いよいよ始まる新シーズン
勢力図がいまだ見えない開幕戦を制するのは!?
SUPER GT第2戦 FUJI GT 400km RACEは、4月30日から5月1日まで、富士スピードウェイ(静岡県)で行われる。岡山で予定されていた第1戦が東北地方太平洋沖地震の影響で延期されたため、このレースがSUPER GTの実質的な開幕戦。また、決勝の距離は当初予定の400kmから300kmに短縮された。

例年より少し遅れはしたが、いよいよ始まる新シーズン。チーム体制やドライバーラインアップの変更、マシンの進化など、昨年とは違った戦いになることが予想される。その中でも特に注目されるのはGT-R勢が3台から4台に増えたこと、そしてNISMOのタイヤがミシュランからブリヂストンに変わったことだ。

今季のGT-Rはエンジン、空力性能、駆動系の信頼性などに改良を加え、一段と戦闘力をアップ。NISMOはタイヤを変更したことで昨年のデータはリセットされるが、一昨年までブリヂストンを装着しており、その分の蓄積は十分にある。また、このクラス初挑戦となるMOLAは、柳田真孝/ロニー・クインタレッリという実力派を起用。タイヤはミシュランを装着する。TEAM IMPUL、KONDO RACINGを含め、日産陣営全体としての底上げが期待される。

一方、ライバル陣営もさらなる体制強化を図っている。ホンダHSV-010 GTは、重量配分の最適化を狙ってサイドラジエター化。また、レクサス勢はドライバーラインアップを大幅に入れ替え、昨年までGT300に参戦していたレーシングプロジェクトBANDOHもこのクラスに挑戦してきた。

前述のとおり、このレースは実質的な開幕戦。例年、開幕前に行われていた公式テストも中止されており、ライバル勢を含めたチームの勢力図はいまだ見えない。今回の舞台となる富士スピードウェイには約1.5kmに及ぶホームストレートがあり、最高速の差がタイムの差に結びつきやすい。その一方で抜きどころも各所にあり、予選順位がそのまま決勝結果につながるとは限らない。果たしてどのチームがどんなパフォーマンスを見せるのか、最後まで目の離せないレースになることだけはまちがいないだろう。

なお、今季のSUPER GTは「東日本大震災復興支援大会」として開催され、収益の一部が義援金として寄付されるほか、ピットウォークなどで義援金の受付が行われる。NISMOもチャリティ活動を実施し、モータースポーツを通して希望と勇気が少しでも被災地の皆さんに届くことを、心より願っている。

PAGETOP