゲット。もう1台の#24 ADVAN KONDO GT-Rも手堅い走りで中団から追い上げ、表彰台まであと一歩の4位入賞を飾っている。これで、シリーズに参戦している4台全てがランキングトップ10に入り、GT-Rの安定した強さを証明することになった。
ただし、このSUPER GTでは、ランキング上位につけると、重いウェイトハンディが課せられる。ランキングトップで菅生ラウンドに臨むことになった#23の52kgを筆頭に、GT-R勢は#46が42kg、#12が40kg、最も軽い#24でも28kgのウェイトを搭載している。アップダウンに富んだ菅生では、他のサーキット以上にウェイトハンディが重く圧し掛かり、普段以上にウェイトの影響を最小限に抑えるセットアップが必要となってくる。更に言うなら、今シーズンの岡山から#23が展開してきた作戦…公式練習から、予選よりはむしろ決勝用セッティングの追求を重視。決勝では安定したペースで後方から追い上げて上位入賞を狙う…などは一層有効になってくる。
もちろん、ライバルもてぐすねを引いて待ち構えているはずだ。ホンダ勢は先代のNSXの頃からコーナリングでタイムを稼ぎ、この菅生は得意なサーキットのひとつ。HSVに代替した昨年も1-2フィニッシュを飾っている。ホンダ陣営の中では#8 ARTA HSVを筆頭に、ウェイトハンディが10kg前後のマシンが何台か控えており、ライバルとしては最重要マーカーとなっている。もちろん、レクサス陣営でも#19 WedsSport ADVAN SC430や#39 DENSO SARD SC430のようにウェイトハンディが少なめなマシンを中心に、巻き返しを図ってくるのは必至。#19は#24と、#39は#46と、それぞれセパンで活躍した2台のGT-Rと同じメーカーのタイヤを装着しており、菅生でも要注目だ。
昨年の菅生ラウンドでは本山・トレルイエ組がポールから好ダッシュ。ベストラップを更新しながらトップを快走したが、終盤にいきなりエンジンが止まってしまう思わぬハプニング。何とか再スタートは切れたものの、6位入賞に留まる悔しい週末となった。今回は、その雪辱戦、という意味合いもあり、ドライバーはもちろんだが、チームスタッフ全員がリベンジの想いを強く共有している。