GT-Rと相性のよいセパンで連勝を目指す
SUPER GT第4戦は、今季初優勝を遂げた感動の第3戦富士から1か月半のインターバルを置いて、ほぼ赤道直下のマレーシア、セパン・サーキットで開催される。

セパンは、クアラ・ルンプール国際空港近くに98年に造成された近代的なグランプリサーキット。グランドスタンドを2本のストレートが挟み込み、15個のコーナーがそれを結んでいる。コースには若干のアップダウンがあるが、コース幅が広いためパッシングポイントが多く、ドライバーには「コースレイアウトがチャレンジングで攻めていて楽しい」と高い評価を受けている。しかしクルマとドライバーを苦しめるのは、その熱帯独特の暑さにあるだろう。現地時間で16時スタートとは言え、気温は35℃を超え、コース上は照り返しと路面の熱で50℃近く、さらにコクピット内はサウナのような感覚になるという。

今回ニスモではかねてより開発し第2戦鈴鹿からテストしてきたエアコンを投入。これはクールスーツに代えて搭載するもので、ドライビングシートの座面・背面から出る冷気でドライバーの身体を、ヘルメット内に冷気を導き頭部を冷却するシステム。さらに顔にも冷気を当てることで熱中症を防ぐ。このシステムであれば、ドライバー交代時のホースのねじれもなく、またクーラーボックス内の氷が溶けてしまいレース後半にクールスーツが効かなくなるというトラブルも起きない。

第3戦を終えてウェイトハンディは、1号車が40kg、3号車が8kg、12号車が38kg、24号車が62kg。ランキング上位の主要車両はおおよそ40kg以上のウェイトを搭載しており、3号車のようにハンディが軽量な車両には大きなチャンスがありそうだ。

GT-Rは今年の1月に当地でテストを行っており、ライバルメーカーの車両に対しマージンがあると予想される。さらにこれまでのセパンにおけるレース展開においても、日産車との相性は良い。1月のテストにおいてはミシュランユーザーの3号車も好タイムをマークしており、またヨコハマユーザーの24号車は2連覇を遂げているゲンのいいコース。GT-R勢の中でも激しい競争が生まれそうだ。ニスモは1月テスト時のデータ、エアコンという武器を十分に活用し、富士に続く連勝を狙う。


セパンの観戦&撮影ポイント・・・小宮岩男カメラマン
セパンは何といっても直射日光が強く気温も高いので、グランドスタンドからの観戦をお勧めします。屋根もあり風もそこそこありますから、他のどの場所よりも快適に観戦できると思います。さらに大型スクリーンでレース展開を確認することもでき、ピット作業も手に取るように分かるでしょう。スタート時は1〜2コーナーが混乱しがちなので、スタートは1コーナースタンドからの観戦が面白いかもしれません。写真撮影に関しては、観客席からコースまでが遠く、またフェンスなどの障害物も多いため、迫力のある写真は撮りにくいと思います。グランドスタンドの一番奥、最終コーナーが回り込むタワーからは、ほぼ真下を走行する車両を撮影することができます。他では見られないようなアングルですし面白いと思います。炎天下での観戦は熱中症を招きますから、くれぐれも帽子、タオル、飲料水はお忘れなく!

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