「MOTUL AUTECH GT-R」が1番グリッドを獲得。
今年の鈴鹿1000kmはGT-R勢にチャンスあり。
雨の予選1回目。MOTUL AUTECH GT-Rがグッドタイミングに2番手タイム。
夏休み終盤のビッグイベントであるSUPER GT第6戦International POKKA 1000kmは、8月23日(土)に公式予選が行われた。例年多くの観客を集めるこのレースだが、公式予選はあいにくのウェットコンディション。朝の公式予選1回目は、各チームとも最初からレインタイヤを装着してタイムアタックに臨んだ。雨量が刻々と変化する中、路面のコンディションも流動的。20分間のGT300の専有走行のあと、GT500の走行時間帯も深溝レインタイヤが必要な状態だったが、終盤に一時的に雨が止むとみるみる路面の水ははけていった。このタイミングを見逃さなかったチームがピットインし、インターミディエイトタイヤに交換してコースイン。しかし、すぐにGT300との混走時間となったため、タイムアップを果たせたチームは多くはなかった。

特別性能調整分の20kgウェイトを軽減されたNISSAN GT-R勢は、予選開始早々から好位置に付けていた。中でも、最も重量の軽い#12カルソニックIMPUL GT-R(#12 松田次生/セバスチャン・フィリップ)が上位のタイムで周回し、XANAVI NISMO GT-R(#23 本山哲/ブノワ・トレルイエ/ファビオ・カルボーン)、MOTUL AUTECH GT-R(#22 ミハエル・クルム/柳田真孝/ドミニク・シュワガー)と続いた。GT500専有時間の終盤を迎えるとライバル車が上位に上がって来たが、インターミディエイトタイヤに換装してコースに入った#22 GT-Rのクルムが絶好のチャンスを捉えてベストラップタイムを更新。リーダーボードのトップに躍り出た。その後、GT300との混走時間の後半に良い路面コンディションを捉えた#100 NSXがトップタイムを塗り替えたものの、#22 GT-Rは2番手で予選1回目を終えた。

また、#12 GT-Rは5番手、#23 GT-Rも8番手に入り久々にSLでタイムアタックする権利を得た。

#22 GT-Rのミハエル・クルムは、「(タイムアタックは)これ以上ないぐらい絶好のタイミングでした。タイヤのウォームアップも上手く行き、GT300車両がまだコース上に少なかった時間に完全なクリアラップを捉えることができました。パーフェクトだったので、気分がいいです」と上機嫌。飯嶋嘉隆ニスモ監督は予選1回目直後に、「今回はうちの2台とも良い感じに仕上げて予選を迎えられました。22号車は絶妙のタイミングでアタックできたし、まだ最重量級ながら23号車もウェット路面を味方に付け、久々のSLに残ることができました。ここまでは計画通りに進んでおり、ふたりの第三ドライバーもチームに順応しています。ニスモにとって今週は、良い週末になると思いますよ」

荒天のためスーパーラップは中止、PPは#22 GT-Rのものに。
予選1回目の終了後一時的にやんでいた雨が再び降り出し、次第に激しさを増していった。その後、回復を待ったが状況は変わらず、何度か走行時間の変更がアナウンスされたのち、2回目の公式予選およびスーパーラップのキャンセルが決定した。2回目の予選でのクォリファイが認められていたサードドライバーが何名か1回目の予選を走行していなかった。このため、決勝レース日のフリー走行時間にサードドライバーがクォリファイを受けられることとなった。

1回目の公式予選後、トップタイムを記録した#100 NSXが前日にエンジン交換していたことから、予選順位の降格が告げられた。また、#38 SC430は、今回のレースからシャシーを交換したことから、ピットスタートとなった。このため、#22 GT-Rが繰り上がって1番グリッドからのスタートが確定。決勝レースは、#12 GT-Rが4位、#23 GT-Rは7位、#24 GT-Rは13位、#3 GT-Rは15位からスタートすることとなった。


ニスモ飯嶋嘉隆監督
「繰り上がり1位ですが、#22号車は今年3度目の先頭スタートなので、なんとか三度目の正直で表彰台の真ん中に押し上げたいと思います。#12号車(GT-R)や#1 NSX、#36 SC430などとの勝負となるので、もちろん楽なレースではないでしょう。チームもドライバーもミスなく完璧なレースが求められます。先頭スタートの利点を生かして、上手くレースをコントロールしたいと思います。長いレースになりますが皆さん応援を宜しくお願いします」
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