すべてのタイトルが決まる最終戦・富士
いよいよ2008年SUPER GTも最終戦を迎える。GT500/GT300の両クラスとも今回でチャンピオンが決定となる絶対に見逃せない一戦となる。

富士スピードウェイは国内屈指のハイスピードコースで、1.5kmのホームストレートは世界的にも類を見ない。前半区間はチャレンジングな高速コーナーもあるが、ダンロップコーナーから最終コーナーまでの最終セクションは、上りながらコーナーが連続するテクニカルセクションと、性格がかなり異なってくる。特に最終セクションは車両重量(車重)が大きく影響し、さらには最終コーナーでの脱出スピードがストレートでのトップスピードにつながるため、車重の重いGT-Rには厳しいコースでもある。

第8戦・オートポリスで23号車が優勝、22号車が5位となった結果、GT500のドライバーズ部門チャンピオン争いは5台のドライバー(#23 GT-R 本山哲/ブノワ・トレルイエ=74点、#18 NSX 道上龍/小暮卓史=60点、#36 SC430 脇阪寿一/アンドレ・ロッテラー=59点、#38 SC430 立川祐路/リチャード・ライアン=57点、#22 GT-R ミハエル・クルム/柳田真孝=57点)に絞られた。今回の富士で本山組は5位以上でゴールすれば自力でチャンピオン獲得となる。2位の道上組が逆転するには、最低でも2位で本山組が6位以下、3位以下が逆転するには、最低でも優勝で本山が6位以下とならなければならない。またチーム部門ではトップの36号車を23号車が5点差で追いかけている状態だ。

最終戦・富士におけるウェイトハンディは、ポイントリーダーの23号車が80kg(40kgのウェイト搭載と40kg分のリストリクター調整、車重1,240kg)、シリーズ5位の22号車が25kg(車重1,185kg)、3号車が55kg(40kgのウェイト搭載と15kg分のリストリクター調整、車重1,215kg)、12号車は10kgながら25kgの性能引き上げを受け(車重1,145kg)、24号車にはウェイトハンディはなく50kgの性能引き上げを受けることになった(車重1,110kg)。特に重量の重い23号車にとっては、1.5kmにも達するストレートを持つ富士では苦戦が予想される。チャンピオンを争う道上組、脇阪組も車重が重いが、立川組のウェイトハンディは25kg(車重1,125kg)と軽い。また軽量な状態で臨める12号車と24号車は共に今季2勝目を狙ってのレースとなる。

いっぽうGT300クラスのドライバー部門は4台のドライバー(#43ガライヤ 新田守男/高木真一=75点、#46 Z 星野一樹/安田裕信=73点、#2紫電 高橋一穂/加藤寛規=68点、#81 Z 青木孝行/藤井誠暢=58点)に絞られている。青木組は最低でも優勝と逆転は難しそうで、新田組、星野組、高橋組の三つ巴となりそうだ。チーム部門では46号車が12点差のトップで、この位置をなんとしても守りたいところだ。

柳田真孝から富士観戦ポイント
「富士は何と言っても1コーナーのバトルが面白いと思います。GT500がGT300をオーバーテイクするのはもちろん、同じクラスのクルマ同士でもバトルが展開されますし。1.5km近いストレートからのフルブレーキングは迫力あると思います。それからセクター3のネッツコーナーもクルマの走行ラインが面白いでしょう。ここはドライバーにとっても難しいコーナーで、その時のクルマやタイヤの状態を考えながら決勝中でもラインを変えながらいろいろ試していますから。ノーズが入ってリアが安定しているクルマが速いので、チェックしてみてください。 今回はいよいよ最終戦ですからぜひ現地へ見に来て応援をよろしくお願いします。両クラスともチャンピオンがかかっていますし、僕たちにもチャンスがある限りいいレースをお見せできるよう頑張ります!」
※コース各ポイント解説は本山哲
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