SUPER GTで最も過酷な真夏の耐久は、GT-Rにもチャンスあり!
 第5戦スポーツランドSUGOでは、結果的にヘビー級のGT-R勢にとって活躍の場はなかった。しかし第6戦の鈴鹿ではGT-Rにも活躍のチャンスがありそうだ。特別性能調整は8月上旬の時点では変更はなく、最低車重がGT-Rが1,180kg、NSXが1,140kg、SC430が1,100kgという規定はそのまま。これにハンディウェイトを加算すると、#23 GT-Rが1,235kg(20kgのウェイト搭載と35kg分のリストリクター調整)、#22 GT-Rが1,200kg(20kgのウェイト搭載)、#24 GT-Rが1,210kg(20kgのウェイト搭載と10kg分のリストリクター調整)、#3 GT-Rと#12 GT-RはSUGOのレース結果により、25kgの性能優遇を得たため1,155kgとなる。
 真夏に行われる鈴鹿ラウンドは、06年からSUPER GTのシリーズ戦に組み込まれたものだが、鈴鹿では真夏の耐久レースとして60年代から行われ、80年以降は毎年開催されてきた伝統あるイベント。日没後のライトオン走行、終了後の打ち上げ花火など夏休み終わりのお祭り的要素も強い。しかしレースの中身には一切のお祭り的要素は見られない。
 現代の鈴鹿1000kmは5つ、もしくは6つのスティントに区切られたスプリントレースだと言っていいだろう。例年鈴鹿の気温は30℃を超え、路面温度も50℃をオーバーすることもある。当然コクピットの中はサウナ状態で、走行距離は赤道直下のセパンの3倍。ドライバー、マシン、さらにチームスタッフは、まさに暑さとの戦いになる。昨年はレース終盤に夕立があり、レースも荒れた。
 このレースは、2名のドライバーでも乗り切れるが、ニスモでは2名の第3ドライバーを起用することにした。#22GT-Rはドミニク・シュワガー(ドイツ)、#23GT-Rはファビオ・カルボーン(ブラジル)。このふたりは昨年までGT500をドライブしており、優勝経験もある。またカルボーンは06年の#22 Zの第3ドライバーに起用したこともある。
 車両的には、セパンでも使用したヘルメットのクーリングシステムはもちろん、ドライバーや車両の冷却システムを搭載。また日没後の走行も控えているため、ヘッドランプのレンズを大型化し明るい視界を確保、運転しやすいように改良した。さらに室内の照明も変更し、ドライバーにボタン類が見えやすいようにしている。
 この長い過酷なレースでは、チームの総合力がものを言う。GT-Rと鈴鹿の相性は良い。軽量な#3、#12はもとより、他の3台にも上位入賞のチャンスは大いにあることだろう。
 なお観戦では、天候が良いと気温が30℃を超えるため、熱中症など暑さ対策を忘れないように心掛けたい。日傘、帽子、サングラス、飲み物、さらに女性であれば日焼け止めは必須。スタンドでは座っているスタンド自体が熱くなるので、日陰を見つけて移動しながら観戦するとよい。また昨年のように急に夕立ちに見舞われることもあるので、場内放送などで最新情報を得るようにしたい。


柳田真孝から鈴鹿観戦ポイント
「鈴鹿は、セクター1(コントロールライン〜ダンロップコーナー手前)をいかに速く走るかが重要ですので、セットアップもそこを中心に進めていきます。走りを見てもらいたいポイントは1〜2コーナー。コーナーから先のS字の動きも見えますし、スタンドもあって見やすいですしね。ここをスムーズに走っていれば調子いいと判断してください。鈴鹿1000kmはいかに安定してミスなく走るかがカギです。長いレースでも戦えるようなセットアップを施して頑張ります」

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