「MOTUL AUTECH GT-R」、惜しくもチャンピオンを逃す
11月8日(日)に、栃木県茂木町のツインリンクもてぎにてSUPER GT 2009最終戦「MOTEGI GT 250km RACE」が行われ、シリーズチャンピオンをかけて予選5位からレースをスタートした「MOTUL AUTECH GT-R」(#1 本山哲/ブノワ・トレルイエ)は、ファイトあふれる走りで会場をわかせたが、タイヤバーストにより上位入賞を逃した。


序盤から攻めの走りに徹した#1 GT-Rは、タイヤバーストで離脱
最終戦となったこのレースには、首都圏一円から集まった35,000人もの観客でにぎわった。時々日差しがこぼれる曇り空のもと、250kmの決勝レースがスタートした。今回は最終戦のため、各車ともハンディウエイトは無しで、レース距離も通常より50km短い設定となった。気温は20度で、路面はドライであった。選手権ポイント首位でこのレースに臨んだ「MOTUL AUTECH GT-R」(#1 本山哲/ブノワ・トレルイエ)は、予選5位からトレルイエがスタート。「早い段階で上位に上がる作戦を取る」とニスモの鈴木豊監督がレース前に語っていたように、トレルイエは序盤からアグレッシブに上位車を攻め、4位の#38 レクサスSC430とスリリングな4位争いを繰り広げた。4周目には#38 SC430を抜き4位となったが、激しい攻防のためタイヤ摩耗が進み、やがてスローダウンを余儀なくされることに。我慢して18周目のピットインを目指したが、持ちこたえられずにピットイン予定の周回にタイヤがパンク。その後、バーストしたタイヤがフロントフェンダーを壊し、ピットインして修理することとなった。この時点で優勝争いからは離脱してしまう。修理完了後本山がコースに戻り、14位でレースを終えた。この結果、本山哲はドライバー部門の年間3位、ニスモはチーム部門の3位となった。


「IMPULカルソニックGT-R」が7位入賞
10番グリッドからレースをスタートした「IMPULカルソニックGT-R」(#12 松田次生/セバスチャン・フィリップ)は、スタートドライバーの松田が1周目に#100 NSXに接触されてスピン。GT500隊列の最後尾に後退してしまう。大きなダメージなくレースに戻った松田はハイペースで周回を重ね、ポジションアップを図った。その甲斐あって21周目には8位にまで上がってきていた。その後暫定4位となって30周目にピットイン。フィリップにドライバー交代した。レース中盤を8位で走行したフィリップは着実にラップを重ね、35周目に起きたGT300車両のオイルリークトラブルとその後のセイフティカーランを経て、8位のポジションを確かなものとした。レース終盤に上位車がコースオフし、7位に上がってそのままチェッカーフラッグを受けた。

序盤、オリベイラが勢いに乗った走りを見せた「HIS ADVAN KONDO GT-R」(#24 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/荒聖治)は、予選12位からスタートして23周目には3位に浮上。今回のレースで賭けに出たKONDO RACINGは、ピットイン時にタイヤ交換せずにタイムロスを短縮する作戦を実行。しかし、7位でレースに戻ったのち、荒は淡々と丁寧に走行を続けたが、終盤にはタイヤグリップが不足するようになって11位完走。予選7位の「HASEMI TOMICA EBBRO GT-R」(#3 ロニー・クインタレッリ/安田裕信)は、安田が初めてスタートドライバーを担当。しかし、タイヤがコンディションにマッチせず、序盤からペースが上げられない苦しい展開となった。後半を受け持ったクインタレッリも淡々とクルマを運び、12位完走を果たした。


日産系チーム総監督 柿元邦彦
「2009年のSUPER GTは、終わりました。1号車がチャンピオンシップをリードしてこのレースに臨みましたが、結果は残念ながら年間3位でした。しかし、我々は精一杯力を尽くしましたので後悔はありません。むしろ来年に向けて、強い意欲がわいてきた、と言えるでしょう。今年も一年間応援をありがとうございました」
#12 GT-R 松田次生
「クルマの調子が良かっただけに、1周目にリヤに当てられてしまいスピンしたのは痛かった。今年一年間、良い流れが作れず残念でしたけど、速く走る自信がついたので、来年は良いレースをお見せできると思います。がんばりますのでよろしくお願いします」
KONDO RACING 近藤真彦監督
「意を決してタイヤ無交換作戦を実行してみましたが、後半はつらくなってしまいました。今回のレースは良い結果で終われませんでしたが、今年は確かにチーム力が上がったと思います。来年こそはチャンピオン争いに加わりたいと思います」


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