「MOTUL AUTECH GT-R」、フロントローから富士連勝を狙う

3台のGT-Rがスーパーラップに進出
SUPER GT第7戦は、ゴールデンウィークの第3戦以来の舞台となる富士で開催。第6戦までウェイトハンディはドライバーズポイントの2倍の重さを搭載していたが、この第7戦、次の第8戦はドライバーズポイントと同じとなるため、各車両のウェイトの差が縮まり性能差も接近。これまで以上に予選から激しいバトルが予想された。しかしレースの1週間前になって新たな特別性能調整が実施されることになった。これによるとSC430とNSXのリストリクター径が拡大され、GT-Rには不利な状況となる。

12日朝は曇天だったが、朝の練習走行が始まる直前から冷たい雨に。雨は一旦止みかけたが再び降り出し不安定なコンディションとなった。このセッションでは、32kgのハンディウェイトを搭載する「IMPUL カルソニック GT-R」(#12松田次生/セバスチャン・フィリップ)が7位につけたが、48kgのウェイトを搭載する「MOTUL AUTECH GT-R」(#1本山哲/ブノワ・トレルイエ)は12位、37kgのウェイトを搭載する「HIS ADVAN KONDO GT-R」(#24ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/荒聖治)は13位、41kgのウェイト搭載する「HASEMI TOMICA EBBRO GT-R」(#3ロニー・クインタレッリ/安田裕信)が14位といまひとつ。しかしニスモの鈴木豊監督は「セッティングの確認をしていましたし、雨の量によってもタイムが違うので心配していません」と表情には余裕が見られた。

一旦止んだ雨が再びポツポツと落ちだした12時50分、予選1回目がスタート。気温は20℃まで上がったが肌寒く、コースはウェットコンディションのまま。今回#1 GT-Rは開幕戦以来久しぶりにトレルイエが予選を担当。「後半3戦を迎えて仕切り直しということで、(トレルイエがアタックする)本来の形に戻しました。天気予報では雨と言っていましたし、雨で速いトレルイエを起用しました」と鈴木監督。開始14分で1分46秒066のトップタイムをマークしたトレルイエがピットイン。交代した本山も問題なく基準タイムをクリアした。また#12 GT-Rは3位とまずまずの位置につけたが、#24 GT-Rは13位、#3 GT-Rは14位とウェットコンディションに苦戦しているようだった。10分間のインターバルを置いて13時25分からは10分間のGT500専有走行枠。一旦止んでいた雨がまた降り出した。そして終了間際に#12 GT-Rの松田が2位、#24 GT-Rのオリベイラが7位に飛び込みスーパーラップ進出。#1 GT-Rはタイムアップならなかったが3位でSLへ進出。#3 GT-Rはタイムが伸びず14位が確定した。


10か月ぶりのスーパーラップでトレルイエがフロントロー獲得
15時5分、GT500クラスのスーパーラップが始まった。雨は上がっているもののウェットコンディションに変化はなく、水しぶきを軽く上げながらのアタック合戦が始まった。2番目にコースインした#24 GT-Rのオリベイラは、タイムが伸びず5台のアタックを終え4位。6番目に登場した#1 GT-Rのトレルイエは昨年最終戦(富士)以来のスーパーラップアタックとなったが、トップタイムには届かなかったもののその時点での2番手タイムをマークした。「スーパーラップ進出が今日のターゲットだったので、とてもうれしい! (久しぶりの予選アタックに)緊張はしませんでした。それにしてもスーパーラップは難しいですね」とトレルイエは笑顔で答えた。7番目にコースインした#12 GT-Rの松田はコカ・コーラコーナーまでのセクター1でトップタイムを更新し逆転が期待されたが、ヘアピンコーナーの立ち上がりでスピンを喫してノータイム。最後に出走した車両がベストタイムを叩き出して予選は終了した。

#1 GT-Rは3位、#24 GT-Rは6位、#12 GT-Rは7位という結果だったが、予選2位の車両が第6戦終了後にエンジン交換を行ったために10グリッド降格。3〜12位がポジションをそれぞれひとつ上げた順位が予選結果として発表された。これで#1 GT-Rはフロントローを確保。明日の決勝に向けて好ポジションを得ることとなった。また#24 GT-R、#12 GT-Rも3列目スタートと、上位進出が期待される。一方予選14位の#3 GT-Rも、路面温度が上がりそうな決勝レースではポジションアップが望めそうだ。天気予報では決勝日は晴れで気温も25℃を超えると伝えている。


ニスモ鈴木豊監督
「ブノワは久しぶりのスーパーラップにもかかわらず良くやってくれました。クルマ的には一番重いハンディウェイトで臨みましたが、期待以上の結果を出してくれました。フロントローに並べたというのはとても大きなことです。新たな特別性能調整が実施されたことで明日も不利な状況に変わりありませんが、チームワークと戦略でカバーして、富士での連勝を狙います。最低でもチャンピオン争いをしているライバルの前でゴールを目指します。応援よろしくお願いします」

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