雨で波乱の開幕戦を、NISMOの23号車、MOTUL AUTECH GT-R(以下23号車)が制した。

GT-R勢は練習走行から好調で、予選上位1-6位に4車共入った。特にミシュランタイヤ、ヨコハマタイヤの性能向上も著しいので、4チーム共シーズンを通して活躍しそうで楽しみである。

決勝スタートは雨だったので、23号車の吉田エンジニアはブリヂストンのウエットタイヤ(深溝、浅溝の2パターンとそれぞれ3種類のコンパウンド計6種)の中から、コースの位置毎の降雨量、路面温度、レース中の雨量の変化などを読みながら深溝+ミディアムコンパウンドを選択した。

セイフティカー先導でレースがスタートしたが、スタートして直ぐ23号車のブノワ・トレルイエから装着したタイヤが路面状況にマッチしているとの無線が入った。それからタイヤをじっくり暖めて追撃に移り、トップに立つと後続を引き離し15秒前後の安定したギャップを築いた。

後続のSC430 6号車(以下6号車)がこのギャップを克服し追いつくにはピットワークしかない。タイヤ無交換でいくと、交換時間10秒を稼げるし、あのような低い路面温度でニュータイヤが温まるまでのラップタイムロス約9秒を失わなくて済む。一方で使い続けるタイヤの磨耗によるラップタイムの落ちが懸念されるが、ブリヂストンタイヤの耐久性なら何とか行けそうである。

よってNISMOチームは、6号車は必ずタイヤ無交換で来ると判断し23号車も無交換を決断した。ブノワはそれを受け15秒前後のギャップを保ちながらタイヤをセーブする走りを行い、本山につないだ。本山はGT300を慎重に抜いていたので6号車に迫られる場面もあったが、その後少し引き離し豪雨で短縮されたレースを制して、チャンピオン奪還への第一歩を力強く踏み出した。

今回はブノワと吉田エンジニアに☆三つ!

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